初めてデートした日の1周年記念日だそうで、お相手は某マスコミ人だそうである。
新聞社や放送局の支局にガーデンのPR資料を届けて説明したりする仕事も担当していたので、何度か通っているうちに縁が出来たらしい。
見染められちゃったってことなんだろうね。
明るくて屈託がなく、あけっぴろげな性格で、「現在付き合っている彼氏はですねぇ」などと包み隠さず、常日頃から結婚願望を口にするような子で、周りから冷やかされ、からかわれていたが、うまくいかなくなっても決してめげることはなかった。
そういう子だから、心底うれしかったと見える。
「電話ではなく、お会いしてご報告すべきですが、最近お目にかかることが少なくなっているので…」という。
現代っ子のようでいて、案外礼儀もわきまえているのだ。
「式の予定はまだ何も決まってないんです」というから、何か祝ってあげなくてはなるまい。
それにしても、バラに囲まれてコツコツ仕事をしていると、幸せが舞い込んでくるようである。
バラにはそういう、人に幸福をもたらす力があると見える。
さて、横浜イングリッシュガーデンで1年を通して最も重要なのは、間もなく始まるせん定作業である。
バラは、古い枝を切り捨て、新しい枝の伸長を促しながら姿かたちを整えることによって、翌年の初夏に見事な花を咲かせるのである。
河合スーパーバイザーの下、4人のガーデナーではとても手が回らず、少しは腕に覚えのある人を頼み、私も猫の手の1本として大いに期待されているのだ。
去年は大アーチのつるバラのせん定作業を長時間、脚立の上で寒風にさらされながら続けたためか、年末にぎっくり腰をやってしまい、往生した。
せん定作業からの撤退も余儀なくされ、貴重な猫の手が失われて迷惑もかけてしまったから、今年は腰を暖かくして臨まなければならない。
そのせいばかりではないが、作業の遅れが際立ったので、今年は例年より開始時期を早め、10日からの作業入りを予定しているのだが、一向に冷え込んで来ないため、河合が頭を悩ませているそうだ。
予定通りにせん定作業に入ってしまうと、暖かいから本格的な春が来る前に新しいシュートが伸びてしまい、それが2月辺りの本格的な寒さで傷んでしまうと、取り返しがつかないからである。
寒さが通り過ぎた後に伸びてきてくれるのなら何の問題もないのだが、このままの暖かさが続くと、そうした懸念が付きまとうのである。
で、作業開始の繰り延べを検討中なのだが、そうすると今度は作業日程がきつくなる。痛し痒しなのだ。
バラは人を幸せにする力を持っている一方で、ことのほか手数のかかる存在なのである。
そこがまた愛おしいと言えば愛おしいのである。
今年の秋バラから
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