珍しい花に出会った。
どこから見たってヤマユリなのだけれど、どこから見たって化粧の仕方がまるで違う ?!
見るもの、咲くもの、白地に薄い黄色で筋を引き、さらにオレンジ色の小さな斑点をちりばめた艶やかでいて涼しげな容姿が人目を引き、さらにたとえ花の姿が目に入りにくくても、付近を通りかかるとあたりに漂う芳香が近くを通る人の足を止め、どこにかくもいい香りをもたらすものがあるのだろうかとキョロキョロさせないではいられない存在…それがユリの女王・ヤマユリなのだ。
それが…
いつも見かける定番の姿に混じって、目に飛び込んできた瞬間に「おっ ! 」と思わず声が漏れてしまうような紅色の衣装をまとって現れた。
最初は別の品種が紛れ込んで咲いているのかと思ったが、どこから眺めてもヤマユリにソックリ。
更に家に戻って写真をタメツスガメツして見てみると、黄色い筋が紅色に変わっただけで、それ以外はヤマユリと全く変わりはない。
もうこれは紛れもなくヤマユリにしか見えず、突然変異か何かは知らないが、ともかく色変わりが現れたのだと思うことにした。
っていうか、ボクには定番にはない妖艶さが感じられて、これはこれで十分すぎるくらい美しい ♪
そして部屋に飾るとしたら、家具も装飾品も置いていない部屋の真っ白な壁の前に1輪だけ飾るね。
しばらくその部屋にいると、どういう気持ちになるのかちょっと興味の沸くところだ。
大きな部屋だったら、やはり白い壁の前の大きな花瓶にたくさん活けるのもいいかもしれない。
ともかく、この花以外はほかの物はなにも置きたくない。
大船にあるフラワーセンターのホームページを開いて調べて見たら、一番下に掲げた写真にあるように、こういう〝赤花〟は例のないことではないようで、このフラワーセンターでは「ベニスジ」という呼称を写真説明に付けていた。
このベニスジの写真は少しどぎつくて場末のキャバレーの年増ホステスの化粧みたいで、とてもあのさわやかささえ感じさせるヤマユリと同じだとは思えないが、ボクが見た紅色花は上品さを保っているところが特徴だろうと思う。
まさか、ボクが歩いてくるのを認めてほんのり頬を染めた…なんてことがあるはずないし…
見出し写真をよく見ると咲いている1輪以外にも背後に2つ3つつぼみを持っているようなので、日を改めて確認に行ってこようと思う。
遺伝子を取り出して培養する技術を応用すれば同じ花を咲かせる株を増やすことは難しくないんじゃないか ?
〝紅花ヤマユリ〟って新しい品種が登場するかもね。
定番のヤマユリに混じって咲く紅色の化粧をしたヤマユリ
こういう生育環境 鎌倉山で
これがおなじみの姿
大船フラワーセンターのホームページから拝借した「ベニスジ」のヤマユリ
ちょっと化粧が濃すぎるような…
【追記】
書き終わって別の調べ物をしている最中、去年7月15日にぶらりと立ち寄った「鎌倉の苔寺」で知られる妙法寺で写した写真にこんなのがあった
これも単なる変異株 ? ヤマユリの紅花もしくはベニスジ(紅筋)は既に存在しているらしい