平方録

垂涎のエプロン

午前零時を過ぎ、なおかつ深酒をして床に就いた翌朝は、さすがに4時に起きるというのは難しい。
1時間寝過して、気がついてみたら5時を回っている。
これが夏の朝なら、辺りが明るくなっているから気付くのも早いのだが、何せ間もなく冬至を迎える今ころの日の出は6時半過ぎである。
白河夜船も致し方ないのである。
目覚まし時計のベルが鳴るわけでもなく、自然状態でよく起きた方である。

久しぶりに高校時代の友人2人と飲んで、昔に帰ったつもりで痛飲してしまった。
古い友人と言うものは古いなりに、会った瞬間からそれぞれが過ごした思い出深い時代に、いとも簡単にタイムスリップできるところが、素晴らしい。
まぁ、アベなんちゃらに対する不満は山ほどあるが、それ以外にはとりたてて心配事もなく、お互い心おきなく飲めるうちが華なのである。
ぬる燗を頼んでも熱燗が出てきてしまう不手際の店だったが、イワシのつみれやきんぴらごぼうのつまみの味は良かった。

この2人と飲むと、いつも真面目な話になるのだが、あにはからんやこの日も結構真面目な話題ばかり。
まだ頭がぼーっとしていてうろ覚えだが、戦争法案の是非を巡って、日本は武力偏重の世界の流れに迎合することなく、独自の立場を誇り高く貫くべし、それこそが日本の日本たるゆえんであり、それこそが地球上に平和をもたらす唯一の道だとか何とか、口から泡を飛ばしたような記憶が残っている。
高校時代の友人と言うのはありがたいもので、同意しているかどうかは別にして、そんな勝手な意見にも熱心に耳を傾けてくれるのである。
だからますます、舌の回転速度が増してしまうのである。

2軒目はこれまた高校時代の友人がやっているロックカフェへ。
12月8日はジョン・レノンの命日だとかで、ジョン・レノンの歌声ばかりばかり流していたが、むべなるかな。
ロックカフェの選択としては、正当中の正当なのである。と言うか、それ以外の選択肢がありうるのかどうか。

ま、ここでも他の客の迷惑も顧みず、お互い口から泡を飛ばしていたような気がするが、何人かの客が羨ましそうな視線を投げてよこしていたような気もする。
右耳でビートルズを聴き、左の耳で我らの馬鹿話も耳にしていたのだろう。
「やってやがんな。羨ましいじゃん」という具合だったと勝手に思っているが、それが手前勝手になる酔っぱらいの酔っぱらいたる所以なのかもしれない。
本当のところは「うるせー奴らだ。馬鹿め」と迷惑至極だったんだろう。

ところで、また気がついたのだが、同級生の店主がしていたエプロンは、わが数十年来の愛用で、すっかり白っぱげてしまったエプロンとウリ二つである。
帰り際に聞いたら、まだたくさん持っているからあげるよというが、その場でくれなかったというのは、本当にくれるつもりがあるのかどうか。
いや、疑ってはいけない。こちらの立場は「いただく」立場なのだ。
今度古いのを持ってくるから、それと引き換えにな、とか何とか云ったらうなずいたような気もするのだが…

今日はどうやら午前中は使い物になりそうもない。



1軒目…


2軒目のロックカフェ



わが愛用の白っぱげたエプロンと片や真新しいエプロン。わが愛用品にはPILSENER BIERとあるのに対し、新しいものにはHEINEKEN LAGER BEERとあり、ビールのつづりからして異なるのである。
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