平方録

北海道紀行 その4

10月2日。札幌の朝は8時スタート。恥ずかしながら初めての街。出勤するサラリーマンとすれ違いながら、ぶらぶらと北海道大学へ向けて歩く。
市民憲章にも謳われる時計台を過ぎ、旧道庁舎に立ち寄り大学構内へ。守衛さんがいるわけでもなく、大らかなもの。観光客も市民も当たり前のように構内を行き交う。
講義が終わり、次の講義を聴くため教室を移動するためか、学生が一斉に自転車で行き交う光景は圧巻。さながら自転車レース。
教授も留学生も走る走る。傍らの芝生の上では幼稚園児が木の実を拾っている。
広々として美しい構内でした。観光客が足を運ぶわけだ。

大学の雰囲気に刺激を受けたか、妻はもう一度勉強しようかしら、などと宣うが、こちらはそんな気にはサラサラならぬ。遊びなら喜んでやるけどネ。

札幌最大の歓楽街すすきのに行き、地元新聞社の人間から仕入れた情報に基づいて「けやき」で昼食。味噌バターコーンラーメン980円。
食に関する、味に関する表現にはまったく自信がないのでテレビのタレントのようにはいかない。で、結論。汁を一口啜って驚いた。「美味しい!」。久しぶりに「美味しい」と言えるラーメンにであった。

友人夫婦と妻に分かれて別行動。
全国的に知られた左翼系の知事の特別秘書を長く勤め、十数年前に札幌に戻った人物に会いに行く。

藻岩山麓で喫茶店を経営している。横浜時代から持っていた中型自動車一台分に相当するイギリス製のスピーカーをでーんと置いて、クラシックを流している。二方向に開いた大きな窓の一つには藻岩山の緑が迫り、もう一方の窓からは円錐形の円山の綺麗な姿を一望する。

昼下がり、客はいなかったが札幌交響楽団のメンバーやら演劇関係者、地元新聞社の文化部記者たちが時々姿を見せるという。
決して愛想が良いとは言えない爺さんだが、横浜時代の交流が生きているようだ。

不思議なもので、長い間の無沙汰などなかったように話は弾んだが、小樽へ行かねばならない。1時間半ほどで辞去してきた。

札幌駅からJRで小樽へ。車窓に日本海が広がるがJR北海道の車両の窓は汚い。美しい景色の中を走ることが多いのに、ぶち壊しだ。
安全面で様々に指摘を受け、社長が自殺したり、コロコロ首がすげ替えられる会社だからか。こういう一面を見るにつけ、さもあらんと感じてしまう。
客を思い、車両を綺麗に保つようになれば、自ずと安全面にも目が行き届くようになるはず。逆はあり得ない。

明日は小樽から札幌、室蘭、函館を経由して新青森まではJR北海道に乗って帰るのだ。安全運行をお願いしますよ。


イチイの赤い実の成る時計台。北海道ではオンコと呼び、別名はアララギ。


十年くらい前に台風で何本か倒れたが、ポプラ並木は風に木の葉を揺らしている


味噌バターコーンラーメンとお店


濃い焦げ茶色に統一され、床もテーブルも材木で仕上げた藻岩山麓の喫茶店内。窓の外に見える山は円山


レトロな雰囲気の小樽駅


旧北海道拓殖銀行小樽支店の建物を利用したホテル。外観(上)と廊下。まるで船の中のよう。歴史的建造物に指定されていて、与えられた部屋は金庫室のある半地下。明かり取りの小さな窓があるだけだが、落ち着く。一泊3500円で今回一番高い部屋代。


小樽運河。ガス灯の上のカモメがオブジェのように動かなかった




地元新聞社の情報に基づいて入った寿司屋「みよ福」。貝尽くしの刺身、濃厚な味のワタリガニ、シメサバとシャコ。握りずしも注文したが食い意地が勝り写すのを忘れた。
白ワインと冷酒を随分飲んだが1人7000円弱。東京や横浜の半分以下の安さ。
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