ひのっき

あったかくてぐっすりでごはんがおいしくてよかったねうれしいねなんて小さなしあわせ探し雑記

宮本常一 塩の道

2005年08月19日 | どくしょ。
宮本常一先生の「塩の道」を読みました。
面白かったです。
宮本先生は自分の足で全国を隈なく歩き回り、自分の耳で直接土地土地の人々から話を聞きながら、日本人の暮らしに関する膨大なフィールドワークの業績を残したことで知られる、日本最高の民俗学者の一人です。
本書では、「塩の製造と流通」「日本人の食べてきたもの」「暮らしの中の形と美」といったことをテーマに、庶民の暮らしについて独自の視点を交え掘り下げつつ紹介してくれます。
山間部での塩の入手方法など満載された目鱗情報の秀逸さもさることながら、文体から溢れる「庶民」に対する尊敬と慈愛に満ちた眼差しが素晴らしく、なんていうか読んでいてシアワセに癒されます。
民俗学に興味がある方にはもちろん、良質な読み物を求める方にお奨めの名著です。