異文化交流クイズ、ジャポニズムシリーズ第9回。今回は「ティファニー」関連からの出題です。
前述の通り、1890年代を通して盛りあがった新しい総合的な装飾様式への願望は、90年代末にフランスでアール・ヌーヴォーとして花開くわけですが、この動きは1890年頃から1910年頃にかけて欧米で広く見られ、ドイツやオーストリアではユーゲント・シュティール、イギリスではグラスゴー・スタイル、アメリカではティファニー・スタイルとして花開きます。
これらは今日ではいずれも広義の意味のアール・ヌーヴォーと考えられています。
アメリカでのジャポニズムの具体的な呼ばれ方としては「ジャパネスク・スタイル(日本風様式)」が挙げられます。
これは日本から輸入した美術品、特に陶磁器を、欧米で発達していた銀細工の技術で模倣し、新たな装飾技術の様式として確立したものですが、このスタイルを普及させたのがティファニー商会でした。
ティファニー商会は1837年、NYのダウンンタウンで元々東洋美術の骨董品を扱う店として創業されたのですが、正札による定価販売、カタログ通信販売、そして大量のダイヤ・宝石の買い付けなど、新たな商法を生み出し、勃興しつつあったブルジョワジーと中産階級の女性を購買層としてがっちりゲット。僅か十数年でアメリカ国内屈指の宝飾・銀細工店へと成長します。
更にティファニーの価値を高めたのは、銀器のデザインにジャパネスクスタイルをはじめとする絵画的で、高度な装飾の技巧を凝らし、その92.5%以上の銀含有率を「純銀」と謳う高い基準によってブランドイメージを高めることでした。
そしてティファニーの製品の芸術的価値を決定づけたのが、またもや万博ということになります。
1876年に開催されたフィラデルフィア万博はアメリカ独立百周年を記念した壮大なものでしたが、この万博がアメリカで初めて日本美術が本格的に紹介されるきっかけとなります。明治政府の並々ならぬ意気込みで、日本美術品が溢れかえったこの万博で、ティファニーはプラチナのバネの上に固定された六百以上のダイヤモンドによる「ピーッコク・フェザー」と呼ばれる髪飾りなど、ダイヤモンドによる宝飾を主に出展しています。
これらの文様とイメージも異国情調と繊細な技巧溢れるジャパネスク的なものでしたが、更にその次回の1878年のパリ万博になるとその傾向は顕著となります。
この万博でティファニー商会は、フィラデルフィア万博で出展された日本美術品に更にインスパイアされた(笑)、ジャパネスクタイルの銀器セットを出品して見事に賞を受賞。
この受賞と栄誉によってティファニーはヴィクトリア女王とドイツ皇帝、エジプト総督からの注文を獲得し、高級メーカーとしての世界的名声を確立します。
……そういう「ティファニー商会」の歴史的経緯を知ると、直接は関係ないとは云え「ティファニーで朝食を」の日系人の描写は酷すぎるのですが、当時のアメリカ人がティファニー商会の商品の歴史的経緯など知るはずもなく。
さて、ここで今回のクエスチョン。ティファニーの勃興期と丁度重なる、南北戦争後の復興と産業化、資本主義の発達と富裕層が登場したこの時代を、アメリカ史では俗に「○○○時代」と呼びますが『ある色』を含む、この『○○○』に当てはまる三文字(もしくは『○○○○時代』とも云いますが)は一体なんでしょう?
前述の通り、1890年代を通して盛りあがった新しい総合的な装飾様式への願望は、90年代末にフランスでアール・ヌーヴォーとして花開くわけですが、この動きは1890年頃から1910年頃にかけて欧米で広く見られ、ドイツやオーストリアではユーゲント・シュティール、イギリスではグラスゴー・スタイル、アメリカではティファニー・スタイルとして花開きます。
これらは今日ではいずれも広義の意味のアール・ヌーヴォーと考えられています。
アメリカでのジャポニズムの具体的な呼ばれ方としては「ジャパネスク・スタイル(日本風様式)」が挙げられます。
これは日本から輸入した美術品、特に陶磁器を、欧米で発達していた銀細工の技術で模倣し、新たな装飾技術の様式として確立したものですが、このスタイルを普及させたのがティファニー商会でした。
ティファニー商会は1837年、NYのダウンンタウンで元々東洋美術の骨董品を扱う店として創業されたのですが、正札による定価販売、カタログ通信販売、そして大量のダイヤ・宝石の買い付けなど、新たな商法を生み出し、勃興しつつあったブルジョワジーと中産階級の女性を購買層としてがっちりゲット。僅か十数年でアメリカ国内屈指の宝飾・銀細工店へと成長します。
更にティファニーの価値を高めたのは、銀器のデザインにジャパネスクスタイルをはじめとする絵画的で、高度な装飾の技巧を凝らし、その92.5%以上の銀含有率を「純銀」と謳う高い基準によってブランドイメージを高めることでした。
そしてティファニーの製品の芸術的価値を決定づけたのが、またもや万博ということになります。
1876年に開催されたフィラデルフィア万博はアメリカ独立百周年を記念した壮大なものでしたが、この万博がアメリカで初めて日本美術が本格的に紹介されるきっかけとなります。明治政府の並々ならぬ意気込みで、日本美術品が溢れかえったこの万博で、ティファニーはプラチナのバネの上に固定された六百以上のダイヤモンドによる「ピーッコク・フェザー」と呼ばれる髪飾りなど、ダイヤモンドによる宝飾を主に出展しています。
これらの文様とイメージも異国情調と繊細な技巧溢れるジャパネスク的なものでしたが、更にその次回の1878年のパリ万博になるとその傾向は顕著となります。
この万博でティファニー商会は、フィラデルフィア万博で出展された日本美術品に更にインスパイアされた(笑)、ジャパネスクタイルの銀器セットを出品して見事に賞を受賞。
この受賞と栄誉によってティファニーはヴィクトリア女王とドイツ皇帝、エジプト総督からの注文を獲得し、高級メーカーとしての世界的名声を確立します。
……そういう「ティファニー商会」の歴史的経緯を知ると、直接は関係ないとは云え「ティファニーで朝食を」の日系人の描写は酷すぎるのですが、当時のアメリカ人がティファニー商会の商品の歴史的経緯など知るはずもなく。
さて、ここで今回のクエスチョン。ティファニーの勃興期と丁度重なる、南北戦争後の復興と産業化、資本主義の発達と富裕層が登場したこの時代を、アメリカ史では俗に「○○○時代」と呼びますが『ある色』を含む、この『○○○』に当てはまる三文字(もしくは『○○○○時代』とも云いますが)は一体なんでしょう?