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朝食を科学する

2016年01月20日 | その他
女子栄養大学基礎栄養学研究室教授 川端輝江 2015年12月17日 毎日新聞

朝食を食べない人は、若者世代に多いとよく言われます。確かに2013年の国民健康・栄養調査を見ると、 最も朝食を抜くことが多い世代は20代です。 ところが、朝は菓子や果物、乳製品、嗜好飲料だけという人が多いのは、意外にも30~50代なのです。朝食を簡単に済ませる人を含めた欠食者の割合は、この10年で50代男性が1.7倍、50代女性が1.9倍に増えています。
朝食は英語でbreakfastです。「空腹を断ち切る」という意味があります。一晩寝て起きた時、体内では多くの栄養素が不足した状態になっています。朝食を取らないと、どうなるのでしょうか。
①糖質不足で脳にエネルギーが供給されず、頭の働きが低下する。
②エネルギー不足を補おうと、 筋肉を壊して取り出したたんぱく質を燃料にするため、体力が低下する。
③空腹が長く続くため、体は脂肪をより多く蓄えようとする。その反動で昼食・夕食の摂取量が増えるとともに、 糖質が盛んに脂肪になるので、 太りやすい体質につながる。
④体中の細胞が一斉に元気に活動するためのスイッチは朝食を取ることで入るので、朝食がないと細胞がバラバラに働き、体調不良として表れる。
それでは、どのような朝食が良いのでしょうか。
パン、ご飯、シリアルなどの穀類は糖質の供給源ですから、 いずれかは必ず取りましょう。副食は火を通さなくてもよいものか、短時間で火を通せるものが、忙しい時間帯には最適です。卵、納豆、豆腐、ハム、ソーセージ、チーズは、体作りの元
となるたんぱく質の供給源としても適しています。 ビタミン、 ミネラルも大切です。野菜たっぷりのスープやみそ汁なら、水気が多く、作り置きもできます。
仕事に気合が入らない、 太りやすい、原因不明の体調不良(不定愁訴)が続く場合などは、朝食に原因があるのかもしれません。「空腹を断ち切る」ための食事である朝食の大切さを、もう一度見直しましょう。