ひのっき

あったかくてぐっすりでごはんがおいしくてよかったねうれしいねなんて小さなしあわせ探し雑記

ローマの休日②【フォロ・ロマーノ】

2004年09月04日 | 絵日記
というわけでやってまいりました、フォロ・ロマーノ。知らなければ多分ただの薄汚れた巨大な廃墟の集合体ですが、紀元前から繁栄を続けた、栄光の千年帝国のここが中心地だったのだと思うと、赤茶けたレンガの壁たちが透き通らんばかりの輝きを持って網膜に次々焼きつき、溢れ出る感慨が胸を焦がします。
カエサルが、アウグストスが、ヘロドトスが、ネロが、塩野七生が駆け抜けたその同じ道が、僕の前に広がり僕の後ろに従います。360度何処を向いても、水晶体に映る全ての情景が生涯一度レベルのシャッターチャンス。夢中でファインダーをのぞき、我を忘れて人差し指に力を込め続けました。
あっという間にセッティングしたフィルムを使いきり、自動巻上げのモーター音が小さくうなりをあげはじめます。でも心配無用。ビックカメラで格安にまとめ買いしたフィルムがたっぷりバッグに収納されてます。さてすばやく交換をといったところで、妙な事に気付きました。なんかこのフィルム小さい?しかもカメラにセッティングするためのフィルムの糊代が出ていません。
その時、10年程前に彗星のように華々しく現れ、たまちゃんのように静かに消えていったあの規格が脳裏に蘇りました。まさか・・・・APS・・・?なんでそんなものが2004年のビックカメラに・・?
その謎は未だに謎のままですが、ショックでまたも涙目になるさっちゃん。
ぬう・・・やはりデジカメにすべきだったか?
しかし35mmフィルムには、他の媒体にはない圧倒的な強みがあります。世界のどんな秘境のどんな観光地でも必ず売っているはず。案の定20m先にあっさりKodakののぼりを発見。
ところがむう・・・値札が貼っていない・・・やはりマフィア仕様か・・・。少々のぼったくりは覚悟の上で値段を尋ねると、一本10ユーロ。1400円・・・。さすがプロ。足元の見方もワールドクラスです。
しかし背に腹は替えられないし、相対的に見ればメチャ高でも、この美しさの前で長期的な効用を鑑みれば、絶対的な費用対効果は充分高いものと言えそうです。で、2本を購入し、コロッセオにいたる宝石のような景色を心ゆくまで撮影しまくりました。脳内はひたひたにエンドルフィンの海。うーん楽しかったー。
しかし現在のデモクラシーってのは、紀元前に概ねその原型が完成されてたんですねー。2000年経っても(以下略)
そんなこんなでやっぱり素晴らしかったフォロ・ロマーノでした!