平方録

散髪屋の力量

横浜の行きつけの散髪屋さんでいつも刈ってくれていた女性が利き腕の右手首を骨折して早3ヶ月。
いまだに店に姿を見せていないから、関節の骨折は後のリハビリも含めて厄介なようである。
お陰で、黙って座ればいつも通りに刈り揃えてくれる人がいなくなってしまったのだから、こちらとしても厄介なことになっているのだ。

いちいち説明しなければならない。
しかし、ちゃんと説明すればこちらの希望する通りになるかと言えば、多くは希望どおりになるのだが、割と高い確率で意にそぐわないことも出てくる。
何度も懲りているのだが、止むにやまれず、2日前に近所のスーパーの3階にある理髪店兼美容室に寄ってみたら、とても繁盛しているようで、30分近くも待たされた。

大した注文はしていないつもりだが、バリカンは使わないでほしいと言ったら「ハイ」と答えたのに、刈り終わった頭を鏡に映して見せられたら、襟足の辺りは刈り残されたようになっている。
女性店員だったのだが、「バリカンを使わないと無理なんです」という。
でも、最初にハイって言ったじゃないのと声が出かかったが、あっ、そう、と飲み込んでしまった。
そういう店なんだ、そういう店員なのだ、と一瞬で諦めたのである。若くて世間ずれしていない年頃ならともかく、中年の店員だぜ。ま、二度と来なければ済む話だ。

家に帰ると妻が「あら、下手ねえ」という。それもそのはずである。
我ながら落ち着かないので、大風が去った昨日、隣町まで出かけて行ってデパートの1階に古くからある理髪店に行ってみた。
10台以上の散髪台がズラーッと並んでいる店で、待たされることもなく席について、スマホに取っておいた写真を見せて説明したら、「ああ、○○にすればいいんですね」と理解が早い。

初老の店員さんで、実に手際よく10分程度で刈り上げてくれた。
妻の評価も「あら、上手じゃない」。
スマホを見せて説明したところなどは近所のスーパーの3階の店と同様である。
しかるに彼我の出来栄えの差はどこから来るのだろう。
値段もスーパーの3階では1620円も取られたのだが、ここデパートの1階では何と900円!!
階が上がるにつれて値段も上がるのだろうか。そして腕前は反比例。まさか!

日が差してきたので、ちょいと足を伸ばして湘南海岸自転車道の点検に行ってみた。
案の定、心配したとおり、コース上を砂が覆ってしまっていて、自転車はとても漕ぎ進める状態ではない。
撤去には土日を挟んで数日かかることになりそうである。

ただ、強い風が吹くことは吹き、現実にコース上を砂が埋めてはいるのだが、それほどの大量の砂でもない。
というのは、強い風が吹き始めるより半日くらい前から雨が降っていて、砂が重くなっていたと思われるから、飛散量はそれなりに抑えられたのだろう。
しかし、逆の見方をすれば、そのように濡れた砂でもこんなに動いてしまうのか、という驚きの方が勝るのである。

水の流れは歳月を重ねれば固い岩でもいつの間にか穿ってしまうし、常に強い風の吹くところに生える樹木は真っ直ぐ伸びずに一定方向に寝てしまう。
水も風もその一滴、ひと吹きは軟らかで優しいものなのだが、すごいね、自然の力は。



湘南海岸自転車道のスタート地点。国道134号の地下通路辺りの砂の堆積。自転車ではここからもう前には進めない。


背丈の倍はある波をとらえて上手に板に乗っているサーファーがいた。湘南海岸では実に不思議な光景なのだが、こうした立派な波が押し寄せている時にはサーファーの数は数えるほど。しかるに、波がまったくないような時は雲霞のごとく水の上に漂うサーファーで、それも波打ち際近くが埋まるのである。あれも波乗りっていうのかなぁ…
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