孫娘の姫の誕生日が近づいてきたので、プレゼントする本の物色を始めた矢先なのである。
隣町に大きな本屋が2件あって、そこはもうくまなく見て回ったつもりだが、ちょっと物足りなくて、はるばる出かけて見たのである。
「わたしの『やめて』」という題がつけられた絵本。
副題に「戦争と平和を見つめる絵本」とあり、腰帯には「戦争って何?」と大きく書かれている。原作は自由と平和のための京大有志の会が戦争法案を危惧して緊急アピールした「声明書」で、それを子供向けに分かりやすく翻訳したものである。「子ども語訳」と書かれている。
絵は塚本やすし、という人が描いていて、なかなか印象深い絵本になっている。
京大有志の会の緊急アピールは、戦争法案に危惧する知識人や学者・文化人たちが個人やグループで次々に反対の意思表示を挙げるきっかけになったような、最初の頃にいち早く出されていたので新聞なども取りあげていたから知っていた。
しかし、それが絵本になっているとは知らなかったのである。
1年生の姫にはちょっと難しいかもしれない。しかし、母親と一緒に時々読んでくれればいい。
もう少し学年が上がったら、今度は1人で時々読んでもらいたい。
そうして、如何に戦争というものが避けなければならないものか、やめなければいけないものかを身につけてもらいたい。そう願って「こんにちはまどさん」という、まどみちお詩集と一緒に誕生日祝いに贈ることにしたのである。
最後のページには京大有志の会のプロフィルが書き添えられている。曰く「2015年7月に京都大学の学生や教員が中心となり、日本と世界の国々が平和で自由な社会であるためにはどうすればいいのかを共に考え、学び、思いを声にして、行動して行くことを目的としてつくられた団体」と。
声明書には共感するところが多いので、ちょっと長いが書き記しておくことにする。
戦争は、防衛を目的に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。
戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。
精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。
海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。
血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。
学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。
生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力に
くさびを打ちこまなくてはならない。
簡潔で、ズバリ核心をついた、しかもリズム感のある文章なのだ。
惜しむらくは、沖縄の二つの新聞社を懲らしめなくてはならない、などと暴言を吐いた議員をはじめとする大多数の自民党と拝み屋党の輩にはチンプンカンプンだろうが、そんな奴らは捨て置けばいい。
汗水たらして真面目に働く多くの国民の心には、きっと響くはずである。
奥付きには2015年9月30日第1刷発行、とあるから書店に並び始めて間もない本なのだ
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