平方録

もっとワルに…

雨に降り籠められたりで2日間家にいたので、外の空気を吸いに出かけた。

冬場に家にいるときは掘り炬燵に潜り込んで音楽をかけながら本を読む。聞く音楽はCDかFM放送で、クラシックやジャズ、ポップス、邦楽などさまざまである。流してみて心地よいものを聞く。聞くというよりバックグラウンドミュージックと言った方が正確か。きれいな音が流れているほうが、本に集中できるような気がする。邦楽と云ってもソーラン節のような調子の良い民謡はちょっと具合が悪い。何か身体がムズムズしてしまうのである。DNAによって無意識のうちに踊りだそうとするんだろうか。読書に集中するということは、音楽は聞いていないということの裏返しでもある。従って集中をかき乱されないような曲想のものが好ましいのだ。

時々飽きてくるから、そんな時はしばしば、ごろんと横になる。これがまぁ、背筋も伸びて実に気持ちが良い。寝転がると身体が炬燵の中に入り込む部分が増えるせいか、余計に暖かさを感じて心地よい。暖かいからちょっとの間うたた寝と云うことになる。これもまた気持ち良い。
真夏に風がそよそよ通り抜けるようなところでする昼寝も心地よいものだが、冬場のほうが、そうしている時間が長いためか、怠惰な感じを持ってしまうのである。

炬燵からもぞもぞと這い出すときはトイレに行くかテーブルでごはんを食べるときくらいである。
昼飯が終わり、何度目かのうたた寝も済むと、缶ビールでも飲むかということになる。炬燵に入っているから喉が渇くんである。
本を読みながらグビリとやるひと口目はさすがに美味しい。
しかし、不思議なことに350mlの缶ビールはなかなか減らない。残ってしまうこともしばしばである。なぜだかよくわからない。

怠惰に浸る罪悪感のなせるせいなのかどうか。
そうだとすれば情けないことである。もっとワルにならなければ…

一日中炬燵にしがみついていると、晴れていれば太陽の移ろいが良く分かる。
長かった1月がようやく終わり、今日から2月だが、大寒の今はさすがに寒い日が続く。しかし、庭の植物の芽は確実に膨らんできている。啓蟄はまだ先だが、地中では何かが確実に動き出しているような、それはあまりに気が早すぎると言うなら、動き出す準備が始まっていると言い換えても良い。
日差しは確実に「光の春」になってきた。
光に明るさが増してきている。空気は冷え切っているが、春の予兆を感じる。

炬燵から抜け出した先は夢想国師が開いた二階堂の古刹・瑞泉寺。
自転車を漕いで30分くらいの道のりである。谷戸の奥に位置していて冬場の午前中は日陰になる部分が多く、境内は凍っていた。スイセンジと呼ばれるくらいたくさんあるスイセンは盛りを過ぎたようだが、梅の木々のつぼみはまだまだ固い。
ここの春は些か遅れてやってくるようである。

大町の教恩寺と言う時宗の寺に寄る。
ここの住職は妻が習っている習字の大先生格で、書道連盟の理事長さんの寺と聞いたのである。
県道から細い道を入った奥にある小ぢんまりしたお寺である。
本尊は運慶作と伝えられる阿弥陀如来三尊で、拝んでみたいのだが非公開なのが残念。

源平合戦の折、清盛の子で捕えられた重衡が尋問を受けるため鎌倉まで連れて来られたそうだが、武士らしい立派な態度に感心した頼朝が酒宴を開くことを許したのが、この教恩寺と伝えられている。
山門には十六羅漢像の彫り物があり、境内側は牡丹の彫り物になっていて、なかなか洒落ている。





梅のつぼみはまだまだ固い


日の当たる高い枝先のつぼみは膨らんでいた



健気に1メートル近くも伸びて生垣の頭から顔をのぞかせて咲くスイセン




教恩寺の山門と装飾された十六羅漢像と牡丹の彫り物
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