「これが原因や~~」
数ヶ月前『ぴー=~~』と
甲高く鳴っていた湯沸かしケトルが鳴らなくなった
これは高齢者にとって一大事
調べると笛と注ぎ口の接触が悪く蒸気が漏れ鳴らない
いくら調整してもだめで
新しく購入したのだが
これがまた『シ=・・・』位しか鳴らない
返品し交換したが同じ!
見るに全体の作りが雑
粗悪品では無いのだが・・
物作りのレベルが低い
本体と蓋はしぼり加工で成形しているが甘い(クリアランスが大きい)
当然密閉度が低い!無い!!
圧力が上がらないと鳴らない
笛部分も口を当て吹いてみると『ス~~~』程度
笛部分も同様だ
まあ70歳前の高齢者はまだこの程度の音は聞こえるし・・と我慢し使っていたのだが
古いケトルを捨てようと周辺をお掃除していると
丸い穴の開いた部品が転がっていて
「これや~~原因は」
部品の溶接が外れていたのです
直る物は直します
笛を外すために笛外径より一回り大きい内径の単管を見つけ
万力で笛本体を抜き
スポット溶接が外れています
部材が薄いのでロウ付け溶接を選択
始めたのだが・・
赤くなるまで熱するロウ付け溶接では歪むと・・気づき
歪めば蒸気が逃げる圧が上がらない笛が鳴らない
ロウ付け溶接を断念
溶接職人の友人に
「これ溶接して」
「何それ?薄すぎて無理!」
「そこをなんとかしてよ!」
チグ溶接一瞬で付けてくれました~~
(一瞬でないと薄すぎて穴が開く)
さて今度は先の太い笛を蓋リングに押し込みます
抜いた時の逆
蓋側にスリーブを着け、笛を押し込み
車のタイヤをホイルに入れる要領で片側から
半分入りました
入った部分が抜けない様に反対を押し込んで
入りました
試しにお湯を沸かしてみると
「ピ======」と気持ちの良いぐらいの音
「これこれ~~~~」
直りました
直ったんだけど、すでに主役の座が奪われていて・・
しかも2番手には電気で沸騰したら電気が切れる
高齢者には安全なケトルが座って居て・・辛うじて3番目!
職人さんが作った素晴らしい製品なのに出番無し・・・
*****これからが本題****
たかがヤカンだが蓋の加工一つ取っても歴然と違う
手間もだが加工技術のレベルが違う
しかし・・
このレベルの違いをお金として評価してもらえない
簡単に言うと
少し高い値段のヤカンを買ってもらえない
当然この製品は売れない・・作れない・・作らない・・技術は無くなる
そんな物は沢山有ると思う
安価な物が全て『安かろう悪かろう』では無いのも認める
普通の物を大量生産によって安定的に誰にでも安価に作る
標準化グローバル化マニュアル化も大事である
しかしこれは大量生産大量消費の大国の論理であり、
そのため日本人の一個一個作る職人気質には合わず失われた物も多い
またホームセンターや100円ショップで売られている
一回使っただけで壊れる工具!
こんな無駄が有って良いのか
購入者が居るから売られている
売れるから作る
この循環を止められるのは誰!購入者だ!
同じ様な話だが私は40年間安全靴が必要な仕事で
安全靴と安全雨靴、ヘルメットは、会社から某有名メーカー品を支給されていた
この安全雨靴は数年以上の寿命だった
会社を辞めた今、メーカー品ではない少し安めの安全雨靴を買った
ところがだ!数ヶ月使用しただけで水漏れ!
ゴムの溶着が外れた
とりあえず直す
液体ゴムで溶着肉盛り
直ったから良いものの直らなければ廃棄
この作ったエネルギーと資材をすぐに廃棄した事になる
同じ資材でしっかりした物を作り長持ちすれば
明らかにエネルギーと資材の無駄遣いが減る
農作物にしても曲がったキュウリ、傷が付いた果物は
商品価値無しとまだ言わなくとも、はるかに安価と
決めたのは誰?生産者?流通業者?消費者?
少なくとも消費者が買わなければ流通業者は仕入れない・・・
同様に生産者は必要以上のエネルギーと労力をかけ
ブランド化なるもので商品価値を上げ
一般庶民には論外の価格で収入単価を上げようと試みる
宮崎にはマンゴウのブランド『太陽の卵』になれなかったマンゴウや
『完熟キンカンたまたまエクセレント』になれなかったキンカンが安価で出回ってる
私は自分食べる分でも友人へあげる分でもよく買います
知人に完全無農薬、ホルモン剤不使用ミツバチ受粉無しで
イチゴを栽培している方が居る
10年以上かかってやっと軌道に持って来たようだが
陳列棚に色むら一つ無い真っ赤な左右対称の均整の取れたイチゴが並ぶ市場では
少し不揃い小振りだがイチゴらしい甘さで美味しい価値を価格に添加出来ずに居る
いずれにしろ
一般庶民がそれなりの理由が有って多少高価な製品を購入し
良い製品を長く使う
野菜や果物などを
見かけて選ばない
そんな事が一般庶民のSDGsだと思うのだが
雨や体調不良で山に行けない週末の出来事でした