何とも目まぐるしい1日であったことよ !
以前から予定されていた必須の予定があって、出来るなら避けたいと思いつつ家を出たのだった。
寄りによって、当地方には大雨洪水警報が出されていて、激しい雨がたたきつける最中である。
最寄り駅まで車で送ってもれえなければ、この外出は無理だったろう。
それくらいの荒天だった。
ひとつ気が楽だったのはこの天候の有り様なら、さすがに不要不急の外出を企てる不届き者はいないだろうということ。
いくら土曜日で平日とは違うとはいえ、電車はそこそこの人混みだろうし、そんな中に放り込まれて見えない恐怖におびえるのは真っ平だなぁと心底思っていたのだ。
しかし、この日は〝特異日〟とでもいうのだろうか。
時間の経過とともに、目を見張る事ばかりで、ならばこいつは絵日記風かつ紙芝居風に書き残しておかん…と。
では、始まり始まりぃ。
あまりの荒天ぶりに電車が止まってしまいやしないかという危惧があったので、横須賀線、東海道線、根岸線の3つが発着する大船駅まで車で送ってもらう
09:51の大船駅南改札付近。キツネにつままれたように人がいなかった
ボクの立っている横須賀線の上りホームはもちろん、隣の東海道線下りホームにもヒトの姿はほとんどと言っていいくらいない(東海道の下りホームに1人いるのを現認しただけ)
やってきた横須賀線の最後尾に乗り込んだのはボク1人。乗っていたのは4人で、1人は隣の戸塚駅で降りたが、戸塚駅以降、横浜駅までの3駅から乗り込んできた人は皆無
10:16 目的地の横浜駅に着いて北改札を出るとコンコースはごらんの通り
ここでもキツネにつままれたような気分を味わう
地下通路を折れ曲がって東口と西口を結ぶ東西自由通路になっている中央コンコースに出るとこんな大きな案内表示が目に飛び込んできた
デパ地下以外のシャッターは開いていないということらしい
11:14 ほぼ1時間で用事を終えて再び横浜駅に戻り、中央コンコースを通って電車に乗ろうとした 駅の東西にデパートと地下街、それに続く繁華街があって、東西を行き来する人、JR、京急、東急、相鉄、横浜市営地下鉄、横浜高速鉄道の各線の電車に乗る人でいつもなら平日休日を問わず、流れに逆らってはとても歩けないくらいにごった返している場所がこのありさま
これなら「三密」どころか、ウイルス感染の心配などありゃしない ホントにホッとした
でも一つだけ誤算が…
昼食用に駅弁でも家に買って帰りたいなと思って探したんだけどね
第一候補はなんたって崎陽軒の「シウマイ弁当」。あそこのはなぜかシュウマイでなくてシウマイなんだよな
あれは癖になってねぇ。列車に揺られながらカップ酒をチビチビやりつつ口にするあの弁当のファンはボクならずとも少なくないだろう
そう考えるだけでよだれが…
しかし、よくよく考えてみれば外出自粛が求められている社会で、駅弁スタンドに出来立ての駅弁が積み上がっているわけがない そんなことすら頭に浮かばなくなっている
どうも想像力の欠如というか、家でじっとしている時間が長引いているせいか、世の中の動きを正確に読んだり、想像したりすることが出来なくなりつつあるようだ
浦島太郎的感覚と言っては語弊があるかもしれないが、それに近いのではないか
実はこの日、電車に乗ってそこそこの距離を移動するのは1月中旬以来、実に3か月ぶり ! だったのだ
風雨は依然荒れまくり、駅ビル地下のスーパーを覗くと大船軒の「鯵の押しずし」を見つけ、なぜか一緒に並んでいた北陸金沢のアナゴの押しずしを買って、迎えに来てもらった車で家に戻ったって訳さ
ワイパーも効かないくらいの降りの強さに驚きながら…
鉄の車輪とレールのつなぎ目が生み出すアノ心地良い音と揺れがないのが寂しいが、とにもかくにも冷やした日本酒を飲みながらアジとアナゴの押しずしを頬張り、コタツにもぐりこんで音楽を聴き、本を読んで過ごしていると、何やら外が明るくなってきた
そう思って空を見上げていると、あれよあれよと雲が去っていき、たちまちのうちに真っ青な青空が全天に広がった
まだ軒先から雫がしたたり落ちるくらいの雨上がりの中を、せめて池のある公園くらいまで出かけて森の様子を眺めてこようと家を出る
16:07 雨に洗われた新緑が澄み切った青い空に映える 萌え出たばかりの葉っぱたちが歓声を上げているようにすら感じられ…
森の奥に進んでいくと
普段はチョロチョロと申し訳程度にしか流れていないのに、この時ばかりは音を立てて流れている
園路の上もお構いなし
一部では園路の脇が水路になってしまって、やはり音を立てて流れ下っている
運動公園まで足を延ばし、いつもの〝額縁〟から覗いてみたが富士山は見えず
丹沢の峰々がかすかに見えるだけ
夕日の差し込む坂道が心にしみる
17:30 家に戻って再びコタツで音楽を聴き始めると、遠雷の響く音とともに、あれほど晴れ渡っていた空が雲に閉ざされてしまったことに気付く
同時に雨が落ちてきて、しかも何ということでしょう…夕日が射して来たではありませんか
日が射しかけているところに雨が降るってことは…虹が出るっ !
それっとばかりに2階に駆け上がって東の空を見たのが見出し写真とこの写真 17:30
確かに虹は出ていた
大空に見事なアーチを描いて
でも、色が薄い 儚げと言ってもいい
希望の架け橋はかかったけれど実際はまだこんな程度だよっていうのが、天が寄越したメッセージなのだろうか
考えすぎかなぁ