再び?三度?めくりが定点観測。
高級料亭で毎年行われる浄瑠璃の会。
演目は20以上。その演目の「めくり」を依頼されている。
先日の個展に家元の紹介で来ていただいたℍさんが、書いたもの(めくり)を持ち帰ってもいいとは知らなかった、と言ってくれたが、Hさんの演目を書いためくりが今回一番よくなかったか。
来年は、ぜひ持ち帰りたい、と言わせるものを書かなくちゃいけない、と今から思う。
たかがめくりがされどめくりとなる。
再び?三度?めくりが定点観測。
高級料亭で毎年行われる浄瑠璃の会。
演目は20以上。その演目の「めくり」を依頼されている。
先日の個展に家元の紹介で来ていただいたℍさんが、書いたもの(めくり)を持ち帰ってもいいとは知らなかった、と言ってくれたが、Hさんの演目を書いためくりが今回一番よくなかったか。
来年は、ぜひ持ち帰りたい、と言わせるものを書かなくちゃいけない、と今から思う。
たかがめくりがされどめくりとなる。
打ち合わせで行ったのは、私が個展中通わせてもらったお店なのだが、その女将の高校の後輩が私の打ち合わせ相手ということがわかったからだ。
その日、女将と私の行き違いで、その日は満席。ながら、常連さんの面白い研究者に臨時の椅子に座ってもらって何とかカウンターに。
私が席を外している間に、面白研究者が私の打ち合わせ相手と意気投合。そしたら反対側のお二人と私も話すことに。これまた隣は農学なんかが専門で、こっちは能楽ならわかるが、の世界だったが、二人ともこれまた学者にしては柔らかい。そうしているうちに名刺をいただいた。そのお一方の名前が「舟」。誰がつけたか、ときいたら、ま、親みたいだったが、そのセンスにひかれた。そして思い出した。私の扇子の「舟」。
最後に三人でスナップを一枚。もうお一方は西の方からの出張だったようだが、その方の携帯に収まっていた三人でのスナップを、洒落た文面とともにメールしてくれた。
こちらも扇子「舟」の写真を見つけ出したら、2001年作だった。ここに載せた「舟」を西の方に添付して返信した。舟さんはアメリカにちょっと出張らしかったので送らず。アメリカは遠い、となんとなく思ってしまうアナログ人間である。
個展「龍+」では、龍を書くこと多かったが、もう一つ「嘉辰(かしん)」も多かった。
“よき日”ということだが、来年の干支「辰」もあって、暮れから新年にかけてトレンディーな言葉になるかな。
「嘉辰」と気持ちよく書いた、と思ったら最後の払いの伸びがも一つ欠けた。
ボツにしようか、、、でも全体は気に入って、いい動きだが、、、考えたあげく、そこに訂正印というか修正印を捺せばいい、と。
なかなかできないですよ、普通の書家には。と開き直って、グレートアーチストは違う、とうそぶいた。
売れ残ったのは、お客さんの審美眼が確かだったから。大したもんだ。
訂正印は「如意」。心のままに、という印だ。
龍は、まったく龍に感じられない龍を草書も草書のくずしの極致までいったような作品を20代か30代前半で書いた。小品だったがすぐ売れた。なぜかというと、昭和の代表的作家の一人である水上勉先生が漉いた竹紙だったから、というオチがつく。
その少し前の年だったのか、水上先生と縁のあった私の俗の師匠が中心になって、水上作品を舞台で演じる寸前の野村須磨子さんらも交え大勢で越前に伺ったとき求めた紙だったか。
そして今回、たくましい龍も、画の龍も、様々に書いた描いた。
そんななか、上手くも書こうとしない、ふっと書いた作品は、ふっと書けた作品だ。
いろいろバリエーションがあっていいから、と裏打ちしたが、どんなもんか、と思っていたら、書家の後輩が「これはいい」と。個展作品補充のため、最後の二日間だけ日の目をみたが、最終日に来てくれたのでそれがあった。
ほめてくれる。そういうときだけかわいい後輩にみえる。真摯に書と取り組んでいる男にいわれるとうれしいな、やっぱ。
非日常。
酒の弱い私は銀座の小料理屋などいくことはないが、個展「龍+」に合わせて?会場近くの龍さんに寄る。
気さくな構えで気さくな女将がいるところ。酒が弱くても行きたいお店になった。
桃源郷というにはオーバーだが、桃源郷は、そこにいる人で決まる。
五体の見本でなく作品。それも不完全。未完というべきか。
「オレンジハート」って曲知ってる?
「え?」と。
「みかんハート」だった。
ずーと、そのまま何年か過ぎた。
みかんはオレンジでなく、未完だったことを数日前に知った。
未完ハート、未完成なハート、失恋ソングだった。
「龍+」はじまりました。
知人友人はもちろん、銀座ギャラリーのスタンプラリー最終日でもあったので、若い方も多く、インバウンドのカルフォルニアからの方は、写真家と画家の方とか、あとは名物ギャラリー巡りのお兄さんやら、こちらも飽きない初日でした。
お土産は私が育てたシークワーサーかカラマンシーひと粒。
写真のマグネット軸、便利です。