平方録

秋の出羽路を行く 3


肘折温泉の朝市には近郷の農家が畑や山で採れたもの、あるいは栃餅や地元でくじら餅と呼ばれる手作り品を持ち寄って売っている


ボクは焼酎に漬けて飲むと体に良いと聞かされたコクワの実を1kg買った


売り手のおばちゃんによれば東北の夏が天候不順だったこともあって、山になる実ものはみな不作、キノコ類も全然ダメだという。旅館の夕食にキノコ汁あたりを期待していたのが外れてマグロやハマチに似た刺身が出てがっかりした理由が判明した。クマたちは困っていないだろうか




肘折はまた肘折系と呼ばれるコケシの里でもある


宿を出発して途中で立ち寄った道の駅で最上川で採れた川ガニ(藻屑ガニ)を見て


おびただしいイナゴたちに程々にしておけよと声をかけ




月山の麓から延々と広がる庄内平野の黄金の海の真っ只中を日本海目指して突っ走る


湘南の青い海と違って日本海は緑色をしている


立ち寄った加茂水族館はクラゲの展示で名を轟かせ、駐車場には横浜や湘南ナンバーをはじめ、全国各地のナンバーの品評会になっている








管内ではクラゲを楽しみ




クラゲの刺身を中心にした1100円のクラゲ御膳を味わうと




明治の初めに失業した庄内藩士3000人が始めた養蚕の拠点・松ヶ岡開墾場を訪ねて往時を偲び、桜の幹の太さに花の盛りを思い


ついに羽黒山の山中に分け行って階段を登っていくと




やがて樹齢千年を超えるとされる天然記念物の爺杉と国宝の五重塔が出迎えてくれた




さらに上へ上へと登っていくこと30分



中間地点の茶屋では庄内平野とその先の日本海を眺めながらひと息つき


再び階段に戻り上へ上へと登ること30分




時期外れなんじゃないかと思うヒグラシの澄んだ鳴き声と野の花に励まされつつ2446段を登りきったそこに


放水銃に守られた出羽三山神社の巨大な茅葺き屋根の本殿に到着した


神社に隣接する宿坊の斎館に宿を取り


焼いたクチボソガレイなどの庄内の海と丘の幸を味わい、般若湯で2446段の疲れを癒したのだった
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