思いつきで書いた物語と実話のMIX

フィクションとノンフィクション。目線を変えると景色も変わる

言葉にできない10

2019-08-25 21:01:00 | 日記

母と弟と姉との3人で暮らすことになった


私は結局

学校を辞めたい気持ちは変わらないままで

母に丸め込まれて

大人しく学校へ通った





ふとした共通点から出来た友達が出来


2年の途中で公式テニス部を設立した


学校にはテニスコートがなかったから

近くの市民体育館でコートを借りて

練習に明け暮れた


中学で軟式テニスをしていた私はボールが変わっただけだったので要領よく練習がこなせた


帰り道には駅近くのパン屋で買い食いしながら
無人駅のホームで電車を待った




ある日の練習のこと


男女ミックスダブルスで練習トーナメントをすることになり


私のペアは男子テニス部の副部長だった


私のミスをフォローし、得点源となる前衛のボレーが巧みに決まり


わたしたちのペアは1位だった


帰り際もずっと先輩と話しながら歩き


駅で電車が来るまでずっと話し


見送られながら帰路に着いた



妙に息の合う私たちは学校内で噂になり


結局その噂がきっかけとなり交際を始めた





交際が続いて3ヶ月くらいのころ


友達や先輩とお互いの恋愛の話をし合ううちに
セックスの話になった


高校2年ともなると

やっぱりみんな興味はあった


済ませた友達も数える程だけど数人居た


キスから始まり、ボディタッチ…

ディープキス…セックス…と


段階を踏む進歩に顔を赤らめながらも互いに語った


私はと言えば

まだ手を繋ぐくらいで

自分からキスなんかにはとても進歩できないままだった


携帯電話も彼は持ってないようで

合う約束はもっぱら学校帰りの思いつきだった

だからなかなか思ったようには会えなかった

それでも私は彼との距離を縮めたい一心と


自分より進歩がある友達や先輩に感化され


私は先輩にそのことを話し

自分のことをどう思っているのか聞いた


すると彼も

友達や先輩からの話についていけず

モヤモヤしていたようだ


そんな話をしていたら


「じゃあ…しよっか…?

みたいな流れで先輩とキスをした


市民体育館の中の2階の更衣室にあがる階段の途中の踊り場で


静かな空間の中


口と口が触れ合う音だけがしていた


彼は私を抱きしめる手の力を緩め、私の胸元のボタンを外し、下着の中で私のおっぱいに触れた


私は恥ずかしさと緊張で体がこわばり

押し殺した声から漏れた吐息だけがその空間にあった

しばらくのうちはそこまでで終わって

激しくキスをしたあと

またいつものように帰路に着いた



土曜日の夕方

いつものように同じ場所でキスをした


「明日は休みだね

「そうだね


平日の門限と土曜日の門限の違う私は

「いつもより長く居れるね

と、長く居たい気持ちを伝えた


彼は黙ったままうなづき

私の胸元に入れた手をスカートの中に入れた


私は驚きと緊張で思わず

「きゃっ…

と声が漏れた

その声に彼は感情が最高潮に達したのだろう

私のスカートの中に手を入れ

そして私の下着の上から、あそこに触れてきた


あっという間に下着が濡れるほど手で触れられ

ピンと張った彼のズボンの股間に気がついた


彼は黙ってこちらを見たのち

キスをしながら私の下着をさげた

そして私は彼と繋がった

最初は痛かったけど、優しい彼に包まれ、私は気持ち良かった


はじめての経験が

まさか市民体育館の中の階段だとは誰にも言えず

そのことは濁したまま

友達や先輩との話についていけるようになった




私は彼で頭がいっぱいで

彼に会うために学校へ通い

都合が合う日は全て市民体育館でセックスをした



交代でコンドームを用意したが

買うときのあの恥ずかしさ


それが一番共通して笑える話だった


暗くなっても

遅くなっても


彼との時間だけが私の全てだった








ある日の朝

教室に入ると私の席に知らない先輩が座っていた


1つ上の少し派手めな化粧の先輩で


私は困惑したまま席に向かった


「コイツ?

「はい…


隣の席の子が私を認識させると彼女は私の腕を掴み

「ちょっと来いよ


と、引きづられるように私は女子トイレに連れ込まれた


「お前アイツの彼女なの?

アイツが分からない私は
「アイツって?
と聞くと、彼女は


「有亮のことだよ
と、分かってんだろ的な口調で怒っている。


私はやましいこともないので
「…はい。付き合ってます。
と答えると

彼女は変に冷静に
「もうヤッた?
と、核心に触れてきた

「………ハイ

小声で答えた


すると彼女は

「アイツはウチの彼氏で、お前なんかの彼女じゃねえよ

と、吐き捨てた


意味が分からなかった。


「アイツ浮気癖があって、ウチが生理になるたびに浮気して他の女と済ませるんだよ
と笑いながら言った


「…嘘だ
信じられない私は否定した


「それにアイツ。携帯持ってないって言っただろ?
「信じられないなら向かいの校舎の2階の廊下見てろよ。いいもの見せてやるから。


そういうと彼女は取り巻きを連れ、向かいの校舎へ行った






向かいの校舎の廊下を見ていると彼が居た


窓を開けて、手を振ろうとすると


さっきの女が彼の前に現れた


すると…


彼は


私には見せたことのないような笑顔で彼女を抱きしめ


そして2人で屋上へ続く階段へと消えた



私は


遊ばれていたんだと認識した

携帯電話を教えなければ証拠が残らないからと

まんまと彼の作戦に引っかかっていた


私は翌日

先輩たちから女子トイレに呼び出され

バケツで頭から水ををかけられ

1日を体操服で過ごした


階段ですれ違うときには足を引っ掛けられ

2、3段落ちることもあった

上靴は隠され

ラケットは壊され

教室の机には

「ど淫乱
と落書きがされた


1つ上の先輩が怖く、誰も助けてはくれなかった




移動教室も1人で向かった





お弁当も1人で食べた




ある日は

食べようと机に置いていたお弁当が

トイレから戻るとひっくり返って床に落ちていたこともあった



またある日は

私の机が廊下に置いてあったりした


それでも私はまだ

彼のことが好きなままだった


見るもの全てが新しく

触るもの全てが新しく

感じる気持ちもすべて新しく



何もなかった私の世界を


色付けてくれた彼が忘れられなかった



しばらくしてからのことだ


彼とお揃いで買ったTシャツが処分できたのは







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