今年、紅白単独初出場を目標に掲げるアイドルグループ・NMB48。沖縄・宜野湾で開催中の『第5回沖縄国際映画祭』に出品された映画『げいにん!THE MOVIE』(内田秀実監督)で同グループ初の映画出演を果たすなど、さまざまな分野に挑戦しており、着実にステップアップしている。このほどメンバーの山本彩、渡辺美優紀、小谷里歩、小笠原茉由が、沖縄の海をバックにORICON STYLEのインタビューに応じ、女優業への想いや今後のNMB48について語った。
彼女たちの銀幕デビュー作となった同作は、メンバーが『なんば女学院・お笑い部』として大喜利やモノボケ、漫才に挑戦する異色アイドル番組の劇場版。映画化の一報を聞いた二日後にクランクインするという「ビックリする間もない怒涛の撮影」(山本)の中、彼女たちは必死にセリフを覚え、表情を作ってカメラと向き合った。
かねてから「演技がしたかった」という渡辺は「演じた役自体は、普段の自分と近くて楽しくできた。だけど、長いセリフを歩きながら自然に言ったりとか、真剣におばあちゃんと話すシーンは、普段の自分ではあまりない経験だから難しかった」と、女優業の大変さを告白。山本も「もっともっといい演技ができたのかなって思った。出来上がったのを観て、初めて客観的に見られたところもあった」と振り返るように、課題は多かったようだ。
なかでも小谷は「全然ダメでした」と視線を落とし、「演技が変やったからか、スタッフさんに笑われて、ショボンってなった。なので、(女優業に対して)一回心折れてます」とトホホ顔。小笠原は対照的に「次に活かせることはあるなって思いました」と笑顔を見せた。
それぞれ女優業に対してさまざまな気持ちを抱いた様子で、渡辺は「もっと自分とは違う冷酷な役とかホラー映画とか、推理ミステリー的なのに出たい」と意欲的。小谷は「できることはやりたい」と前を向き、小笠原も「演技から学べることがたくさんある」と気を引き締めた。
一方、山本は「女優業ですか…う~ん。すごく素敵なお仕事だと思うけど、自分には向いてないというか…。難しいです。自分が演技しているのを見るのも恥ずかしいし、違和感もあるし…。ただ、NMBにいる間はいろんなことを吸収してお仕事したいなって思う」と慎重に語っていた。
劇中でお互いがしのぎを削って漫才に励む姿は、普段彼女たちがグループで奮闘する姿と重なっていく。小笠原は「ライバル心はないことはない。みんなで楽しくできたらと思うけど、グループとして成長していく中で、必要なことは“選ばれる”こと。周りのメンバーからも学べることは48グループならではだし、こういう緊張感はあった方がいいと思います」と、キリッとした表情で明かす。
渡辺も同調し「48グループって、そういうのが欠かせないし、たくさんのメンバーがいるからこそ、それぞれに良いところがあって、刺激にもなる。“選ばれる”ことは、逃げられない試練だけど、みんないい仲間やし、先輩が後輩の面倒を見てくれるし、助けあってるなって思う。ライバルであり仲間っていうのは、本当にいい言葉」と、充実ぶりを語る。
メンバーの卒業発表など、別れや出会いもあるNMB48。現在のNMB48のあり方について、キャプテンの山本に聞くと「すごい右肩上がり」と即答。1stアルバム『てっぺんとったんで!』収録曲で、紅白を意識した楽曲「12月31日」について触れた山本は「その楽曲をもらった時、最初は衝撃的でこんな露骨な楽曲で大丈夫かと思ったけど、自分たちの気持ちが見つめ直された。後輩たちとの距離も縮まって、いいものができあがっているなって感じているんです」と声をはずませる。
NMB48として4月26日に東京・日本武道館の単独公演、48グループとして6月に横浜・日産スタジアム公演も控えているとあって、山本は「もっともっとステップアップしたい。そうすれば、みんなの気持ちももっと強くなるのかなって思う。もっと多くの人にNMBを知ってもらいたいですね」と、大みそかの紅白にむけてさらなる飛躍を誓っていた。