帰り道、午後1時近くだが、アメ横界隈でお腹でも満たしてから帰ろうと立ち寄って驚いた。
昼酒を飲ませる店が7、8件も立ち並んでいる一角があるが、何と、どの店にも空席は見つからない。
どのテーブルの上にもビールのジョッキやら大振りのグラスが置かれている。
もつ煮をつまみにしている輩もいて、本格的な飲酒? スタイルである。
若いカップル、若い女性客同士、私のような年格好の役立たず…。客層は様々だが、ネクタイを緩めたスーツ姿も混じっている。
「ニホンジン、ハタラキスギデ~ス。ユトリ ナイデスネェ~。バカンス アリマセンカァ~?」
外国人にそんな余計な忠告を受けたのはバブル前の、かれこれ30年以上前の話である。
私も社会に出てしばらくは「週に1日の休みを与える」などというアバウト極まりない就業規則を持つ仕事に就いていたため、日曜だろうが土曜日だろうが働いていたのだ。
比較的日曜日は休めたのだが、土曜日は公務員だって働いていた時代を過ごしたのだ。
もっとも奴らは“半ドン”とかいって、午前中だけの勤務だったのだが、我が職業は夜中まで。朝出勤してすぐに帰るような中途半端な環境ではなかったのである。
働き過ぎを指摘した外国人がアメ横界隈の通りを歩いたらびっくりすること請け合いである。
「オ~、ココハ パリ デスカァ~。フランスデハ ヒルマモ ワイン ノミマ~ス。デモ チョットダ~ケ。タクサン ノミマセ~ン。ニホンジン ダイジョブデスカァ~?」
いいんだよ、余計な心配しなくっても。これからアメリカの手下になって、若者は戦争に駆り出されるんだから。刹那的に生きるんだよ。
第一、一生懸命働きたくたって、給料も安い、身分も不安定な契約社員か派遣社員、あるいは季節工だからね。家族を持ちたくても持てないし、老後なんか真っ暗ですよ。
「オ~、ウソデショウ。ニホン GDP ワールドNo3デェ~ス。チガイマスカァ~。フクシ コッカ デショ~。アンビリバボォ~!」
ま、ともかくオイラも驚いたよ。
こういう時は連帯意識がムラムラと立ち上って来て、仲間に加わるべく席を探したんだけど、無い!
仕方なく1軒の立ち飲み屋に隙間を見つけて潜り込んだが、ここも客層は同じ。
立ったままぐびぐびやっている女性客グループの甲高い声が些か邪魔に感じたが、まずはとりあえずのジョッキビール。
壁にべたべた貼られたメニューの短冊の中からカキフライを注文。
ここはキャッシュ オン デリバリーで、品物が届くたんびにお金を払う明朗会計。と言うより、飲み逃げ防止対策。
カキフライ3個が乗った皿が届いた時点でジョッキは既に空。追加のもう一杯を頼み、ついでに、タモリの番組で紹介されました、という“名物ハムカツ”も注文。
ビールはちびちびというわけにはいかず、2杯目もすぐに空。外国人にはダイジョウブ デ~ス!と言い放ち、トマトハイを注文。
焼酎をトマトジュースで割ったもので、ま、ブラッディメアリーですな。ジョッキにたっぷり入って出てきましたね。
ジョッキビール2、トマトハイ1、各350円、カキフライ400円、ハムカツ300円…、ウン? いくら?
午後1時の立ち飲み屋の店内
1個食べてしまったカキフライ
2個乗っていたハムカツとブラッディメアリーことトマトハイ
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