OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

ごきげんよう

2013年01月29日 | 書道・筆文字


「ごきげんよう」という挨拶はゆったりした心持ちがないとでないし、もともとの環境がない私からはでない。
「ごきげんよう」という挨拶でなったある邸宅でのお稽古の風景のなかに、掲出の折手本も生まれた。
長く教室に通ってくれている方の大事にとってあったものを今日持参していただいた。
昭和30年代、ご成婚前のMさんも隣りで稽古していたという。

この折手本を書いてくれたのは藤岡保子。「ま(万)つしま(満) 奥の細道」というタイトルは素人の方には読みづらいだろうが、いい字だとおもわないか。藤岡保子といっても若い書家の方は分からなくなってしまってきたか。
品格みたいなものは大事だね。



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主の平和

2013年01月24日 | 日記
The piece of the Lord
といって、ミサで会った方々は互いに挨拶を交わす。
素敵なキリスト教の習慣。さまざまな派があるなかで、共通度が高いのもいい。
ご近所のご主人は毎年、キリスト関係の旅を軸にしてヨーロッパ中心に巡り、紀行冊子と写真展などを開く。今回はドイツ・ポーランドの旅。今年から章ごとにメール配信となって、第7章は、ポーランドの古都クラクフの章。

大聖堂を後にして広場に出たご近所のご主人が出会った一齣には物語があったという。

広場にでたところで、大聖堂の塔の上から、ラッパが吹かれ、楽曲の途中で急にとまった。
これには、悲しい物語があって、その昔、モンゴル軍の急襲を伝えようとラッパ手がラッパを吹くが、急襲のモンゴル軍の矢によって途中で心臓を射抜かれ、ラッパは突如止んだ、という。
そのラッパ手を今でも讃え、毎正時、ラッパが吹かれ、楽曲の途中でラッパは止むのだそうだ。
とご近所の一文の簡約。

いい話ではないか。
それに比べて、平和な道はわが団地内では危機に陥っている。危険運転自転車を避けるため、自転車締め出し作戦で歩行者まで歩きにくいゲートまでできた。みんなの代表であるべき理事会が権力となって、自分たちの周りだけで、思いついたまま、ことをどんどん進めている。平和な道を作ろうとして、独裁の道を歩んでいるようだ。
平和への道筋は、みんなの話に耳を傾けることからだろう。

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昭和

2013年01月22日 | 文化・芸術
佐々木久子さんの『酒の旅人』届く。
ああ、東村山にもこんな酒蔵が、と調べてみると、廃業していた。
京都の「招徳」には興味を持った。こんどどこかで。
昭和30年代からの佐々木さんの酒蔵行脚、大変だったろうが、いい人いい風景がそこにあっただろう。

昨日は、写真展「日本の民家1955」をパナソニック汐留ミュージアムで観る。
戦後、高度成長直前の日本の豊かなことよ。
かわら屋根、藁ぶき屋根、太々とした梁の木組み、そして障子のあたたかみ。

生き方もその家のごとし、どっしり。
日本も精神的には今よりだいぶ健全だったことが家をみていると分かる気がする。

そういえば、今日から、山本きもの工房の久米島紬「いい理由あり」展は27日まで、妙蓮寺の長平庵で。
この長平庵は100年の歴史を持つ古民家だという。
この流れで行きたいところだが、無理。
中島洋一さんも三越で今日からだった、か。無理。
今の日本の宝のみなさん、失礼!
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酒徒善人

2013年01月18日 | 日記
「私、蘭っていう花きらいなの。だって、ずーと咲いたままで、散らないでしょ」。

蘭をみるたび、このフレーズを思い出す。
家に蘭が届いてから、このフレーズと問答している。

このフレーズの元は、俳誌の一頁にあった講演のテープ起こし原稿であったとおぼろげなる記憶である。
佐々木久子という元気のいいおば様で『酒』という雑誌を長く続け、文化人の交流深く、早稲田の暉岡先生や宇咲先生と連句の座を持っていた方である。

佐々木さんはもう泉下の人となってしまったようだ。いまごろ佐々木さんの本でも取り寄せて読んでみようか、と思う。

今日は秋田からいただいた新国立での書展のご案内の字がとても風情があったので、その方の作品を観に行こうと思いながら、免状の仕事が進まず、家で書いていた書展最終日である。

さて、蘭の変わらぬ姿だが、みればみるほど、違った表情をみせるのである。
蘭の花にも裏側や下側もあることに気がついた今日。

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早めに帰ろう

2013年01月14日 | 日記
国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国であった。
というほどの長さはなかったが、正丸峠のトンネルを抜けると、そこは雪国であった今日の秩父。
山間部は尚更ということで、予定変更。
新啓さんに電話して工房へ伺おうとする。
すると、改札を出た私たちと、銀座に向かおうとして改札に入った新啓一家。

レッドアローが動くうちに、お互い早めに帰ろう、と別れたが、昼過ぎにはレッドアロー運休であった。
雪の今宮神社、秩父のトンカツ、各駅停車の飯能行きに乗って、急いで帰路に着く。
昼過ぎには市内でもけっこう積もった。都内もそれなりであったが、新啓さんも飯能乗り換え、各駅停車で帰ったであろう。
お疲れさん。



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ゲラン

2013年01月13日 | 和紙作り
「ゲラン」ときいてピンとこない方は、私と同じ。
フランスの化粧品メーカーといっていいかな。

そのディスプレイに和紙を使うプレゼンに通ったのが、Joerg Gessner というフランス在住のドイツ人。

昨年11月、突然の越前は杉原さんを訪ねた時、日本で作品を制作していて紹介された方である。
最近はすぐ顔を忘れる。印象は残る。柔和な方である。


杉原さんから案内が届いたのである。

www.washiya.com
杉原商店のHPで、そのゲランのディスプレイの様子が見られる。
ついでに、雪のお正月の杉原商店の動画も観られる。
ついでに、
www.joerggessner.com
和紙造形に興味ある方は観て損はない。

今日の私は法事。小川ではかしき。
昨日は大勢の方が来てくれて、仕事がすごくはかどった。今日は楽だったかな。
連日のボランティアさんに感謝。


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かしきのおしらせ

2013年01月10日 | 和紙作り
今日10日、明日11日で、楮の刈り取りを終え、12日より20日までの土休日、楮の皮剥ぎ作業です。
和紙作りことはじめ、興味ある方は、小川町和紙体験学習センターへ。

一日ボランティアの方には、食事などでますので、センターへ連絡してください。
興味ある方は、和紙学習体験センターのHPみてください。


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地球も動いている

2013年01月08日 | 書道・筆文字
最終日の朝日現代書道二十人展へ。
ここは晴れ舞台、表装がいいもの多い。

上野にまわってみるとツタンカーメン展が大賑わいで30分待ちだったが、
となりの芸術院会館で鈴木翠軒「關雲帯雨」を観る。いいね。
片岡球子の面構えシリーズの大作と対峙していた。

都美にまわって、「TOKYO書2013―公募団体の今」を観る。
関東に拠点を置く書の公募団体の中から18団体、38作家による連立個展的な多彩なジャンルの展覧会だ。
これは、長く公募展と関わってきた都美が、その継承と発展をはかるために、公募展活性化企画審査会を設け、新たな風を送ろうとするもので、停滞気味なこの時代に必要とされる試みである。
書部門の審査会の方々に拍手を送る。

それぞれ気合いの入った作品であったが、千葉蒼玄氏の壮大なる山並みを思わせる絵画的作品は賛否両論あろうが、大震災への尽きぬ思いが伝わってくる作品だ。その昔、徳野大空作の「草」のみ書いて草原を思わせる作品があったが、画面的発想としては似ているともいえる。だが、その時代の息吹とこの時代の吐露、内的な発想は別物で、作品は時代が作っていくものと感じる。

都美セレクション グループ展公募に選定された「墨痕」は、日本画と書の若い作家のコラボ展。
武蔵美と大東大出身で共通項は日展作家。新たな発想をこれからも期待したい。

その隣りでは都美が所蔵する昭和の巨匠たちの作品が並んでいた。
比田井南谷の「作品70-2」をしみじみとみた。1970年の作品。大阪万博の年か。

時代の回顧と時代の要請。
少しづつ動いていることを感じた書の世界。

そうそう、そこに向かう前、駅でばったり往年の在野作家であった書家と遇う。
歯医者に行くという。時代は動いている。

水も動いて凍って、氷の花をつくる。




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くにざかい

2013年01月06日 | 日記
誘われて、山梨と神奈川と東京のさかいあたりの神社へ初詣。

一昔前、百歳以上の方が多く住んでいたので、長寿村として知られたところ。
そこには菜食文化と良き水があったとか。
富士が眺めらるのもいい気分のところである。

本殿では、先達の奉納に加え、私も木刀による空書「大」を奉納。
奥の院や、一時間ほど登山しての山頂にある山宮でも、先達にならって各種の倍音やら気功やら、奉納三昧。
正月の正しい過ごし方の一つであるに違いない。



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