ふっと立ち寄った韓国レストランで、ひとめで不思議な魅力を感じた少女に出会った。彼女は、シルクロードのテレビ番組でみた少女のように、ほっぺを赤くし澄んだ目をしていて、どことなく異国情緒を漂わせていた。
子供の頃、12枚用のフィルムで24枚の写真が撮れるハーフサイズカメラの時代に、私は、垣根の前で鼻をたらしながら人差し指をしゃっぶている姿の写真があった事を思い出した。その写真はいつのまにかアルバムからはずされていた。彼女をみていると、その当時のことが思い出される。
彼女は、日本に来て間もないためなのか、レストランのママさんを介して話が通じた。その内容は、おじいさんが中国人で、韓国語と中国語が話せると言う。自分の名前を漢字で書いてもらったら達筆なことに驚いた。今は日本語学校に通っているが、将来は大学に進みたいと話した。生活するためにうどん屋など深夜アルバイトをして、睡眠時間は毎日数時間と言う。志をもって来日して挫折する人が多いと聞く。ぜひともがんばっていただきたい。
帰り際、握手した手のひらがカサカサであったことが印象に残った。