平方録

何だ たったの4.2度か

いつも通り今朝も午前4時に起き出すと、暖かい布団から抜け出たばかりの体にまとわりつく空気がやけに冷たい。

昨日の天気予報は、今日あたりから寒波が下りてきて雪国には大雪、めったに雪の降らない関東地でも水滴が落ちてくれば雪になるだろうと言って脅している。
そんなことが頭をかすめたせいか「なるほど、ご託宣通り寒いや」という印象である。
薄いパジャマのままベランダに出てみるとちょうど月が輝いている辺りに薄雲が広がっていて、直接の月あかりはないが、そこ以外の空は晴れ上がって星が冴え冴えととがったように光っている。
弱いけれども北風も吹いていて余計に寒さを感じさせているところなど、予報もまんざらオーバーでもなかったようだ。

試しにデジタル温度計をベランダの空調の室外機の上に置いておいて5時の時報を合図に室内に戻したら数字は4.2度だった。
何だ、そんな程度かという気持ちである。
てっきり零度近く、例えば1度とか2度とか……そんな数字を〝期待〟したのだが、特別に寒がるほどのことでもない。

はっきり言って寒いのは苦手で、夏だってちょっと北寄りの風を鼻腔に感じただけで寒冷アレルギーが出てクシャミを連発し鼻水を垂れ流すことになる。
温度変化には敏感で、秋の初めころはその温度変化についていくのがやっとで、やたらと寒がったりして周囲から憐憫の情が色濃く出た視線を向けられてしまう。
もこもこ着ぶくれるなんてのももってのほかだし、短パンひとつとTシャツ1枚で過ごせる常夏の地に移住出来たらどんなにか楽しいだろうと無想する日々である。

だから寒冷アレルギーによるクシャミが出始めるとアルコール度数の高いウイスキーをストレートであおって鼻腔を麻痺させようと試みるわけである。
これはこれで、アルコールは嫌いではないからむしろシメシメという気分で「良薬は口にうまし」なんぞと勝手なことわざを作って積極的に「治療」に励むことになる♪
ただ、例年のことだが、冬至を過ぎる辺りから寒さに慣れるせいだろう、周囲が「寒いね!」というような時でも「そお?」とつれない返事を返すようになるのだが、そのころになって遅ればせながらやっと耐寒性が備わるのだと理解している。
本来小回りの利く融通無碍な人間だと自負しているのだが、生憎、生理的な部分での小回は効かないようなのだ。

いつの間にか師走も28日となってしまった。
今年も残り4日ではないか。
……と言ったって、カレンダーを新しいものに変えはするが、元旦は単に大晦日の次の日というだけで、朝の光や空の色がバラ色に輝いたり、もしくは暗黒色になるのかと言えばそんなことは決してない。
ボクは生れ落ちてこの方、25550日余りを生きてきたが、そんな日は1日たりともなかった。
ただ、比較的浅い歴史を眺めた場合の例えば1937年7月7日の盧溝橋事件や1941年12月8日の真珠湾奇襲攻撃前後の朝がどうだったか、生まれていなかったので何とも言えない。
そんなおぞましいことがこれから先、絶対に起きないことを願うばかりだが、例えクジラに関することであっても憲法にも明記されている国際協調路線を平気でかなぐり捨てるような国に、その危険性は常に付きまとうと見なければならず、よくよく注意して見ていなければならない。
明確な憲法違反じゃないか!

ノータリンで傲慢な連中が権力を握っている日本の現状を絶対に忘れてはいけないのだ。



我が家の庭でも数日前からスイセンが咲き始めた


寒中の冷え切った部屋に入った途端にほのかに香るスイセンの香がことのほか好きである
春を告げに来た大切な使者なのだ
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