シルバー川柳 最優秀賞
冗談に 値切って無駄を 買わされる 酒井与作(69)
【評】誰しもがこんな日常経験を持っているかもしれない。適切な「てにをは」の使い方が句をキチンと生かしている。
物忘れ するが晩酌 忘れない 佐藤庄助
【評】一読句意明快。ずばり核心を剔出(てきしゅつ)して揺るぎがない。作者名も酒好きにピッタリだなんて。
紫陽花に 電動ベッド 上下する 糸井綾子(76)
【評】梅雨の晴れ間のひととき、退屈な病窓から七変化の揺れが慰めを運んでくれる。電動ベッドを操作する、か細い指。心理を巧みに捉えた現代川柳。
寅さんの 顔が出そうな 朝の市 佐藤政弘(80)
【評】特定の日に賑わう朝市。土地の名産が客たちの足を止める。国訛りの会話がはずむ一角に寅さんらしい顔も。寅さんの上手な引用。
悲しいね プラスチックの 鏡もち 千葉敬子(81)
【評】昔ながらの伝統風習にも時代の移り変わりが。会話調の表現が、作者の嘆きを伝えてあますところがない。時代相の痛烈な風刺。
冗談に 値切って無駄を 買わされる 酒井与作(69)
【評】誰しもがこんな日常経験を持っているかもしれない。適切な「てにをは」の使い方が句をキチンと生かしている。
物忘れ するが晩酌 忘れない 佐藤庄助
【評】一読句意明快。ずばり核心を剔出(てきしゅつ)して揺るぎがない。作者名も酒好きにピッタリだなんて。
紫陽花に 電動ベッド 上下する 糸井綾子(76)
【評】梅雨の晴れ間のひととき、退屈な病窓から七変化の揺れが慰めを運んでくれる。電動ベッドを操作する、か細い指。心理を巧みに捉えた現代川柳。
寅さんの 顔が出そうな 朝の市 佐藤政弘(80)
【評】特定の日に賑わう朝市。土地の名産が客たちの足を止める。国訛りの会話がはずむ一角に寅さんらしい顔も。寅さんの上手な引用。
悲しいね プラスチックの 鏡もち 千葉敬子(81)
【評】昔ながらの伝統風習にも時代の移り変わりが。会話調の表現が、作者の嘆きを伝えてあますところがない。時代相の痛烈な風刺。
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