<ここまでの話>
「<第1話> から <第18話>までのリンク」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/0c1bc537b38adc5f8fc525ed33e7a750
「<第19話>10バンチコロニー・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/87f8316d9259230698040d84e13931c3
「<第20-1話>暇つぶし?(1)」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/578eeda53d49986d0545f48c80e78a4e
「<第20-2話>暇つぶし?(2)」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/709f110e3247be7fbe6b5a8e65330100
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ビジー軍曹の話が始まった・・
「・・・ はっ! ワサビィ大尉から送られた、10バンチコロニーの
1週間の発電量と消費量から言えることだけを伝えます、
10バンチコロニーには、現在小隊編成の宇宙戦闘隊が駐留すると
判断されます。」
「・・・ ワサビィ大尉・・ 聞こえたかしら? 小隊編成らしいわよ・・」
「・・・ 続けます・・
我、グリフィンの使用電力を100とした場合、3日前までは約 3.5倍の電力が使用
されていましたが、3日前からは急激に激減し、現在20程度の電力消費しか記録
されていません。この電力ではグリフィンの場合、ジムを2.5機運用する程度に
なります。」
「ワサビィだ・・ ジム2.5機分ということだが・・ 写真にあるような宇宙戦闘機だと、
何機ぐらいになるか解るのか?」
「・・・ そうですね・・ 使用される電力はメンテナンスなどですから、宇宙戦闘機だと
ジム1機で1.5機から2機でしょうか・・」
「そうなると・・ 4機から5機か・・ 戦闘機だと5機編成だな・・
一個小隊と考えてまちがいなさそうだな・・」
「・・・ たいちょぉ! ビンゴっすね!」
「おう!中尉! ビンゴだな♪
で・・ビジー軍曹に・・質問なのだが?・・
3日前までの電力消費から考えると・・ その規模はどれぐらいと想定すべきか
わかるか?」
「・・・ 大尉・・ これも推測の域をでないのでありますが・・
戦闘艦2隻と輸送艦1隻などのような、船舶が3隻に、
モビルスーツが8~9体でしょうか・・ 3個小隊・・
つまり中隊規模となります。
あっ・・これは評価になりますので、参考値としてください。
責任は取れません!」
「ああ・・ 良いんだ・・ 大体でも解れば・・という軽い気持ちだったが、素晴らしい!
良くここまで数字を分析してくれた・・
それで・・ 可能性なんだが・・ 現時点で10バンチにザクなどのモビルスーツは
存在するだろうか? これは感であっても良い、参考にするだけなので、・・」
「・・・ 難しいですね・・ 無いように思えるのですが・・
まぁ・・ あっても1機というところでしょうか?」
「そうか・・ ありがとう、現時点での戦力をMAXで考えてると、
MS1機、戦闘機5機程度・・ それ以下であると推定されるのだな・・
ただ・・ 艦船3隻程度が母港にしている可能性もある・・と言うことか・・」
「・・・ ワサビィ・・こいつは例の艦隊の母港では無いな・・」
「ん? マスミン大尉・・ それはなぜ?」
「・・・ 簡単な事だ・・ 前の艦隊が母港にしているのなら・・
前回の戦闘で副長が放ったミサイルがパプア級にヒットしている・・
であるなら・・ ここにパプアが居るはずだ・・
しかし、あの戦闘の後に、この10バンチに艦船が寄港した形跡が無い・・」
「なるほど・・ さすが参謀殿♪ であれば・・・
よほどの事が無い限り、援護の支援艦隊は来ないと考えても良い・・という事ですか・・
戦闘のリスクがかなり低下しましたね・・
では・・ 艦長・・ やりましょうか?」
「・・・ そうね・・ これは戦争なんだから、リスクが無い訳ではないけど・・
でも、そのリスクはかなり低いと考えられるわね
ただ、時間をかけてぐずぐずするのは、性に合わないわ!
やるなら、一気に行くわよ!
大尉! コロニー乗っ取り作戦の詳細のプランを検討しましょう。
至急、グリフィンに戻ってくださる?」
「イエス!マム! 一旦帰ります・・
ヒロ中尉、悪いがリン少尉とミィ少尉と3機は、このままここで待機だ
小隊の指揮権はヒロ中尉に委任する・・ 緊急時は中尉の判断で行動してくれ・・
また、10バンチの動きだが、出来る範囲でよい、監視を継続だ!
チコ伍長! 一緒に一旦グリフィンに戻るぞ!・・」
「・・・ 了解っす!隊長! リン少尉、ミィ少尉・・監視は交代で行うぞ!
最初は俺が見るから、二人は休んでくれ・・ では隊長! 後で!!」
「・・・ ベリースリー ヒロ中尉・・ありがとう了解よ!」
「・・・ ミィも了解です。ちょっと休んでおきますね♪」
「じゃあ、 中尉、しばらくだが頼んだぞ!・・ サミー・・機首をグリフィンに向けてくれ、
チコ伍長・・ 護衛位置でついて来てくれ!」
「・・・ チコ、了解です!」
3機のジムコマンドを29バンチコロニーの残骸地域に残し、
2機のボールはグリフィンに向かった
「チコ伍長・・すまんなぁ・・行ったり来たりで・・」
「・・・ 大丈夫です!大尉!・・任務ですから♪・・
でも、こんな気分で宙を飛ぶのは初めてなので・・ちょっと楽しいです。」
「どういう意味なんだ?」
「・・・ ルナ2での適性検査や机上の学習を履修した後は、
実機での訓練だったのですが・・ 適正検査ばかりで・・」
「適性検査って、ボールの適正か?」
「・・・ いいえ、マニピュレ-タの操作適性が主でした・・ マニピュレータの操作に
適正が見られた訓練生は、みんな特務隊に配属され、180ミリキャノンを外した
初期型の量産ボールを愛機としてあてがわれて・・
最初は・・『いいなぁ・・先に配属になって・・』と、思い、残った自分達が
落ちこぼれの様に思えていたのです・・
ただ、私達の後の志願兵達は、パブリクとかいう、突撃艇のパイロット訓練に
なっていましたので、少しはマシかな・・と自分に言い聞かせてモチベーションを
維持していたりもしていましたが・・
結局、特務隊には入れず、残った者たちはマウイなどの巡洋艦搭載の
配属になって・・
ボールは後期型にはなりましたが・・ 隊長からは、ひよっこ、落ちこぼれ!と
毎日のように言われ・・ ちょっと落ち込んでいた事は事実で・・
でも・・、グリフィンに助けていただいて、本当に感謝しています!
おねえさん方にも色々と教えていただいて・・ ちょっと楽しくって・・」
「なるほどな・・ ただ・・前の隊長も、早く一人前にしてやろう・・と思っての行動だったと
思うのだがな・・ ただ・・ 聞いた話だが、ボールの特務隊とは工兵の事だ・・
新兵器の準備に20数隻のコロンブス級補給艦と、100機ほどのボールが必要だ・・
と聞いている
まぁ、敵前でドンパチしなくて良い・・という事もがあるが・・ それも任務だ・・
任務は選べんからな!」
「・・・ 工兵って・・そうなんですか・・ 新兵器って? どのような?」
「うん・・ 軍機だそうだ・・ これ以上は聞かんでくれ・・
ただ、でっかい虫眼鏡というか・・ 私も詳細は知らん!
知っているのはマスミン特務ぐらいだろう・・ まぁ、いずれわかるさ♪」
「・・・ そうですね・・
ところで・・ このボール3号機・・ 簡易カメラモードになっていましたが・・
カメラモードをオフにして、ハッチ窓に通電すると、ハッチ窓が透明になって、
外が見えるってご存じなかったのではないですか?」
「なにぃ? そんな機能があるのか? サミー曹長知っていたか?」
「いいえ知るわけ無いじゃないですかぁ ・・ そんな機能もあるんだ・・」
「・・・ やはりご存じなかったのですね・・ ハッチ窓を透明にしたら、外が良く見えて
楽しいですよ、特にマニピュレータの操作は、こちらの方がずっと楽ですから・・
肉眼で相手が見えるので、光学測光儀でマニュアル攻撃も可能ですし・・」
「このスイッチか?」
スイッチをオンにする、
すると、目の前のスクリーン部分が透けてきて、外がそのまま見えるようになった♪
「こいつは良いじゃないか! 状況によって使い分ければ良いのだな・・
しかし・・ 外が見えるというのは・・ 気分が良いもんだ・・ 戦闘機を思い出す・・
チコ伍長・・ 良い事を教えてくれた・・ ボールという奴が可愛くなってくるな・・」
「・・・ ハイ!♪ 良い子なんですよ・・最近私も再認識です♪
そうそう・・この子・・見た目より実際には大きいのですが・・
この球体の利点をご存知ですか?」
「ほう・・ 利点があるのか・・ この形状に・・」
「・・・ ハイ! ボールにはシールドが無いのですが・・ この球体のカーブが、実弾を
外にそらす事があるのです。 敵の実弾が当っても、45度以下の角度であれば
威力は半減以下になり、場合によっては、弾き飛ばしちゃいます・・
ビームでは実弾ほどの効果はありませんが・・
モロに喰らうよりはマシなのです。」
「なるほど、陸兵のヘルメットと同じなんだな・・
考えると、直径10メートルのボール本体が、敵弾を受けるときは5メートルの大きさに
相当する・・と言う事なんだな・・
そうか! ひょっとしたら!! 昨日リックドムと戦った時にバズーカを受けたが・・
思った以上の損害ではなかった・・ あれは・・ ひょっとしたら・・」
「・・・ そうですね・・ 直前に大尉が回避行動を取られたようです・・
それで直撃ではなく軸線を外された・・ のですが・・ 散弾であったため、数発が
当っちゃったのですが・・ 散弾の7割以上は斜めの斜面に当っていますので、
弾き飛ばした・・のではないか?と私は推測していました・・」
「どうなのだ? サミー・・」
「そういえば・・
斜面部分の弾痕は単に凹んでいるだけに見える個所が多かったですね・・」
「そうなのかぁ・・ 何気ない形状なのだが、そういう利点もあったのか・・」
「・・・ まぁ、元は民間の作業ポッドの改良でしたが、武器にしたとき、そのような効果が
あることが判明しただけで、設計者の思いでこのような形状になったわけでは
ないのですが・・ でも・・ 本当に良い子でしょう?」
「ああ・・ チコ伍長と同じでボールは良い子だ!
さすがチコ伍長の素敵なパートナーだな!」
「・・・ ハイ!♪」
と、他愛の無い話をしながら、ボールはグリフィンのカーゴデッキに取り付き着艦した。
「サミー!すまんがボールを2機とも大至急整備しておいてくれ! チコ!行くぞ!」
すぐにコントロールルームに向かう・・
コントロールルームに入ると、オーリン曹長が声をかけてきた!
「あっ・・ ワサビィ・・ 先ほどヒロ中尉から伝言が入ったわよ!」
「敵が動いたのか?! 内容はなんだ!?」
「いえ・・ 作戦名は『サンダーボール作戦』で行きましょう♪・・とか・・??」
そうか・・作戦名か・・ 中尉は忘れてなかったのだな・・
しかし、前世紀の映画の題名のような名前だが・・ うん・・ 良い名だ!
「よし、その名を採用する! とヒロ中尉に返信しておいてくれ!」
「了解!」
「で・・ 艦長は?」
「作戦室でお待ちです、すぐに来るように・・と!」
「そうか・・ ありがとう・・ チコ伍長・・一緒にきてくれ・・
オーリンも クマ軍曹を連れて、作戦室に来てくれ!
あっ・・ ユカ少尉には、スクランブル待機の継続を伝えてくれ! 頼む!」
「ワサビィ・・ 了解だ! ユカ少尉には現状を伝え、クマを連れてすぐに行く・・」
「ああ・・ 頼む・・」
チコ伍長と一緒に作戦室に入った・・
中には艦長のマメハ大佐と参謀のマスミン特務大尉が待っていた・・
「なんだ・・ 伍長も連れてきたのか? ということは具体的なプランがあるのだな?」
「まだ詳細までは決めていないが、大枠は決めた・・ 作戦名は『サンダーボール』だ!
ボール2機で囮になる・・」
「なんだとぉ!」
マスミン特務大尉の顔つきが変わった・・
「おい!また囮作戦か? リスクは高くないか?
2機と言ったがパイロットは伍長とあとは誰だ?
まさかまた貴様が出ると言うのでは?」
「マスミン大尉・・ とりあえず、ワサビィ大尉の計画を聞きましょう・・
それから問題点を整理しましょうね・・」
「か・・艦長・・ 解っています・・
しかしですね・・ またワサビィが・・勝手なことを!・・」
「後で、オーリン曹長とクマ軍曹も呼んでいます・・ 総力をあげて、一気にケリを付けます
良いですよね・・ 彼らも戦力として使います。許可を!」
「この前に言ったように、いずれ辞令も届くと思うが・・、緊急時だ先行許可しよう!」
「あらあら? いつお話ししたのかしら?♪ まぁそれは良いとして・・
大尉・・続けてくださる♪」
「先に、搭乗割を決めておきます。
ジムコマンド212、213、214の3機はヒロ中尉、リン少尉、ミィ少尉のまま、
コマンド211は現在、ユカ少尉がスクランブルスタンバイしていますが、
ジム2号機に搭乗し、クマ軍曹のジム3号機とペアを組みます。
尚、グリフィンをもぬけの空にする訳にはいきません。
オーリン曹長をジムコマンド211で待機させます。
となると、ボール2号機が私、3号機がチコ伍長となります。」
「オーリン以下、1名! 入ります!」
「あっ・・ オーリン曹長とクマ軍曹が来たようです・・
2人とも、中に入って話を聞いてくれ・・
クマ軍曹はジムで出撃、
装備はB装備のバズーカで、ユカ少尉と同じ行動を取ってもらう・・
オーリン曹長はしんがりだ・・ ジムコマンドを1機グリフィンに残す・・ 何かあったら
死守してくれ・・ エマージャンシー待機をお願いする。」
「・・・ クロヒッツです・・ ヒロ中尉から連絡が入っています・・繋ぎましょうか?」
「ええ・・ 回線を繋いでくださる・・」
「・・・ グリフィンからベリーツーへ・・ 作戦室と繋ぐわね・・そのままお話して・・」
「・・・ 副長!ありがとうございます・・ 聞こえますか? ヒロです・・
宇宙港のハッチが開き・・ ガトル3機が出てきました・・
サイドの中心方向に飛んでいきましたが・・ ミィ少尉の話では・・
観光コロニーのテキサスが中心部付近にあり、今だコロニーは生きているらしい
との話です・・・ そちらも調べますか?」
「ワサビィだ・・ いや・・ そのままその場で待機して監視を継続してくれ・・
それから・・ 作戦開始までまだ数時間と考えている・・
その場で待機できるか? それとも、一旦戻るか? そちらで判断してくれ・・」
「・・・ りょぉ~かい! また連絡します! 以上です・・」
「敵のガトルがコロニーに帰ってきた段階で作戦開始とします・・
外に居られると厄介ですから・・
では、サンダーボール作戦の内容を説明します・・ いいですか・・
目的は宇宙港を無傷で確保する事です。
次に、できるだけ迅速に、できれば無血で勝利を収める事・・
圧倒的な戦力差を見せ付け、作戦を終了させます・・
では・・ 各自の役割りを説明します・・・」
・・・ サンダーボール作戦の内容に付いて、話を始めた・・
話をしているうちに、具体性が見えてくる・・・
問題点を洗いだし、その回避策が提示され、
実現可能性が見えた事で会議は終了した
全員が準備のための配置に付き、準備が開始された
先行して、B装備(バズーカ)を換装したジム2機(ユカ少尉とクマ軍曹)を、
スラスターを使用せずに、カタパルトで射出する・・
ターチン軍曹のカタパルト射出の精度は、折り紙付きだ・・
10バンチコロニーとは全くあさっての方向なのだが・・
2機のジムは宇宙の闇に消えていった
ジムコマンドのヒロ中尉ら3機は、結局その場で待機を続けていた・・
その、ヒロ中尉から、待望の報告が届く・・ジオンのガトル3機が帰還した!
艦内に艦長の声が響く!
「サンダーボール作戦・・ 開始します!」 グリフィンの艦内が緊張に包まれた・・
<第22話>サンダーボール作戦!http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3507286239e3c2ee3743c8a05ee21640に続く・・・
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(2007/10/25 21:08)