学校の先輩や後輩との食事会の席上で、全員60歳以上になったお祝いに時間的に余裕ができた事だし、海外旅行をしようと話が弾んだ。
まだ行ったことがなく興味ある場所として、アンコールワットが話題に上がった。
いろいろな旅行社からアンコールワットツアーのパンフレットが出ており、その熱の高さが伺える。そのツアーの一つに、沖縄に本社があるジャンボツアーが建てたカンボジアの学校を訪れて、素朴なカンボジア人とのふれあうことができることをキャチフレーズに企画されたコースに、私は、大いに興味を持ち、半年以上先のことだが、早速申し込んだ。
カンボジアは、11月から乾季になるということで2012年11月8日から11月12日の「感動体験!世界遺産アンコールワット5日間」コースにしたにした。ツアーは、我々の参加者6名を含めて18名になった。
シェムリアップ空港に着いた。あたり一面暗く、空港とは思えない。そして、じわじわ汗が噴き出してきた。早速、羽織っていた上着をスーツケースに仕舞い込んだ。私たちは、ビザ申請するために、暑い真夏の日にわざわざ在名古屋カンボジア王国名誉領事館に出向いたが、シェムリアップ空港内でもビザの申請が可能だった。事前にすることは、団体旅行を円滑にするために、しょうがないのかも知れない。
バスに乗るときに、着飾った現地の娘さん、いやひょっとするとミス・アンコールワットかもしれない?
その人に、花のレイを首にかけてもらった。とても、あまいいい香りがして爽快な気分なった。後でガイドさんが、小さな白い花はジャスミンの花であると聞かされ、方向音痴じゃなく芳香音痴な私でも、その説明に納得した。
ホテルに向かう途中、ふたりづれの方がグレードアップしたホテルで降りた。まばゆいばかりに輝く黄金色の照明のロビーが、バスのガラス越しに見えた。さすがグレードアップ!
市街地を通り過ぎたあたりから、スピードを落としてホテルを探している様子であった。ガイドさんは、携帯でやり取りをしていた。バスをUターンさせて探し当てた。どうもこのホテルは、あまり知られていないようであった。メインロードに位置するが、駐車場、ホテルの照明は暗く、廃墟ホテルのようである。やな予感がよぎった。
エレベーターの音声案内が中国語であった。なおさら胸騒ぎがする。