OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

いい仕事をしろ

2013年06月28日 | 日記
西武アート・フォーラムで開催中の土屋典康展へ。
黒磁の大皿の現物はなお素晴らしかった。

土屋さんの師匠の師匠は濱田庄司で、この民芸の大御所の話が面白かった。日本も気持ちが豊かだった時代、パトロンも作家も、人間が大きかったようだ。土屋さんを敬愛している作家さんぽい方がいて、紹介を受けると、「なんだ、前に一度…」と、木工作家の牧野さんだった。
今の時代、でも、だが、「いい仕事をしろ」、それに尽きる、と。

日本橋の小津ギャラリーは、新井悦美さんらの和紙展である。三宅さんの竹紙など、書家はもっと使ったらいいと思った。とくにかなには。
三越の「手仕事の夏」では、浅見ハナさんを久々にみる。10月には、寺山修二の短歌を作品化するという。楽しみである。ポン太さんはいつ見ても二日酔いみたいで幸せそうである。石塚さんは木箱に筆を入れている。扇子もあって、書の入っている扇子をみながら、「いい字ですね~」というと、販売員の方が「ええ、有名な書家の…」。
石塚さんが販売員の方に「本人…」と耳打ち。
ジャン、ジャンである。

さて、今日は三越劇場で、蓼派創立85年の記念演奏会である。
パンフのタイトルを書かせていただいた関係で、小唄の真髄を聴きにきたのである。
裏で番組紹介する方の品良い姿勢だけでも、この会の品位を感じた。
謙虚な会長の津留葉さんの姿勢も心うたれた。

このそれっぽい文化の日本で、真に生きる作家の方々にこころ強くした一日。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お金道

2013年06月24日 | 日記
波乱万丈! おかね道
という企画展は、なんと、お台場の日本科学未来館。

とあるご縁で伺う。お金の使い方を科学し、お金の使い方で人も変わることが分かる。

常設展も面白すぎ、で、次回はゆっくり伺いたい。ちょいと一人じゃさみしい。
一日がかりだな、ここは。まっさらな頭でのんびり朝顔から宇宙から地球創世から地震から…、ニュートリノがほんの少し近くなったり。

7月10日からは、「サンダーバード博」、これみたい!

となりは湾岸署。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黒磁窯変筒描皿

2013年06月21日 | 文化・芸術
黒い大皿の気品。なかに描かれている葡萄文は、蔓を表している軽やかな線が目に入ってくるが、その一本の蔓だけをみても、陶芸を生涯の仕事とした土屋さんの気概が伝わってくる。

愛好者が展覧会を開くのが容易な時代になったからではないが、陶芸や書に限らないが、何がいいのか分かりにくい時代になって久しい。

現代の陶芸の美の一つの基準に私は土屋典康を置く。
この26日から7月2日まで、西武池袋本店6階の西武アートフォーラムで、なんと36回展である。

土屋さんと親交のあるドナルド・キ―ンさんの業績を紹介する企画展が早稲田の演劇博物館で開かれているというお知らせも土屋さんからいただいた。そっちもいってみないか。日本人について教わってこようと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プラハ

2013年06月20日 | 文化・芸術
先に触れたが、「ゆく河の流れは…」と、その場で書かされた一枚がプラハのとある美術館で展示され、その後、スロバキアまで行くのだそうである。
作者としては、とても歯がゆいものであるが、それは逆にいうならば、書のもっている宿命みたいなものなのだろう。

この一枚の会場写真は、チェコの灯り作家が日本側の代表に送ってくれたものの一枚である。私の書作品一点だけの写真もあったが、上下が切れていた。
そういえば6,7年前、ハンガリーのブダペストとペーチでのイベントでは、ポスターは私の筆文字タイトルでなっていた。ハンガリーのイベント紹介冊子に載ったその記事の掲載写真はポスターの私の筆文字部分を使ってくれたのであるが、筆文字タイトルの半分しか載っていない。

その方がいい時があるのかな。
と思いはめぐる。

それにしても、歴史の重みを持ちながらも、東ヨーロッパの文化はすれていない印象である。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魚図鑑

2013年06月13日 | 日記
あいた口がふさがらない、ままであることはあまりきかない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

車内広告

2013年06月10日 | 日記
広告の裏側も透けて見える時代になって、言葉ひとつも、そのまま信用できない時代になって久しい。いや、まつりごとの世界では、ずーとそうなのかもしれない。

言葉とは、もともと神に誓う語である。説文解字にある通り、「誠」でなくてはならない。せめて、文化の世界では、今もそうありたい。

そんななか、言葉に強い学生を育てる。という、とある私立高校の車内広告を時々目にして、気になっていた。
正確には覚えてないが、言葉は感性を育て、ひらめきを生む、みたいなことが書いてある一行のコピーである。

私自身は言葉に強いわけではないが、それを実感として受けてめていた。

とある進路説明会に、愚妻の指示のもと、いやいや父と、いやいや息子は、自転車で出掛けて行った。
進路説明会に伺う恰好ではなく、私はほぼジョギング、息子はチャラチャラの恰好のままで、会場前で、「進路相談会の会場に入るのですか?」みたいな案内を受けてから会場入りとなる。

学校案内資料をもらい、アリバイづくりに成功した親子は、適当でぶらぶらするのみである。

そうこうしているうちに、そういえばあの広告の、たしか友人の息子が卒業した高校、のブースが目に入り、空いていたので、
「ちょっと雑談になりますが…」と声をかけると、感じのいいおじさまと若い女の先生である。

まったく雑談しながら、「広告がいい」という話しになったら、その先生のコピーであった。国語の先生で教頭先生であった。
言葉を愛せる人だと思った。女の先生は美人であった。

そのうち息子も合流。偏差値と仲の悪い息子は一言「偏差値はどのくらいですか?」と逆説的なまともな一言でしめる。

それにしても、教育は人である、と思う。

生きる喜び、を学べ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

方丈記

2013年06月06日 | 書道・筆文字
ゆく河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず…

3m大の流し込み和紙は、意外にも書きやすかった。
2枚書いて、あとに書いたものを、作品とした。

書家は何十枚何百枚書いて仕上げるのがほとんどだろう。
他人がみれば、どうでもいいことにこだわる。
そんなことを繰り返していると、相当の腕になる下地ができて、そうとうの眼力の下地ができてくるのだと思う。
視界が狭くなることだけは気をつけたいが。

私は和紙と出会ってからは、一発書きもある。
今回の作品は、今、プラハのとある美術館に展示されている。

美術館の半分を、チェコの写真家が、その半分を、3人それぞれの和紙の展示。
その3人に和紙を教えたご縁で、その代表から頼まれて方丈記一節を書かされ特別参加という形になった。

テーマは『流れ』なのであった。

きょうは日本詩文書作家協会書展の特別展示で、「近代詩文書を支えた人々展」をみる。


近藤攝南の「てふてふが一匹韃靼海峡を渡っていった」の名作にあえてよかった。
安西冬衞「春」の俳句にもにた一行詩の不思議な韻律。
それを見事に解釈し、書表現となした近藤。

こんな作品をみると、書に誇りが持てる。


書の流れは、いま、幸せかい?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

句会

2013年06月03日 | 文化・芸術
さい銭の音ひとつして日傘行く  塩梅 

駅から会場まで、住宅街に庚申塚、神社などを抜けて3,40分のプチ吟行での成果の句で、11人中ほぼ全員が選んだ句。


今回は、敬素さんを忍んで「素」の入った句もつくってもらった。

打ち水や素焼きの鉢の色濃くす  鉄人

ちなみに小生、

汗ばみて素描のごとき妻と居る  日々軌


小生のなんか気に入ったのは、

素うどんをかけるか盛るか梅雨始め  丹田

勝手にしろ! と面白い。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銀座の夜の書会 第2夜あり

2013年06月01日 | ニュース・講座
墨をゆっくりすりながら、非日常空間にはいっていく。
筆と墨と紙と、自分の心持ちとの相性を探るように線条ができていく。

昨日のテーマは「奏」。
書くと意外にそのイメージはつかみにくい字である。
どう表現したらいいのか、その糸口がみつかりにくい。

リラックス。気脈のつながり。前後左右だけでなく天地への動き。
この辺が何回かやっていくうちに、つながっていくことを期待するばかりである。

上手い下手ではなくて、こころを注ぎ込む、または心を散ずる行為を、ここに求めたいのである。

次回は、7月5日金曜夜7時から9時まで、銀座おとな塾「銀座の夜の書会」。
テーマは七夕にちなんで「織」一字。

山手線の有楽町方面に近い方は、こちらを。
山手線の池袋方面の方は、大塚駅下車「マスミ道場」にて、表装講座もいれた夜の書会が、6月18日火曜日6時半から9時まで。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする