兵庫県立はりま姫路総合医療センター循環器内科のBlog

2010年11月1日から当科の活動を公表しています。はり姫が2022年5月に開院してから2年を迎えました。

2010.12.10 第24回 日本冠疾患学会学術集会

2010-12-12 | 医療
12/10・11に東京で第24回 日本冠疾患学会学術集会が開催
されました。 

当院の 鳥羽敬義 医師が 内科シンポジウム「DESの長期
予後を検証する」でシンポジストとして発表しました。
 
また、当科関連病棟の田中看護師、圓井看護師が「止血用
圧迫器具の減圧方法の検討」について発表されました。

心臓血管外科の先生も参加されている学会で、いつもの
内科だけの会とは異なり、それぞれの立場からの治療法や、
普段聞くことのない外科手術の術式・予後などの話が聞けて、
大変勉強になりました。 



以下は 鳥羽医師からのコメントです。

10日の内科シンポジウム1「DESの長期予後を検討する」の
セッションで、
「当院でのCypherによる非保護左冠動脈主幹部治療の成績」
という題で発表させて頂きました。

当院のunprotected LMTに対するSES留置の成績は、ステント
血栓症の発症頻度やTLR率も含め総合的には非常に良好な成績
であった一方、j-Cypherなどでも言われている通り、
two-stent strategyの予後は不良であり、unprotected LMTに
対するSES留置におけるone-stent strategyの有効性を示す結果
でした。

名立たる先生方の中で非常に緊張しましたが、何とか無事に
姫路発のdataを発信することができました。

本セッションでは、DESの長期予後を規定する因子としてステント
血栓症が議論の中心となりました。

本邦では海外と比較してステント血栓症の発症頻度は比較的低く、
今後、第2、3世代へと移行するにつれ、ポリマーやプラット
フォームの改良がなされ、ステント血栓症の頻度は減りDESによる
長期予後は良くなるのではないかという意見が多く聞かれました。

ただ、DAPTやlate catch upも含め、まだまだ未解の問題も多く、
今後、更なるdata reviewが必要であると再認識させられました。

また、OCTなどのimagingや病理学の見地からも検討がなされ、
ミクロの知見をいかにマクロに生かしていくのかについて活発な
議論が交わされました。
コメント
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