ヒグラシの朝の蝉時雨がパタリと止んで、辺りに静寂さが漂い始める。
まだ午前5時までにはソコソコの時間があるが、普段はヒグラシの蝉時雨にたたき起こされるように鳴き始めるアブラゼミも今朝は鳴き止んだままである。
なぜ…?
所々に青空がのぞいてはいるが、空の大半を黒雲が覆っているせいだろうか…
…? と思っていると、アブラゼミの鳴き声は聞こえ始めたが、いつもは賑やかな鳥の声も今朝は聞こえていないことに気付く。
シジュウカラやスズメの声はおろか、あの大音量で鳴くガビチョウすら沈黙したままだ。
最近居つき始めた磯の鳥のイソヒヨドリも今朝は姿すら見せないのはどうした風の吹きまわしだろう。
気にすることでもないんだろうが、こういうことはいったん気になり始めると、理由が定かではないだけに気がかりは募る。
そんなことを思っていると、遠くからコジュケイの「チョットコーイ」と言う鳴き声が聞こえてきた。
北アルプスの麓の大町で牧師てしていた太田某と言う人物が「あいつは特に美味なのだ。トーキョーの友人たちとの会合の手土産にコイツを持って行くと連絡しておくと、集まりがすこぶるいいのだ」とその著作の『辺境通信』に書いているのを読んだことがある。
「"チョットコーイ"と呼ぶから、それなら行きましょうと言って捕まえるのだ」と、とぼけたことも書いてあったが、締めたと思っていたコジュケイが特急電車の袋の中で息を吹き返し、「声を上げて暴れはじめた時は慌てて首をひねり直した♪」…なんてことも書いてあって、伴天連教とは何と恐ろしい宗教かと思ったものだ。
残念ながらまだ口にしたことはない。
気になると言えば、今年はミンミンゼミの鳴き声が少ないのだが、何か理由があるのかしらん。
近所の池と森の公園内に咲いているアカバナユウゲショウ
北米から南米を原産地とする帰化植物で明治時代に園芸植物として導入されたが、逃げ出して野生化したものだという
ユウゲショウは「夕化粧」で夕方から咲くと言う意味だが、実際には昼間から咲いている
艶っぽいピンクの花はユウゲショウの名に相応しい
ピンク色が印象的な花だが、たまに白花もあり、白花であっても「アカバナユウゲショウ」のままだそうだ