すばらしい日々

ヒロゾーの足跡です

骨折ブルース

2018年06月09日 09時57分49秒 | Weblog
去る5/28。
20:00頃。
俺は仕事場にいた。
大型冷凍庫から荷物を取り出し、「何入ってるかなぁ♪」とゴソゴソしながら歩いていた。
その直後。
俺は42年生きてきて初めての経験をする事となる。

当然、足元など気にして歩いていなかった。
完全に油断していたのだ。
「男は外に出たら7人の敵がいる」などと昔からいうが、俺はその内の1人にやられてしまった。

台車のようなものが押し迫っていた。
いや、俺が向かっていたのだ。
おとなしくしている台車は何も悪くはない。
俺はそいつの怒りのスイッチをONにしてしまったようだ。

俺は踏んだ。
だっふんだ!は志村けんのギャグだ。
関係無い。
台車を踏ん付けた。
当然、台車はスコーン!と滑り出す。
気持ちいいくらいに飛んで行った。
台車飛ばし選手権があったら優勝していただろう。

身の危険が迫っている時。
意外と冷静だったかも知れない。
視界はスローモーションで天井に切り替わっていった。
後ろにコケたのだ。
「頭だけは打つな」と思ったのも覚えている。
頭をかばったのかどうかは分からないが、右手に激痛が走っている。
体は左側を下にして倒れこんでいた。
でも、痛いのは右手だった。

痛い。
とにかく痛いのだ。
今まで経験した事無い痛みだ。
ピクリとも動かせない。
これはやっちまったか?と思った。
時間も時間なので病院なんてやっていない。
携帯で病院を探した。
左手だけで懸命に探した。
あった。
市立病院の救急外来が夜間もやっているようだ。
藁をもすがる気持ちで電話した。
すぐに来て下さいとのありがたい言葉をいただいた。

しかし、運転が出来ない。
普通、車は両手で運転するものだ。
どうしたもんかと考えたが、そこは気合と根性。
ゆとり世代でなくて良かったと思った。

病院はガラーンとしていた。
待合い室に数人待っていた。
皆大変そうな人達だった。

俺を診てくれたのは女医だった。
おそらく笑うとかわいいんだろうなとは思ったが、凄いサバサバしている。
大変な仕事だ。
そにこ笑は要らない。
そんな状況が彼女をそうさせたんだろう。

そして記念写真をすぐに撮った。
いわゆる「レントゲン」だ。
「あ、折れてますね。骨折です。」
さらっと言われたが、俺の頭の中ではディレイが掛かって聞こえた。
結構なロングディレイだった。

仮の固定をし、翌日CTを撮る流れになってしまった。
もちろん職場に報告もした。
申し訳ない。
完全なる俺の不注意です。

翌日のCTで2箇所折れている事が判明した。
手首と甲。
ズレてはいないので固定で直す事になった。
「この後は最寄の整形外科に通う事になりますけど、ギプス今巻きます?」と女医が言う。
俺はどこで巻こうが構わないのだが、ちょっと女医に甘えてみた。
少し面倒そうに看護師さんに「ギプス巻きまーす」と女医は言う。
でも、巻き方は凄い丁寧だった。
ツンデレだった。



日常生活。
出来ない事、もたつく事が非常に多い。
一番苛立つのは字を書かなければいけない時。
当然左手で書く事になるのだが、当たり前に掛ける訳がない。
ミミズの這ったような字になる。
そして、書いてる自分が読めない。
他人なんかなおさら読めないだろう。
もはや書く必要が無いようにも思ってくる。

そして、痒み。
なるべく蒸れないようにしているつもりだ。
しかし、寝ていると痒みで目が覚める。
俺の枕元には割り箸が置いてある。
それを突っ込んでかく。
そんな深夜2時が何日か続いている。

全治1ヶ月。
ただ、経験者に聞くとその後のリハビリのが大変らしい。
ま、がんばるしかないのだが。

またドラムを叩きたい。
また楽器を弾いて宅録をしたい。
またMTBに乗りたい。
天気の良い休みの日。
何も出来ずにボーッと過ごしている。

最高な後厄は残りあと半年。