思いつきで書いた物語と実話のMIX

フィクションとノンフィクション。目線を変えると景色も変わる

言葉にできない2-5

2019-08-31 16:33:00 | 日記

いつもの帰り道


空を見上げながら亡くした友を思い


味わったことのない感情に情緒は振り回されていた


ふと話し声が聞こえてきた


「アイツいっつもすぐやらせてくれるから楽でいいや。今までで1番簡単にやれたわ


「お前マジでクズだな。かわいそうに。だいたい女何人作るつもりだよ。お前の彼女もよくお前みたいなのとおるわ。


「女なんてやりたい放題やって飽きたら変えればいんだよ。でも、あいつ何回浮気しても付いてくるからアイツみたいなのと結婚したらずっと遊んでられるかもー


「エゲツないわー。マジでクズの神さまだわ。お前マジでひどい。俺らが知ってることぜってえ言うなよ。共犯とかみたいでマジ無理だから



笑いながら下世話な話をする上級生だった


アホみたいに笑いながら、ひどいことしたってなんの罰もない。


陽平が死ぬよりアイツらみたいなのが死ねばいいのに、神様は不公平だ。


そもそも神様も陽平も百合も見放す理由なんてないはずなのに。


神様なんて居ないんじゃねえかな




次の日


下世話な話をしてた上級生と歩く女がいた


あれが浮気ばっかされてる彼女か…


何が良いんだか。


金持ちの坊ちゃんかなんか魅力でもあんのかな。



でもそこに歩くのは前の席の少し気になったあの女だった…


「彼氏いんのか。まあ居るだろうな。



目線を落として奴らとすれ違った



彼女はあまり見せたことのない顔で笑っていた


嬉しそうに話す声


小刻みに動く体から伸びた手は


アイツの袖をしっかり握って


少し足早について歩いていた









少し寝坊して時間を見ながら授業の合間に教室に入ろうとクラスに向かった



廊下で一方的に責められる女と


すごい剣幕でまくしたてる派手めな女と


何やら口論をしてる




責められる女はまたあの女だった



なにやら男を取っただ、取ってないだで揉めてる



「あぁ…浮気相手にされてた方だったんだ


と、思った



また違う場所ではあの遊び人が彼女に近づいた


彼女は馬鹿にされたような言い方ばかりされて


どんどんうつむいていくのが分かった






僕は感じたことのない衝動に駆られて


そいつの襟を掴んで力一杯後ろへ放り投げた


アイツは


「ってぇな!

って言いながら起き上がった


僕は理性のないまま彼を睨みつけた


殺したいほどの感情だけが僕を支配して


きっと獲物を狩る時の肉食獣のような眼光でそいつを睨みつけていた


アイツは怯んだ様子で向かってくるのをためらった



なんだろう



この感情は…



あの時にも感じたことのない感情


何か大切なものを失いそうになった時のような…




あぁ…僕はきっと少し気になるあの女。


きっと彼女のことが好きなんだろうな


好きってこういうことなんだろうな


自分が守らないといけない相手


なんか…



よく分からないけど


この女のことで頭がいっぱいだ




うつむく彼女を連れて帰り道を歩く


何て声かけたらいいのか分からない…


何て言えば笑うのかな…


何て言って欲しいのかな…


迷いばかりが支配する頭の中


ため息と同時に出たのは僕の強がりな部分だった


「おまえ…しっかりしてそうにみえるのに。


「守ってくれる人とかいないわけ?






そうじゃない。


僕が言いたいのはそんな言葉じゃない。


何でそんな言い方になるんだ。


このバカ野郎が。


傷ついた相手にそんな言い方あるか。



でも彼女は


「アンタが守ってよ。









………マジか。






そうくる?



まさかの逆転満塁ホームラン級のダークホースがやってくれました。



確率0.2パーからの急上昇





何て返そう。



何て返そう。



実は好きだったんだよね。



これか?


でもなんか傷ついた女にこれはズルい気がする。



なんだなんだ。



こんな時の最高な返事はなんだ。



求めている答えはなんだ。






思考回路が満員御礼です…。




なのでこのバカな私は




「別にいいけど。




だぁー



なんなの、その上から目線は。



ありえないんですけどー。


チョー上からなんですけどー。




これでは彼女が2秒で


「やっぱ無理…



とか



こんな結末ー?




ヤバい、ヤバい。



何とか追加でフォローいれないと。



ヤバい、ヤバい。



慌てふためく脳みその中のミニサイズの僕は



リアルな強がりの僕に説教しながらアドバイスする。




でも彼女は




恥ずかしそうに僕の制服の裾を握ってついてくる







あ…まだ生きてる



今のが正解だったのですか…



今ならなんでも出来そうな気がする〜



何でも叶いそうな気がする〜







帰り際



飛び出しそうな心臓を押し殺して



はしゃぎそうな心を落ち着かせて



僕は彼女にこう言った



「俺は…大事にするから…





カッコつけてみた〜^_^ ^_^ ^_^汗汗


「よろしくお願いします…



彼女は恥ずかしそうにモジモジする





「可愛いすぎるだろ…



心停止しそうだ。




でも今日のところはカッコつけたまま帰ろう。



「また明日な



「…うん








幸せだ〜



なんなんだ


いきなりの春の到来



俺キャラ変わってない?


ま、いいか。



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