兵庫県立はりま姫路総合医療センター循環器内科のBlog

2010年11月1日から当科の活動を公表しています。はり姫が2022年5月に開院してから2年を迎えました。

TRIマニュアルに寄稿しました

2010-12-23 | 雑誌
当科の 山田愼一郎医師が、11月に発行された、

「TRIマニュアル PCIの真髄は低侵襲にあり!」の、

Ⅱ章 TRIのための準備 Ⅱ-b. TRIに必要な知識
 
1 橈骨動脈のサイズ を担当し、寄稿いたしました。
 
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雑誌 PRESIDENT にご紹介いただきました

2010-12-19 | ACLS
雑誌 PRESIDENT に、DPCに基づいた調査でカテーテル治療件数が多かった病院の一つとしてご紹介いただきました。

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2010.12.16 医療のリスクマネジメント 講演会

2010-12-17 | 医療
当院リスク部会主催で、

『医療のリスクマネジメント』 と題された

新須磨病院院長 澤田勝寛先生 による院内講演がありました。

澤田先生は神戸大学第二外科のOBで、医学部のみならず、
神戸大学経営学部の非常勤講師などもされておられる先生です。

講演内容は以下のようでした。

人間とは錯覚しやすい生き物である
→組織としては 危機の発生を最小限に抑える努力が必要

壊れ窓の理論:最初の小さなほころびを放置する→
モラル閾値の低下→組織全体の悪い意味での馴れ合い
  したがって小さなほころびは早期対応が大切であること。

社会の危機(リスク)への対応も同様
イベントツリー:起こる前に備えあれば憂いなしという考え方
 たとえば患者急変したら同対応したらよいかを前もって
 シュミレート(急変!→人を呼ぶ→循環の確認 など)

フォルトツリー:起こってしまったことを検証(急変症例
 →病態は同じだったか→投薬量、種類は適切であったか? など)

フールプルーフ:人は間違いを犯すもの

フェールセーフ:であればミスを起こしても拡大しない手立て

リスクに強い組織とは
暗黙知を形式知へ(誰にでもできるようなマニュアル作りをし、
共有することとして伝授したのが野村監督で、
かたや、暗黙知を暗黙知として伝授したのが長島監督

リスクは起こりうるもの前兆を捕らえること、
起こりうる可能性を予知すること


大惨事を防ぎ、組織としても成熟を

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ACLS 2010 ガイドライン

2010-12-14 | ACLS
今年の11月にCoSTR(心肺蘇生と救急心血管治療のための科学と
治療の推奨に関わる国際コンセンサス)が公表されました。

それをもとに各国でのガイドラインが公開されているわけですが、
おなじみのAHA 2010はその米国版です(日本では日本蘇生協議会)

大筋は2005を継承していますが、変更点は

BLSはCABへ変更 

反応なし、喘ぎ呼吸→救急システムコール→
息(-)→胸骨圧迫→気道確保、呼吸(-)→30:2サイクル
胸骨圧迫 100回以上/分かつ深さは5㎝ 
(というわけで、これをまともに実行しようとすると、交代の
人手確保は必須!)

乳児にもAED使用可能 推奨は手動式除細動器で4-8J/Kg→
なければ小児用パッド付きのAED→なければ大人用AED
(ただし日本では薬事法で原則使用は無理)

ACLSでは 

A,B: 気管チューブモニタリング
適切な位置、CPRの質の判断でカプノグラフィ
(PETCO2>40mmHgをキープできる→ROSC)
C: 動脈ラインでの圧管理(>20mmHg目標)
D:Vfと脈なしVTへの除細動は二相層性除細動器では
150-200Jを行う。 乳児を含む小児へもAEDを使用
電気ショックまでに>3分要するなら院内AED使用を推奨 

アトロピンはPEA,心静止にルーチン使用しない
(有効というエビデンスはないが、悪いというエビデンスもない)
不安定な徐脈(症候性徐脈)へのアトロピン。
無効な場合、ペーシング治療とノルアドレナリン、
ドパミン点滴は同等(Iia)

鑑別できていない安定した幅の広い規則性頻脈ヘの
アデノシン(VT鑑別のためにも)は推奨される
(ただしVF誘発の恐れがあるので不規則な幅広い頻脈には禁)。

ACS→O2,nitate,IV,morphin

CHF,呼吸不全、低酸素血症にはO2投与
SpO2>94%では呼吸不全なし→酸素投与は不要
モルヒネは硝酸薬に反応しない胸痛のSTEMIへ適応
そして心肺停止の原因としてACSを考慮し、蘇生後には
PCIの可能性を考慮する

蘇生後の管理:低体温療法、包括的加療で多臓器ケア
(脳神経、心肺機能)とモニター活用

過剰な酸素投与はしない:酸素飽和度モニター活用
(sPO2 >94%(理想は99%まで:PaO2 80-500torr)

心肺停止後痙攣は早期に見られるので、脳波モニターを行い
早期より介入こん睡状態時には連続モニター

脳卒中ケアユニットはtPAと同等に有効な加療

というわけで、ますます低体温療法の重要性や神経内科、
脳外科との連携が重要になります。
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心筋SPECTとFFR -機能的狭窄度評価の必要性-

2010-12-13 | 報告
週末に大阪で行われた

心筋SPECTとFFR-機能的狭窄度評価の必要性-

研究会に出席してきました。

よく誤解されるようですが、
pressure wireを用いたFFRはepicardの血流予備能である点、
心筋血流の予備能を見る心筋SPECTとは若干見ているものが
違うという話でした。

それを踏まえて、FFRで0.75以下に低下→心イベントが多いという
2007年のDEFER trialやFAME studyの結果を解釈すべきと思います。

FFRではdiffuse病変で低くなること、多枝病変でも注意すべきです。

印象的であった解釈は

トレッドミル検査:患者あたりの虚血描出
心筋SPECT:局所の虚血描出
FFR:枝の虚血描出
という概念でした。

今春まで当科で勤務していた熊田先生と同じ教室の先生からの
発表もありました。

船橋市立医療センター心臓血管センター部長の福澤茂先生が
コメンテーターで
(PCI600件/年で当院と似たような環境のようですが)

外来シンチで虚血の大きさ程度を判断し、small areaの虚血は
すべてoprical medical therapyを行っている

とのことで、gate keeperとしてのシンチの役割を話しておられ
ました。
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