この写真は、寝室の照明の事例です。約4帖半の部屋です。
本を読む事が多いご夫婦なので、読書灯として (白熱電球60W相当の) LEDのスポットライトを付けました。
全体照明として天井にペンダントライトが付けられるようにしていました。
しかし・・・ 住み始めて
「ペンダントつけてないんです。」と施主に言われました。
スポットライトだけで十分なのだそうです。
白熱灯が主流だった時代・・・(そう遠く昔の話しではないですね。。)
6帖の部屋なら 白熱灯60W を基準にしていました。
必要に応じて”スタンド”などで補えば「十分」、と思っていました。
ですから、スポットライトとはいえ、60W(相当)が2台あるので、
約4帖半の部屋なら、十分な明るさ ・・・・ とも言えます。
とは思いつつ、あくまで「読書用」と考えていたので、「他に必要だろうな~」と思っていたのですが。。
照明の・・・ 光の加減って 難しいです。
しかも現在は LED を使います。白熱灯との光の質や広がり方が違い、まだ”感覚的”に使えていません。
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「あまり明る過ぎるのが苦手なんです。」
最初からそう言われる施主が少なくありません。
私もそう思うので、その言葉を聞くとうれしいです。
反面・・・
” 暗すぎず、明るすぎず ” の照明の計画をするのが難しくなります。
高度成長期から、日本が豊になり、その象徴として
蛍光灯で部屋の隅々まで明るくなる事が 『豊かさの表現』でした。
その結果、日本の家から 『陰影』 がなくなってしまいました。
「明るい!」というのは、ある意味『中毒性』があると思います。
料理で、『しょっぱい』味も、中毒性があります。
気をつけないと「もっと」欲しくなります。
『明るさ』もそれと同じです。
「もっと明るく・・・」と。
そこそこの『明るさ』だと 『影』 を感じる事ができます。
『影』があるという事は、『物の形』 を感じるという事です。
立体的に感じるのです。
『感じる』という事は 『感性』になります。
『明るさ』を増やすと、部屋の隅々まで照らされ
影が薄くなり、部屋全体が平たんに見えていきます。
(ただ)明るいほうがいい・・・
だから でかい照明器具を ぼん! と天井につければ
それで済んでしまいます。
住み人の『感性』はもちろん、、、作る(設計する)側の『感性』も衰えます。
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明るくて文句言われる事は、そんなにないと思います。
ですから、
天井付けの”シーリング”の大きな器具を選べばいいので、楽です。
もはやそこには
光を設計する ・・ つまり、暮しの味わいを考えるという意識はありません。
わたしは・・・照明を考えるのに
実際にペンダントランプをさげて、位置を変えたり、ランプを取り変えたり、家のあちこちで”想定”して考えてみたりして、考えています。
時間掛ります。
カタログからポンポンと器具選んで済ませるなら どれだけ楽か と思います。
そうゆう発想でできているカタログですから、照明のカタログからちょうどいい器具を探す事にものすごく労力が掛ります。
気に入っていた器具は、どんどんなくなります。毎回ゼロスタートです。カタログみるのが辛いです。。
写真の家は、築20年の家をリノベーションした家です。
その家は、建築家が設計した家で、”オンリーワンの家”でした。
でも、その”オンリーワン性”により、家族の暮し方の変化に対応できなくなってしまいました。
「たいして変えられないのだろう。。」と思っていた施主が
「発想が自由になった!」と、喜んでいただきました。
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石神井公園の家(R)の施主が「リフォームでどう変化するのか想像できなかった」のは”オンリーワン”の家に住んでいたからかもしれません。
でも、一般の家でも、やはり住んでいる人にとっては、どう変える事ができるのかを想像する事は、なかなか難しい事です。
実例を使い、「 この家が こんなふうに変わった 」という事を、平面図と写真で詳しく解説したものがあります。
もし、今リフォームをお考えで悩んでいるとしたら、お役に立てると思います。
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