Gamemusic Garden

ゲーム音楽をこよなく愛するhideの、つれづれブログです。

三日月の散歩・おさらい

2006-12-07 22:12:02 | 三日月の散歩
今日はブルードラゴンの発売日でしたねぇ。
ブルードラゴンプレゼンツなラジオ・三日月の散歩を毎週聞いている割には買ってない私…。
あ、ノビヨ師匠ファンなのでサントラは買いますが。

そういえばこのナンゾー(略称)も、HTMLアドレスを見ると今回のエントリーでちょうど200回目…。けっこう続くもんだなぁ。
200回記念!ってコトでなんかやろうかなと思ったんですが、特に何の準備もしてなかったんで、今回は今までのラジオに出演されたゲストの方をおさらいしておきます。

06/10/07 #1 : 小泉徳宏さん(映画監督)
06/10/14 #2 : 村山由佳さん(作家)
06/10/21 #3 : 竹本泰蔵さん(指揮者)
06/10/28 #4 : 箭内道彦さん(クリエイティブディレクター)
06/11/04 #5 : 宇津木えりさん(ファッションデザイナー)
06/11/11 #6 : 枡野浩一さん(歌人)
06/11/18 #7 : 中山博之さん(ピアニスト&作編曲家)
06/11/25 #8 : ハービー山口さん(写真家)
06/12/02 #9 : 坂口博信さん(ゲームプロデューサー)

…こういう感じですね。
ちなみに、次のゲストはクルック役の川澄綾子さんです。
次回もたのしみ!
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三日月の散歩 #9 (ゲスト:坂口博信さん)

2006-12-03 16:32:41 | 三日月の散歩
古賀さん「植松さん!今日はついに、このスタジオにブルードラゴンが登場ぉー!」
なんだか、今週は妙にテンションが高い古賀さん。
植松さん「ブルードラゴンは来てないけど、南の島あたりから色の黒い男がやって来てます」
…色の黒い男?まさか?
古「ハンサム!」
植「これが女にモテるんだなぁ…」

ってなわけで今週のゲストは、9回目にしてついに登場、坂口博信さん!
ファイナルファンタジーの生みの親として、言わずと知れた方ですね。
ブルードラゴンのプロデューサーも務められています。
フルCG映画(これはあんまり触れちゃいけないか?)の監督としても有名。



開口一番「黒いね!」とノビヨ師匠。
坂口さんは最近ブルードラゴンをマスターアップされたばかりだそうですが、最近はずっとバグの夢しか見なかったとのこと。
なので、ちょっとハワイに戻って気分転換していたそうな。
(ご家族はハワイに住んでいるそうです)
3週間おきくらいで日本とハワイを行ったり来たりの生活らしいです。

まずは古賀さんから、坂口さんと師匠の出会いについての質問。
2人の最初の出会いは、かれこれ20年以上前。
当時、スクウェアがまだ出来たての頃に、横浜の日吉で出会ったそうです。

スクウェアのすぐ近くにレンタルテープ屋があったそうですが、そこに坂口さんもよく来ていたそうな。

ある日、日吉の道端で、坂口さんが「ウチの会社、今度ちゃんとした会社にするんだけど、ウチに来ない?」と師匠を誘い、「おー、行くわ行くわ!」という感じで決まったそうです。
それが就職の面接だったそうな…!


次は、初めに植松さんの音楽を聴かれての印象は?という質問。
FFをつくりはじめの頃に、"曲の入れ違い事件"なるものがあったらしいです。
町のテーマや○○のテーマなど、「これだけ作って!」と坂口さんから作曲の依頼があり、師匠はその通りのイメージの曲を作って、カセットテープに入れて渡したそうです。

でも、坂口さんからは「なんか違うんだよねぇ」とリテイク(作り直し)が来たとのこと。
「えぇっ?そんなに違うかなぁ?」と思った師匠は、テープの曲順を入れ替えて渡したところ、今度は「コレだよ!すっごく良くなったじゃない!」とすぐOKが出たそうです(笑)。

師匠は、その当時はドラクエの存在、そしてすぎやまこういちさんの音楽があったので、「自分達はどういう立ち位置で行ったらいいんだろう?」という迷いがあり、曲そのものの良し悪しよりも、怖さの方が先に立って、なかなか答えが出せなかったらしいです。



次はメインテーマについてのお話。
やはり、その作品の顔であるメインテーマの存在は大きいようで、師匠曰く、メインテーマにある程度自信があると、そのプロジェクトの仕事は半分終わったような感じになるそうです。

ブルードラゴンにしてもそうで、師匠はメインテーマができてOKをもらった時に「よし、終わったなっ」と思ったそうです。
坂口さんも、メインテーマができた後は、制作がすんなりいくような気がしたとのこと。

今回、頭から全部作品を仕切るのは久しぶりの坂口さん。
師匠も、ゲーム全体の音楽を1人で担当したのは、独立されて以来初めて。
師匠はここしばらく、ひとつの作品を全て任せてもらえる機会がなかったので、嬉しかったし、力が入ったとのこと。

坂口さんは最初は、さすがに全曲を書いてくれるのは難しいのかなと思っていたそうですが、師匠は「全曲書きたい!」と言ってくれて、「女房にプロポーズした時より感動した」とのことです。
「どういう比較の仕方だよ!」とツッコミを入れる師匠。いいコンビですね。
坂口さん曰く、"死ぬ間際に思い出す一言"だそうです。



ではここで1曲。
ブルードラゴンのオリジナルサウンドトラックより『バッド・バット・バット』。
曲名の意味は、悪いのbad、しかしのbut、コウモリのbatだそうです。
この曲は坂口さんが作詞されたとのこと。この曲を含め、今回全部で4曲の作詞を担当されたそうですが、意外にもこれが作詞家デビューなんだそうです。



話はブルードラゴンの方に戻って。
この作品の製作期間は約3年とのことですが、作り始めてから半年が経った段階で、1度全てをボツにしたそうで…この時はとてもつらかったそうです。
また、産みの苦しみで最後の2、3ヶ月もつらかったとのこと。
そして、これでようやく終わりだ!という頃には、「これでホントにいいんだろうか?」という最後の迷いもやってきたのだとか。

師匠曰く、ゲーム作りは最後の方がホントに大変で、卒業試験のような感じだそうです。このことは確か、FFコンサート「20020220」のCDに入っている特典映像でも仰っていましたね。
あれはホントにつらい、という師匠。
最後の方は、いろんなものが部品として完成していくそうですが、坂口さん曰く、それどうしの予期せぬ相乗作用で、不思議な面白みや感情の揺さぶりが生み出されるのだそうです。

坂口さんはそれを「神が宿った」というふうに呼んでいるそうですが、神が3ヵ所か4ヵ所くらいどこかに宿ると、ゲームが面白くなるんだそうです。
ブルードラゴンの中には6ヵ所くらいいるかな?とのこと。

最後の方は、ハードディスクの中のデータが生きているような気がした、と語る坂口さん。
データのかたまりの中に、命が宿っているような。そんな感じがしたそうです。
師匠曰く、ヒットする時は自分達の力だけではやっぱり無理みたいで、誰かがどこかで助けてくれてないとね、とのことです。



次は古賀さんから、坂口さんが師匠に音楽をお願いする際は、どういうイメージだったんですか?という質問。
坂口さんは「とにかく植松節でお願いします!」と依頼されたそうです。
あれこれと考えずに、そのまんまの植松さんで書いてほしいと。

つづいて、古賀さんから師匠に「プレッシャーはなかったですか?」という質問。
師匠は、「プレッシャーというよりは、嬉しかったし、光栄だった」と言う師匠。
自分のやりたいようにやろうと思ったそうです。
坂「あれ?プレッシャーかけてるつもりだったのに…」
植「あれあれー?(笑)」
坂「次回はもうちょっと(プレッシャーを)かけてもいいか」
植「言わなきゃよかったよ(笑)」



さて、ここで再びブルドラのサントラより1曲。『ゾラのテーマ』。
師匠はこういったピアノソロの曲が得意なんだそうです。
「少しは成長したんだね!」と、師匠は自分自身をほめていました。



お次は、坂口さんへの30秒アンケートコーナーです。それではGO!

①ブルードラゴンが大ヒットした様子がすでにイメージできる
  → 坂「NOですかねぇ」 植「ええぇぇ~!?」
②日本のゲーム業界は安泰だと思う → NO
③ブルードラゴンのヒットを見届けた後に、やりたいことがある → YES
④植松伸夫にはいずれもっと働いてもらおうと思っている
  → 坂「もっともっと、ですね」
⑤10年後の目標が決まっている → NO

①は、坂口さんも師匠も不安だそうです。
坂口さんは、発売日にはハワイではなく日本に居るのだそうです。
「(お店を)回っちゃうんでしょうねぇ、きっと。さくらやとか」とのこと。
坂口さんはコンビニで予約が開始された時も、コンビニを4軒ほど回ったそうです。

②は坂口さん曰く、作り手側はアメリカを見すぎなんじゃないかと思う、とのこと。
自分達がもうちょっと自信をもって作って、それをアメリカに輸出するぐらいの気持ちの方がいいと思う、とも。
業界が大きくなり、ビジネス主導になってしまい、クリエーターが弱くなっているのかもな、と思うそうです。

③は、今回せっかくエンジンがかかったので、止めずに作品を作り続けていきたいそうです。

④は坂口さん曰く、「植松さんは感情の揺さぶり方を分かっている」とのこと。
自分が黙っていても、いいものを作ってくれるそうです。
照れたのか、師匠は「マグレだと思いますけどね(笑)」と一言。
それに対し、坂口さんは「次もマグレでいいや」と返していました。

⑤は、長期的に見ればカラッポの方が力が出るんじゃないか、とのこと。
昔は40歳で引退するつもりだったらしいのですが、戻ってこられましたね。



ここでもう1曲。
3曲目は、同じくブルドラのサントラより『緊急事態』でした。
いかにもエマージェンシーな感じの曲です。
どんなゲームでも必ず1曲はこういう曲が入ってますね。



それでは最後に、この番組恒例・予言コーナー。
坂口さんの予言は「1年後、坂口博信は作詞家になる」でした。
わかんないですけどねー、と付け足してはいましたが。

師匠が曲を付けてくれるので、楽しいんだそうです。
自分が書いた詞が曲になって、録音されて、CDになる。
ゲームの制作とはまた違う感動がありました、とのこと。

師匠も、自分の作った曲に歌詞を付けてもらったり、歌ってもらったりして、最終的に盤(CD)になるあの感動は1度やると、やめられないそうです。
また坂口さん曰く、ゲーム制作とは違い、思いついた時と市場に出る時が近いのは快感ですねとのこと。

師匠が言うには、坂口さんは仕事がとても早いそうです。
師匠がメロディを作って夜にメールで送ると、翌朝にはもうメールで歌詞が来ているのだとか。
というのも今回は、キャラクターの気持ちを歌う歌だったそうで、坂口さんはそのキャラクターになりきって書いていたら、意外とスッと出てきたそうです。

これが、「全く何もない恋の歌を書いてくれ」という依頼だと、また勝手が違うかなぁとのこと。
その為には恋を経験しなければ…という坂口さん、なぜかこの後3人で飲みに行きますか、という流れに。



でもCM後、いきなり居なくなった古賀さん。
師匠によると、なんでもさっき元彼が来て、「もう一回ヨリを戻そうよ」「私も考えたいから」というやりとりがあって、スタジオを出て行ったそうです(注:冗談だと思います)。
「ガッカリだなぁ…2人で飲みに行きますか」と坂口さん。

でもって、前回・前々回に募集していたダジャレコーナー。
「ホントに書いてきたやつらがいるんです!」と師匠。
ここでダジャレが1通だけ紹介されました。

京都府のまさみさんからのダジャレ。
「スイスのイスは安いっす!」

植&坂「「おぉ~…!」」(感心した様子)
「これは思いつかないねぇ」と坂口さん。
師匠は「他になんかやることないんでしょうかね、こいつらはね!」と冗談めかして一言(笑)。

では、今回はこんなところで。また次回!
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三日月の散歩 #8 (ゲスト:ハービー山口さん)

2006-11-26 16:46:24 | 三日月の散歩
「植松さん、普段携帯電話で写真撮ったりしますか?」
今週の三日月の散歩は、古賀さんのこんな質問から。
しかし、ノビヨ師匠の携帯のカメラはなんと1年以上壊れたままだそうな。
師匠は写真集(特にモノクロ)を見るのがお好きだそう。
どんな種類の写真集かは特に仰ってませんでしたが。

さて、今週のゲストは写真家のハービー山口さん。
大学卒業後にロンドンに渡り、およそ10年を過ごし、そこでパンクムーブメントを実体験。
70年代のロンドンを写真に記録するようになり、帰国後もヨーロッパと日本を往復。
各国のアーティストから巷の人々まで多くの人々をファインダーに収め、多くのファンからの支持を獲得。
写真家としてだけではなく、エッセイストやラジオDJとしても活躍されています。

師匠が憧れていたという、70年代のロンドンのミュージックシーンを渡り歩いていたハービーさん。
師匠曰く、一番ロンドンの音楽シーンががらっと変わる頃。
でもハービーさんはミュージシャンの人を撮りに行ったというわけではなく、偶然にミュージシャンの人がそばにいたんだそうです。

なんでも、ハービーさんの住んでいた家の隣にリハーサルスタジオがあり、色々な新しい曲が壁伝いに伝わってきていたそう。
1年くらいしたら、それがパンクロックとして世に出たんだそうです。
クラッシュや、ピストルズといったバンドがデビューしたのだそうですが、クラッシュというバンド名を聞き、師匠は「クラッシュ!?」と大きく反応されてました。
ある日ハービーさんが地下鉄に乗っていると、クラッシュのヴォーカリストである、ジョー・ストラマー氏に遭遇したそうです。
ハービーさんは嬉しくて2・3枚写真を撮らせてもらったそうですが、次の駅で彼が地下鉄を降りる際、「撮りたいものはみんな撮れよ。それがパンクだぞ」と言われ、その一言で"やりたいことを妥協なくやる。それがパンクのスピリットだ"、と実感されたそうです。
パンクは決して退廃的なものではなく、師匠曰く「正しい前向きな考え方なんですよね」とのこと。

さて、ハービーさんは日本に戻ってきた後も、福山雅治氏や山崎まさよし氏など、多数の芸能人を撮影されています。
写真を拝見したという古賀さん曰く、表情がとても柔らかいとのこと。

師匠もゲーム雑誌でたまに写真を撮ってもらうことがあるそうですが、その際カメラマンに「笑ってください」と言われることが多いそうです。
でも師匠曰く、モデルでもない素人だから笑えない、とのこと。
だから、初めてのカメラマンとモデルとの間には何かしらの信頼関係を築く必要があるのかな、と思うそうです。

それに対しハービーさんは、写真家の立場から言えば、一瞬にしてモデルの一番いい表情を見破るだけの眼力が必要、とのこと。
ソフトな表情を撮った方が人柄が出る人もいれば、仕事中の真剣な横顔を撮った方が人となりが出る人もいる。
そういうものを、初対面の数分ですぐ見破る能力がカメラマンには必要だと思うそうです。

次に、ハービーさんが1982年、U2というバンドのボーカルであるボノ氏を撮った時のエピソード。
ハービーさんがカメラバッグからカメラを取り出し、いきなり写真を撮ろうとすると、「まぁ待て。君の事をちょっと知りたいんだよ」という感じでいろいろ話をした後、納得ずくめでフォトセッションが始まったそうです。
ボノ氏は「君のリクエスト通りに撮るよ」と、すっかり打ち解けた雰囲気だったそうな。

でも日本の芸能人を撮る時は、そういった会話がなく、場合によってはハービーさんのことを芸能人に対してマネージャーが紹介してくれないこともあるそうです。
ただ、5分間撮れ、みたいな。どの写真を使って良いか、使って良くないかも事務所チェックで全て決めるそうで。
そこに文化の香りが何もしない、と嘆いていました。

ボノ氏の仕事に対する姿勢に対し、「これが世界に通じる人のやり方なのか」というものをまざまざと見た気がする、とのこと。
師匠曰く、このボノ氏のエピソードについて、コミュニケーションが取れてると一言。
来た!この番組で幾度となく出てくるキーワード、"コミュニケーション"。
やっぱり生きるうえではとても重要ですね。

さて、この辺でノビヨ師匠セレクションの音楽を。
1曲目はカルチャー・クラブの『カーマは気まぐれ』。
ハービーさんはロンドンに居た頃、元カルチャー・クラブのヴォーカリストであるボーイ・ジョージと同じ部屋に住んでいたそうです。
余談として、彼はゲイだったそうですが、ハービーさんはストレートだったのでとてもドライな関係だったそうな。

話は続いて。
ハービーさんはロンドンに居た頃、ある日友人に電話でこう言われたそうです。
「(俺の住んでるマンションの)2階の角部屋に住んでるキレイな女の子がいる。ここ2・3日、カメラマンが出入り口にいて、その子の出入りを撮ってるんだ。誰だか知らないけど、お前も1枚撮っておいたら?」

それを聞いたハービーさんは現場に行き、他のカメラマンと共に彼女を写真に収めたそうですが、実はその女の子は後のダイアナ妃だったそうです。
これには師匠も古賀さんも驚いてました。

次は、「この瞬間を撮りたい!と心の中から湧き上がり、カメラを向けたくなるような瞬間は、今の時代でも変わらない?」という古賀さんからの質問。
ハービーさんは昔も今もあまり変わらない、との答え。
中学2年から写真を撮り始めたそうですが、その頃すでに「人間の優しい所を撮って、人が人を好きになるような、人の心がキレイになるような写真が撮りたい」と思っていたそうです。

それまで身体的な点を揶揄され、ずっといじめに遭っていたというハービーさん。
そんな経験もあり、僕の写真を見た人が優しい気持ちになってくれれば、という思いを持っていたそうです。
その思いは今もずっと変わらず、それが写真のトーン(作風)になって未だに生きているのではないか、とのことでした。

師匠は、何か武器を持てばいい、と仰っていました。
それがハービーさんの場合はカメラである、と。

僕は写真に出会ってラッキーだった。いろんな人が僕のカメラの前を止まっては通り過ぎていったけれど、その人たちすべてが僕を強くしてくれた、と言うハービーさん。
大きく言えば、僕の写真のテーマは世界平和。
今は僕が(人に写真を見てもらって)恩返しするタイミングだ、とのことです。

さて、ここらでノビヨ師匠セレクション音楽の2曲目。
ジャコ・パストリアスで『トレイシーの肖像』です。

ジャズの音楽家の方はモノクロ写真の印象が強い、と言う師匠。
ハービーさんの作品はほとんどがモノクロ写真なんだそうですが、ハービーさん曰く、モノクロはカメラマンの思いを純粋にさせてくれるそうです。

色がなく、ごまかせない。頼れるのは光と影と表情だけ。
師匠も、モノクロの方が想像力を掻き立てられる、とのこと。
ハービーさんは、「この人の着ているTシャツはどんな色なんだろう。この人の後ろの空はどんな色なんだろう」というように、想像の余地を残しておくのも素敵な事だと思うそうです。

お次は、ハービーさんへの30秒アンケートコーナー。

①デジタル技術の導入は写真を変えたと思う → YES
②携帯電話のようにカメラがくっつくといいなぁと思うものが他にある → YES
③ハービーさんもプリクラをすることがある → NO
④何年後かの目標がある → YES
⑤もう1度生まれてきても写真家になりたい → NO

①は、仕事でデジカメは使われるそうですが、逆に誰でも撮れてしまうのでモチベーションが上がらない、とのこと。
作品を撮る時はもっぱらフィルムだそうです。

②は、自分の脳の中にちっちゃなカメラがあればなぁ、とのこと。
「あ、いいな」と思ったらすぐ撮れちゃう、みたいな。
何十年後かに実現しそうで怖いなぁ、と師匠。

③は、撮ったことが無いので答えはNOだったそうですが、憧れるそうです。
「今この瞬間を撮っておこうよ!」というようなデートをしてみたい、とのこと。

ここでもう1曲。
3曲目は、ポール・サイモンで『僕のコダクローム』でした。

それでは最後に、この番組恒例・予言コーナー。
ハービーさんの予言は「10年後には、写真はカメラ等の道具によって撮るものではなく、心を使って撮ることが常識になる」でした。

写真は見えるものしか写らない宿命があるが、それだけではカメラマンは満足していない。
その表面の奥にあるものを撮ってそれを表現する、という時代にますますなっている。
それには、心というもので撮らないと写せない、とのこと。
自分の心で、相手の心を撮る。
それが写真作法になるのではないか、とのことでした。

そういえば、5回目のゲスト・宇津木えりさんも「10年後、ファッションはスタイルではなく心で着るようになる」というような予言をされてましたね。
心か…目には見えないものだけど、大切なものだよなぁ。
心ない人が少なからずはびこるこの世の中、いったい心ある人って今この世にどれだけ居るんだろう。

てなわけで、今週のゲストは写真家のハービー山口さんでした。
師匠は「話聞き足りないっすー!」と名残惜しそうな様子でしたが。
それではまた次回!
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三日月の散歩 #7 (ゲスト:中山博之さん)

2006-11-19 14:37:57 | 三日月の散歩
この番組のオープニングテーマである『水辺』という曲。
この曲はもうすぐ発売となるブルードラゴンの中の1曲です。
古賀さん「素敵~」
ノビヨ師匠「いいでしょ?」

ノビヨ師匠は、この曲ができた時に「いける!」と思ったそうです。
私もCMやPVでこの曲を耳にして、とっても心の安らぐ曲だなぁと思って
かなり気に入りました。
で、当然のごとく湧き上がってくる「誰が弾いてるの?」という疑問。
その答えである今週のゲストは、ピアニスト&作編曲家の中山博之さん。

というか今回は戦友がゲストなせいか、師匠は妙にテンション高かったです。
なんせ最初の挨拶が「ごっつあんです!」でしたからねぇ…。
中山さんもつられて「ごっつあんです!」

さて、師匠と中山さんが知り合ったきっかけは、ブルードラゴン。
師匠は音楽を制作されるにあたり、オーケストラ関係のアレンジを
してくれる方を探すことになったんですが、その際、リクエストとして
「面白い奴」がいい!というご注文をされたようです。
というのも、製作中は何かとピリピリしてる時が多く、
気軽に何でも話せるような人の方がよかった、とのこと。

そんな中山さんは、通称"ショパン"。
師匠に対し、自分から「ショパンと呼んで下さい!」と言ったのだとか。
中山さんはご自分のことをショパンの生まれ変わりだと思っているそうな。
手もとっても綺麗なのだそう。

中山さんは東京芸術大学出身。しかも5歳からピアノを始めたという
中山さ…うーん、なんかしっくりこないなぁ。本人がショパンと呼んで下さいと
言ってるんだから、私もこれ以降はショパンと呼ぶことにしよう。
で、ショパンはピアノだけでなく、野球もやっていたそうです。
ドカベンのピアノを弾く人に憧れていたそうな。
そして、ゲーム少年だったそうで、師匠の音楽も昔から聴いてたそうです。
もう、体に叩き込まれていたんですねぇ。
こうして師匠と一緒に仕事ができ、ショパンは「夢は叶うもんだなぁと
思った」と感慨深げに語っていました。
当の師匠からは「小遣いあげるからねー」との一言。

で、やっとのことで音楽の制作が終了したブルードラゴン。
師匠曰く「やり遂げたな、って感じ」らしいです。
ではここで何か1曲…という流れになりましたが、出来が良すぎてもったいない!
とのことで、この曲が流れました。

1曲目は川澄綾子さんの『私の涙(みず)と空』。
古賀さん曰く「可愛い」というこの曲は、ブルードラゴンの挿入歌。
歌っている川澄さんは、このゲームのヒロイン役の声優さんですね。
ショパンはストリングスのアレンジを担当されたそうです。

古賀さん曰く、"出来る相棒とボス"という感じのショパンと師匠。
古賀さんはさて、次の話題へ…というように進行されようとしてましたが、
ここでもまたショパン&師匠は「「ごっつあんです!」」とハイテンション。
古賀さんは「さばき方がわからん!」と狼狽されてました。

さて、最近はクラシックブーム。
その代表ともいえるのが、『のだめカンタービレ』
師匠はマンガの方を、ショパンはTVドラマの方を見ていたそうです。
ショパン曰く、なんでもエキストラがみんな芸大の友達なんだそうな。
ドラマを見てると、毎回必ず1回は知り合いが出てくるという面白い状況。

ちなみにショパン、芸大時代は残念ながら全くモテなかったそうな。
女8:男2という比率だったのに、全滅だったそうです。
「敗因は?」という質問には「顔かなぁ」とのお答え。

そして話はブルードラゴンの音楽の方へ。
師匠曰く、メインテーマを作曲したのは去年の初め頃だそうです。
前もってキャラクターやシナリオは提示されていたそうで、イメージは
湧きやすかったようです。今回のブルードラゴンの曲数は60曲ほどとのこと。
大作のゲームって、音楽は平気で100曲超えてたりしますから(特にFFは)、
今回は割と曲数を抑えて、というか厳選した感じですかね。

ゲーム音楽の仕事は初めてというショパン。とても楽しかったようです。
師匠曰く、「遠慮することなく、思いっきりやってくれていた」とのこと。
師匠はショパンのアレンジを聞いて、気合い入ってるなぁと感心されたそうです。

ただ、鳴っている音が少し多く、師匠はショパンに「音を減らしてくれ」という
注文を出したんだそうな。
なんでも、音楽制作においてはプラスよりマイナスの方が難しい、とのこと。
師匠曰く、ソロであれば問題なく成り立つけれど、例えばシンセサイザーの
1音がちゃちいからといってどんどん他の音を足していったりすると、
結果的にはうるさく聞こえてしまう場合が多々あるのだそうです。

ショパンが言うには、料理と一緒で、素材の良さを活かすような感じみたいです。
シンプルだからこそ、元のメロディの美しさが引き立つんですかね。

さて、ここらで2曲目の音楽を。こちらもブルードラゴンより、
植松伸夫 with イアン・ギランで『Eternity』です。
この曲は中ボス戦で流れる曲みたいですね。
「ホアァア~~~~ァィヤー!」という、ナイスなシャウトです。
師匠は「イアン・ギランみたいな人に歌ってほしい」と思っていたそうですが、
縁あって本人に歌って頂けることになったそうな。

お次はショパンへの30秒アンケートです。ではGO!

①ピアニストという仕事はおいしいと思う → YES
②ピアノという楽器は100年後もこのままだと思う → NO
③音楽大学についてもっと変えたほうがいいと思う点がある → YES
④クラシック音楽業界についてもっと変えたほうがいいと思う点がある → YES
⑤ゲーム業界以外にもクラシック音楽が活躍できる業界があると思っている → YES

①については…芸大時代は全滅でしたが、現在はモテるそうですよ。
「あなたのために弾くよ」という感じだそうな。このこのー!このショパン!

④については師匠も度々仰っていますが、まだカタい!とのことです。
堅苦しくなく、リラックスでき、それこそデートで気軽に寄れるような。
そんな雰囲気を望んでおられるようです。
師匠が主催するコンサートはまさにそんな感じですよね。

あと師匠が語っておられたのは、比較的新しい時代のクラシックである
"現代音楽"については共感しにくい、ということです。
これいいよね、楽しいよね、という共感がしづらい。言い換えれば、
コミュニケーションが得られにくい、とのことでした。
先々週の宇津木えりさんの回でもこの"コミュニケーション"という単語が
出てきたことから、師匠はいつも人との触れ合いを大切にされているんだなぁと伺えますね。

さて、ここでもう1曲。
3曲目は、またまたブルードラゴンより『cavern』(洞窟)でした。
師匠曰く、「いやぁ素晴らしいメロディだ!」というこの曲。
水が滴り落ちるような湿っぽさや、何が出てくるか分からないような雰囲気があります。

それでは、この番組名物の予言コーナー。
ショパンの予言は「10年後も100年後も、人間の生演奏は残る」でした。

師匠曰く、「というか残ってもらわないと困る」とのことです。
コンピュータで作る音楽も便利だけど、やっぱり人が弾いた方がいいよね、と。
完璧に弾ける人なんていない。みんなそれぞれ微妙に違う。
だけど、その微妙な違いが音の深さになる。厚みを持たせてくれる。
とのことでした。さすが師匠。

師匠はショパンに対し「(これからも)ついてこいよ?」と決め台詞。
さらに「付け届けも忘れんな?」と余計な一言(笑)。

でもって、ショパンからのお知らせ。
(ていうかホントに中山さんのことショパンとしか呼んでないな…まぁいいか)
『X'masライブクルーズ』というイベントが12/22から12/25にかけて開催され、
ピアノ、歌、チェロのコラボが繰り広げられるのだとか。
それにショパンが出演するそうです。"シーライン東京"で検索してね!とのこと。
このページに詳細がありました。ショパンの写真も載ってましたよ。

さて、最後はプレゼントについて。おぉ、この番組初だ!
今回曲が流れた、『私の涙と空』と『Eternity』のシングルCD2枚セットを10名様にプレゼントだそうです。
師匠曰く、ハガキで送ってね!とのこと。さらに、ダジャレも書いてね!とのこと。
なにぃぃぃ!?
いい作品があれば、番組内で紹介されるそうです。

というか宛先は言ってたんですが、他の記入事項(住所や氏名等)については一切言わなかったです…。
いつまでの消印が有効かも言わなかったし。
うーん、さすが師匠がやってるだけあってアバウトな番組だ。
で、ラストは古賀さんも含めての「ごっつあんです!」で締めてました。

んじゃ私も。ごっつあんでした!
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三日月の散歩 #6 (ゲスト:枡野浩一さん)

2006-11-12 16:06:25 | 三日月の散歩
「植松さんは作曲のお仕事をされてますが、作詞はされてるんですか?」
今回の三日月の散歩は古賀さんのこんな質問から。
ノビヨ師匠曰く、昔は作詞もしていたんだそうです。
中学生の時から作曲を始め、自分で歌詞を書いてそれに曲を
付けていたんだそうな。

さて、詞の話に関連しての今週のゲストは歌人の枡野浩一さん
歌人という一言で片付けられないほど、作詞、評論、小説、脚本など
幅広い分野で活動されている方です。

ご自身でも怪しい肩書き(本人談)と思っているそうで、
枡野さん曰く「『旅人です』と言ってるようなもの」とのこと。
仕事が無い人かと思われがちなようですが、仕事の中心でやってるのが
短歌というだけで、ちゃんと毎日仕事をしてるんだそうです。

短歌を始めたきっかけは、昔から替え歌を作るのが好きだったそうで、
ある日「5・7・5・7・7で作ってもいいのでは?」と思ったんだそうな。
枡野さん曰く、短歌は写真のフレームのようなものとのこと。
フレームの中に、ひとつひとつ言葉を当てはめていくような感じですかね。
悲しいことも笑えることも、何でも表現できるのがいいそうです。

師匠は、「短歌には4拍子の印象がある」と仰っていました。
4/4拍子で譜面に書けるので、あっ、歌だなと思われたそうです。
うーむ、さすがは作曲家。
枡野さんが言うには、短歌は休符を含めてのリズムが大事なんだそうで、
例え字あまりや字足らずがあっても、リズムが合っていればOKとのこと。
短歌はどちらかというと、現実から遠く離れるためにあるものなようですが、
枡野さんはどちらかというと日常に寄り添ったものを作られるそうです。

さて、ここでノビヨ師匠の選ぶ音楽コーナー。
1曲目はジョン・レノンの『マザー』でした。
師匠の解説によると、この曲はオノ・ヨーコさんから俳句を教わり、
シンプルな表現を始めた頃の音楽だそうです。

それにしてもまあ、小説、評論など幅広く活動される枡野さん。
10月から11月にかけ、一挙3冊の本を出版されるそうです。

まずは青春小説の『ショートソング』。直訳すると短歌。
かなりのインチキ英語(本人談)なタイトルですが、この小説、枡野さん曰く
短歌版ウォーターボーイズなんだとか。
男のシンクロというのと同じように、今時短歌やってる男ってどうよ?
という感じでプレイボーイと奥手な男の対比を描いているそうです。

でもってそれよりちょっと前に出版された小説、『結婚失格』。
まぁ、これはご本人が寂しい小説と言っていたのでこの本については
あまり触れておかないことにしときます。

そして最後は『金紙&銀紙の 似ているだけじゃダメかしら?』。
金紙&銀紙とは漫画家の河井克夫氏とのユニットで、枡野さん曰く
顔が似てるだけのユニットだそうです。
なんでも松尾スズキ氏の映画に声だけ出演しているそうで、
パンフレットには顔写真がちゃんと載っているのだとか…。

続いては古賀さんから「日本語をどういう風に捉えている?」との質問。
枡野さんは「楽に考えていいのでは?」とのこと。
何か伝えたい事があるならそれを伝えればいいし、それが無い時は
黙っていればいい、と仰っていました。
ホント、昔から口は災いの元と言いますからねぇ。
余計な事を口走っちゃうと大抵ろくなことになりませんから。

話は変わりますが、なんでも携帯のメールで短歌の上の句を彼氏が作り、
その句を彼女に送って下の句を作らせたりする遊びがあるそうです。
師匠はこれを引き合いに出し「これでアドレスも聞きやすくなるかな?」と
うっかり言ってしまい、古賀さんに思いっきり突っ込まれてました。
あ、さっそく口は災いの元。
でも枡野さん曰く、携帯のメールは短歌を作るのにはピッタリだそうです。

さて、ここらで2曲目の音楽が流れます。
たまの『ロシヤのパン』。ものすッごい摩訶不思議な曲です。
師匠は「いろんな言葉が突然現れるおもしろさがある」と仰ってました。
♪おやつはトラピストクッキー(注:歌詞の一部です)

お次は枡野さんへの30秒間アンケートです。ではGOッ。

①パソコンの普及で日本語は進化したと思う → YES
②メディアが使う日本語にイライラすることがある → YES
③日本人ではなくても文章を書く仕事はやっていたと思う → YES
④日本の国語教育は納得できる → NO
⑤いつか書く仕事以外のこともやるつもりだ → NO

①については、紙と違ってどんどん直せるから、とのこと。
ただしいくらでも推敲できてしまうので、いつまでたっても完成しない!
という弊害もあるようです。

②については、"できちゃった結婚"という言葉が嫌いなんだそうです。
「"ちゃった"はないだろう!」とのこと。
確かに、あんまり肯定的ではないニュアンスが含まれてますよね。

さて、ここでもう1曲。
3曲目は、RIKKIさんのアルバム・miss you amamiより、
「いきゅんにゃ加那~ヨイスラ」でした。
FF10の主題歌「素敵だね」で、RIKKIさんと一緒に仕事をされた師匠。
この歌は奄美大島の島唄なんですが、師匠曰く「独特な文化が
残っていて素敵だと思う」とのことです。

何でも、師匠の出身地である高知県には独特な音楽というものが無く、
寂しく思っているそうです。また、高知には一絃琴(いちげんきん)という
絃が一本しかないお琴があったそうですが、残念ながら廃れてしまい、
現在見ることができなくなってしまったのだとか。
こういった各地域での伝統的な文化を残そうとするのって、やっぱり
後継者的な問題だとかで難しいんでしょうかね…。

さてそれでは、この番組の名物である予言コーナー。
枡野さんの予言は「ここ1、2年で正岡子規ブームが来る」でした。

正岡子規。横顔で写っている写真が印象的な人ですね。
最近、正岡子規記念球場なんてものもできたそうですが…。
彼は俳句を蘇らせた立役者だということで、近年再評価されているらしく、
ドラマ化や映画化もされたりするかもしれない、とのことでした。
ちなみにこの予言は直感ではなく、貰った手紙や周りの人からの話を
聞いた上でのものなんだそうです。

さて、最後はブルードラゴンについての話。
同梱版っていったい何?というお便りが来たそうで、ここぞとばかりに(?)
ハードとソフトが一緒になっているプレミアムパックを宣伝されてました。
ちなみに古賀さんはコンビニに予約しに行ったそーです。
師匠は「予約票見せて!」と半信半疑でしたが。

あれっ、ていうかこの番組ってお便りのコーナー無いですけど、
お便りは受け付けてくれるんですかいな?
受け付けてくれるとしても、どこ宛に出せばいいんだろう…?
TOKYO FMのHP内には番組単体のページって無いし。
はてさて。
コメント (4)
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