「なんこれ・・・垂れる・・」
「蓋がきっちり綺麗に閉まらない・・・」
前記事からの続きです
さて軽量化が図られた新型は容量が900mlに増え、旧型と構造や使い勝手に色々違いが有ります
満杯にして重さを量ると旧型は1206g(本体506g+水700g)
新型は1290g(本体390g+水900g)本体がメチャ軽いのです
基本的に本体板厚が薄いと言う事です・・ぶつけると旧型より弱い可能性大?
旧型の口元、外側内側のネジ山に注目!最低2山(2周有る)
新型の口元、外側も内側のネジ山が1周だけ
板の軽さのしわ寄せがここです。
板厚が薄いためネジ山が1周以上作れないのだと想像します「たぶん・・」
ネジが1周しか作れないので、栓の構造が全く違います
新型は中栓外側内側にしっかりしたネジを作り、普段開け閉めする栓が別したがって~~2栓式です。
この違いが理由か!注ぎ具合に差があります
当然旧型の注ぎ口は本体(金属)の端
栓の液体の通り道のセンターに仕切り有り、この一手間が大きく影響している感じ
新型は中栓の上部凸の部分
栓の液体の通り道のセンターに仕切り無し
新型は注ぐ時、「あれ~切れが悪い」注ぎ始めも最後も垂れる!これは製品として○?△?×?
山専は山で使うから多少気にするな!でしょうか
蓋の締め方にもネジ山が少ない分、当然差があります
*旧型と新型では初期隙間が違います(白い↑↓)
旧型は広い分、蓋を450度回転させないと閉まりません、
しかし新型は蓋を360度回転させると閉まります
使い勝手としては冬用グローブをしている時など特に回転が少ない事は良いことです
*本体の蓋との接続部の形状が違います(黄色い折れ線)
旧型は約90度、新型は約120度、
この理由は板厚が薄いことで鋭角に曲げづらいためだと
しかしこの差は密閉度に影響します
コップ形状で気になる点がもう一つあります
私が購入した物だけかも、コップ直径が0.5mmほど楕円で変形しています
想像するに、プラスチックの成形時ネジのある部分が厚いため、冷却時より収縮し
結果ネジのない部分が縮んだ
当然締めた時ネジの有る所が相手のネジと競り合うので
更にネジ部が外に膨らみ、ネジの無い部分が内側に引っ張られ
結果、更に密閉度が下がります
蓋の閉まり具合の差です
あえて中栓を緩めて漏れる状態で蓋をし、傾けると・・・
旧型は漏れません
新型は・・すぐに漏れます
ここはどう考えるか・
新型では栓を閉め忘れるリスクは少ないと考えたのか・・
栓の締め方が甘くしかも横倒しで持ち運ぶ事もごくまれと考えたか・・
それについて新型は全く考えてない訳ではないようです
中栓や本栓のパッキンの構造を見ると・・
新型は旧型に比べ軽く締めれば漏れない構造のパッキンに変わってます
そのためかなり「締めすぎに注意」と言いたくなるほど緩く締めても漏れません
もう一点新型で気になる変更点
本体底のシリコンゴムは健在ですが・・蓋のゴムがなくなった事、
このゴムいかにも山専ならではのデザインで、
しかも実際に凸凹の所に置いたり滑りやすい所に置いた時、このゴムが機能していました
(画像の旧型のコップは滑り止めのゴムが消耗し少し残ってる程度)
ここまで色々新旧の差と使い勝手の違いを書いてきましたが・・
ここで終わっては製品の単なる報告かコマーシャルでしかありません
**大きな課題3点を何とか解決すべく挑戦します**
1.注ぐ時垂れを減し水切れをよく出来ないか?
2.蓋(コップ)の底面にゴムを貼れないか?
3.蓋の閉まり、密閉度を上げられないか?
まず1.注ぐ時、始めや止めた時垂れるのはみな嫌です
家庭の急須でも、お醤油の瓶も嫌ですよね
中栓の縁の構造に問題があるし、この縁を改造するしか手段が見当たりません
外側をメスで90℃だけ試しに削ってみます・・
結果は・・決して良くなったとは言い難いので・・失敗
では内側を削ってみます
削るには、パイプの内面の面取りする道具があるのでこれを使って荒削り
メスで綺麗に整形し直し
こんな感じ
注いで見ると・・・「キャホ~~」
大成功~~ほんの一滴こぼれた~~99.9点です
次は
2.蓋(コップ)の底面にゴムを貼れないか?
以前底のゴムが破れた時『ゴムが裂けたサーモス山専の修理』と同じ方法もあり・・・ですが
黒いゴムしかなく・・・デザインが気に入りませんね
そこで~~本体底のゴムを外し蓋にかぶせてみると・・デザインは的には色が同じなので良いとしても・・
蓋の外径が底の外径より小さいので・・・がぶがぶとまでは無くも・・ダメ!却下
このシリコンゴムはかなりの伸縮性があるので、一回り小さい山専500の底ゴムは??丁度良いのでは?
早速ネットで注文、送料込み832円
直径が2cmほど小さいので・・・無理無理に・・はめると~~「バッチリやん~~~」
本体とゴムのウエーブを合わせ「いいね~~~~」完璧
最後の課題
3.蓋の閉まり、密閉度を上げられないか?
考えられる方法は2種類
新たにパッキンを付けるか、蓋の楕円を修正するか
パッキンは後日ゆっくり探すとしてまず
楕円の広い方を万力で縮め・・・ドライヤーで温度を上げていきます
やり過ぎない様に注意しながら・・0.3mmほど修正出来ました
まあ少し良く成ったので・・点数を付けると78点
ぎりぎり不合格で今回はこれで良しと思ったのですが・・
諦めきれない・・
蓋の素材を確認すると『熱可塑性エラストマー』耐熱性が意外に低く90℃・・・
カンカンに沸騰したお湯で再挑戦
蓋がフニャフニャ柔くなり、万力がずれ落ちるも更に縮めしばらく保持
数分後、水に入れ替え押さえたまま冷却(なぜか?満杯の水面が写ってません)
計ってみると・・「よっしゃ~~~」何処を計っても75.50mm
実際にも蓋の閉め具合が良くなりました
課題3項目全て解決~~~~楽しい時間でした^^
今回改造にあたり、山専500用の底カバー1個と900用パッキン付き栓セット1個を購入しました。
強度の件を・・・少し
材質は判りませんが、板厚が薄くなったのは事実です
同じ材質の場合、強度の比較をして見ました
落としてぶつけた時、旧型の35%の強度しか無いと言うことです(あくまで同じ材質での簡易計算)
~~~~気をつけましょう~~
サーモスの製品の保温能力はガラスの魔法瓶を越えるほど優れていると思いますが、
山に持って行くのに無理して山専でなくても・・・が正直なところです
まして900は
でもコップ付きが良いんですよね~~山には