<ここまでの話>
【第1部】
「<第1話> から <第24話>までのリンク」
【第2部】
「<第25話>子にゃんこ」
「<第26話>緊急信号!」
「<第27話>チーム戦!」
「<第28話>ジャジャ馬」
「<第29話>一撃離脱・・」
「<第30話>帰艦・・」
「<第31話>ソロモンへの足音」
「<第32話>小隊長・・」
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サイド6リボーコロニーをジオン軍のモビルスーツが強襲したとの緊急通信・・
「だから・・ サイド6は危ないんだよ!
戦争が終わるまで中立を維持すれば良いのに・・ バッカじゃない!」
「いや・・ リボーだろ? 狙いはガンダムの新型(NT-1)だよ・・
先週も襲われたじゃないか・・」(第3話参照)
「モビルスーツ1機で、そんな損害が出たってか?
この前もコロニー内でMS戦があったばかりじゃん!」
「どうして、中に入られたんだ? 駐留軍は何してんだ?」
「安全保障条約って、政治かよぉ・・ 政治と戦争は違うのにさ・・」
「ひょっとして、私たちも掃討作成に入るの?」
「艦ちょ・・ いや戦隊長! どうなんですか!」
「ハイハイ! 口々に言わないの! 静かにしてね
ちょっと情報を確認してくるから、このまま待機してて・・ いいわね!
タゴ! マスミン! ついてきて! 副長もね・・」
マメハ戦隊長など5人が部屋を後にする・・
室内がざわめく中、また雑談が始まっていた・・ そんな中・・
「あっ! 教ぉ官ぁ~ん!」と後ろでミィ少尉のすっとんきょうな声が響いた・・
「お久しぶりです! 教官殿!」とユカ少尉も、ある男に敬礼をしている
「おいおい・・敬礼は不要だろぉ・・
今は貴様らの方が上官だ、固くならんでも良いぞ♪」
「戦闘中は失礼をしました! 通信でお名前をお聞きした時には、
全く教官殿とは気が付かず・・ 今、気が付き、申し訳ありませんっ!」
「まぁ・・ 戦闘中などはそういうものだ・・
しかし、出来るようになったな! 偉いぞ!♪」
「はっ! ありがとうございます!」
「って・・もう・・ だから、貴様達が上官だ!って言っているだろ♪」
笑っている男がこちらを向き、敬礼をした・・
「ワサビィ大尉! ヤーク軍曹です♪」
「おお! あの時のジムのパイロットか!
出来る奴だとは感じたが、教官だったのか?」
「やっぱりね、今回の作戦は総力戦ですから、教官やってるより戦場に・・と
配置換え申請を出し・・
まぁ・・ 最新型はもらえませんでしたが、ジムで十分ですよ♪
というより、こんな風に、偶然にも教え子達と一緒に戦えることが、
本当にうれしく感じています・・」
「いや・・ 教官クラスのメンバー加入とは、これは心強い! こちらこそだ!」
「と♪・・ 話は済みましたか?」と、クマ軍曹が顔をだす・・
「おお! クマじゃねえか!」
「ヤーク♪ てめぇ!ルナ2で、ガキ相手にチィチィパッパしてたんじゃあ・・」
「だから、今、言っただろ! 俺も一緒に戦わせろてさ♪」
「そうか!そうか!こりゃ楽しくなるぜ! わっはっはっ・・」
「あのぉ・・ そこで馬鹿笑いしているクマちゃん・・
そのチィチィパッパの相手の『ガキんちょ』が私なんだけど・・」
「あっ! いや・・失礼しました少尉! っていうか・・ こいつは・・
だって・・ ああああ上下関係がややこしいです かんべんしてください」
「あはっ ねぇユカちゃん クマちゃんたら困っちゃって可愛い♪
て、ゆーかぁ・・ ユカちゃん隊長さんでしょ? 教官殿が部下になったら・・
やりにくいね♪ まぁ、クマちゃんはもう下僕だけど♪」
「ミィ・・ 駄目・・ 言っちゃだめ・・ そんなの無理だよぉ」
「ん? 何が無理だ? 俺が嫌いなのか?」
「そんな事はありません教官殿!・・ って しみついちゃってるよぉ・・♪」
「まぁ、この荒くれクマ軍曹を、手なずけているようだから、大丈夫♪
ところで大尉!・・ ウーミン伍長とは面識がおありだったのですか?」
「そうそう! それをずっと聞いているのに、ごまかしてばかり!
なんなのよ隊長! あの子は!」
「おーい! 伍長! こっちへこい!」
と、ヤーク軍曹が呼ぶ・・
後方でチコ伍長と話していたウーミン伍長が返事をし、こちらに流れてきた
「おい! 伍長! こちらの少尉さんが、貴様と大尉殿との仲を不審に
思われているようだ・・ 説明しろ♪」
「えっ? 少尉さん? って?」
「べ・・ 別に、隊長の事を不審に思っているわけじゃ無いわよ!
ただ・・ ただね、 みんなが変に思ってないかなぁ・・って・・」
「ああ!! その声! あの時の少尉さんですね♪ 妬いてるんだ♪ かわいい!」
「や・・ 妬いてなんか無いわよ! あなた!上官侮辱罪でぶち込むわよ!!」
「おいおい・・ リン・・ 上官侮辱罪って・・」
「うるさい! 隊長は黙ってて!!」
「ほら! リンちゃん少尉さんも『上官侮辱罪』ですよね♪
でも、私、リン少尉のおねえちゃん、なんか好き!
おねえちゃんって呼んで良いですか?♪」
「えっ・・ 何よ・・ この子・・」
「おねえちゃん!ですよね? リン少尉のおねえちゃん♪」
「なっ! 俺がこいつをここに呼んだのは、こう言う事さ!
こいつの口癖! みんな『おにいちゃん』や『おねえちゃん』さ♪
だから、大尉殿をおにいちゃんと呼んでも、俺には違和感は無い!」
「リン・・ ということだ、私とウーミン伍長は同郷だ・・
こいつが小さな時からの知り合いでな
所属してたサークルには、沢山の人がいる・・ 小さかったウーミンは
みんながおにいちゃんでな・・ 識別するために、前に名前を付けたって訳だ
だから私は『わちゃびのおにいちゃん』だ・・」
「なんか、良く解らないけど・・ 幼馴染の近所の子・・って感じなのかしら・・」
「ああ・・ そういう奴だ♪」
「そうそう! わちゃびのおにいちゃん!!
聞いて聞いて! 今日はビックリしているの!
チコちゃんとは曹候補生で一緒だったんだけど、マウイがやられたって聞いて・・
でも! ここに居て!ビックリなの!!」
「そうか! チコちゃんと知り合いか! この前の作戦では大活躍だったんだぞ!
なぁ! キャサリン♪」
「もう・・ 隊長ぉ・・ その名前は・・ 」
「そうっすよ! チコ伍長! キャサリンちゃんになったら人が変わっちゃってぇ
あっ! ウーミンちゃん♪ オレ、今度新しく隊長になりました、ヒロ中尉で~す
今度、ウーミンちゃんの知り合いとかさぁ・・ 集めて合コンしようぜ!」
「中尉!! またぁ! ドサクサにまぎれて何を言っているのよ!」
「ほらほら! それだよ!、だからウーミン伍長が、妬いてるの?って言うんだよ~
リンちゃん学習しなくっち・・・ 痛ってぇ・・!! また、お尻をつねるぅ!」
「で、ヤーク軍曹・・ 先ほど、この素晴らしい嗅覚の中尉が見つけたのだが・・
最後尾に座っているウェーブは・・ 何か知っているか?」
「ん? どちらの子ですか?」
「右の・・」
「ちゃうちゃう! たいちょうぉ~ 左っすよ!」
「えっ・・ 私は、右と思ったぞ・・」
「じゃ♪・・ 隊長は右で、オレは左って
痛ってぇ・! て・・ もうまたぁ、お尻が壊れちゃうよぉ・・」
部屋中がドッと沸いたそんな時、
ドアが開いて戦隊長たちが部屋に戻ってきた・・ マスミン大尉が手をたたく・・
「ハイハイハイ! そこ! おしゃべりは止めて席について!
戦隊長、お願いします・・」
「中座してごめんなさい・・ 先ほどの緊急通信だけど・・
我が21独立戦隊も、期限付きで掃海任務に付く事になりました・・
とは言っても、掃討作戦に出撃する戦隊が別にいるので、
あくまでも偵察任務が主になります・・ 担当はルウム近辺・・
だから、変わらないと思ってて・・ 良いわね♪
先ほどの計画通りに各自精進してね! じゃ、マスミン、人事を頼むわね」
「では、パイロットの移動、配属について、発表する・・」
と、まずは、オーリン准尉とクマ軍曹、チコ伍長の正式な移動が発表された。
しかし、今日から正式メンバーと言われてもピンとこないほど、
この3人は皆とうち解けている・・ 問題は無い!
「次に、新規配属要員だ・・」
ヤーク軍曹、ウーミン伍長に加え、アンジー少尉とドロシー軍曹が紹介された。
そう・・ 右側がドロシー軍曹で、左側がアンジー少尉・・
どちらもMSパイロットと言う事だが・・
4人追加になると・・ モビルスーツの数が少ないが・・ あれ?
ひょっとしたら中隊長って・・ MSに乗れないのか?
そんな疑問を抱いていることなどは関係なく、話はドンドン進んでいく・・
「じゃ、次は議論に入るぞ! いいな!
では、戦隊長、よろしくお願いします・・」
「まずは、異端児の機体の扱いから議論するわね・・
意見があれば、バンバン出して・・ 最善の形にしたいの
じゃ・・セイバーブースター・・ この子は「YUKIKAZE」って言うのね。
タゴサ中佐・・ どのように扱うべきか、意見をお願い♪」
「そうね・・
この子は、カタパルト発進でよりメリットを出せるのよ・・
だから・・ ヒポグリフの方がカタパルト数が多いので
ヒポグリフの配属で運用したいのだけど・・
だから、パイロット候補のワサビィ中隊長は、戦隊長や参謀と
同じ旗艦に乗艦すべきなので・・
もう1人のパイロット候補のオーリン准尉が適任ね、
だから、オーリン小隊は、ヒポグリフかしら・・」
「ちょっと待ってください、タゴサ艦長!・・
意見を出してもいいのですよね?
ちょっとあいつに乗ってみたので言いますが
私はあいつはグリフィンが良いと思うのです・・」
「どうしてなの・・ 大尉?」
「つまり・・ YUKIKAZEはミサイルより早いんです
という事は、ミサイルと同じ速度でも飛べるとも言える」
「だから?」
「ミサイルが飛んできたら・・ タゴサ艦長はどうされます?」
「それは、ミサイルのタイプが解らないから、一概には言えないけど
まずは、ミノフスキー粒子を散布して、回避行動・・
そして、アンチミサイルか、CIWS制御ガトリングで対処よね」
「そうですよね・・ MSでの迎撃は敵ジオンも考えない・・
まぁ、前面にMS隊を展開していれば話は別ですが・・」
「時と場合にはよるわね・・」
「ミサイルってのは、戦火の口火で発射する事が多い・・
つまり、ミサイル発射と同時にYUKIKAZEを発進させ、同じ速度で
敵艦隊に向かうと・・ どうなる?」
「なるほど・・♪ YUKIKAZEをミサイルと誤認する!」
「さすが艦長! つまり。ジムで近づくと、ザクが出てくる・・
でも、ミサイルで近づくと・・ ザクは出てこない可能性が高い
一撃を食らわせて、敵の隊列を混乱させ、全力で逃げる事が可能です
YUKIKAZEはミサイルが装備されているグリフィンに
配置すべきと思うのですが・・」
マメハ戦隊長が間に入る・・
「そうね・・
ただ、その作戦だと・・ また大尉一人で突出するつもり?」
「いや・・ そういう選択肢もあるって事で、
そのための手札は多いに越した事はないと思うのだが?」
「はい! 肯定ね・・ タゴサ中佐、それでいいわよね
では「YUKIKAZE」は第3小隊所属とし、属艦はグリフィンとします・・
相違ないわね?」
皆が挙手をあげる・・ YUKIKAZEの所属が決定した。
「じゃ・・ 次ね・・
小隊長を3人選出したから解るとおもうけど、小隊は3小隊体制よ
第1小隊ヒロ中尉、第2小隊ユカ少尉、第3小隊オーリン准尉
それはいいわよね・・
それで、各隊にはそれぞれの特徴を持たせたいの・・
第1小隊は白兵、対モビルスーツ(MS)戦闘を特化すること。
第2小隊は対艦、狙撃も合わせてお願いしたいの・・
そして、第3小隊はディフェンス&サポート!
臨機応変に対応してね・・」
マメハ戦隊長の話が続く・・
「具体的には、第1小隊にジムコマンドを4機
第2小隊にジムを3機、そして、タゴサ中佐のお土産が1機
第3小隊にボール3機とセイバーブースター1機
各隊4人づつと言いたいけど・・ 11人しかいないのね
だから、第3小隊は3人になっちゃうけど・・
オーリン准尉は中隊付准尉も兼務なので、他の仕事も増えちゃうから
申し訳ないのだけど・・ お願いね♪」
「ちょっと・・ 戦隊長・・ 質問があるのだが・・」
「なぁに? 大尉?」
「タゴサ艦長のお土産って、セイバーブースターではないのか?
さっき、オーリン小隊になったよな・・
確かに、セイバーブースターは対艦攻撃に向いているから
第2小隊でも良いのだが、まさか、もう一機あるのか?
いや・・ ようは・・第2小隊のお土産って、一体なんなんだ?」
「あっ・・ ちょっと口が滑っちゃったかしら・・
仕方が無いわね・・ タゴサ中佐、説明してくださる?」
「そうね・・ マメハ大佐は本当に口が軽いんだから♪
まだ、マメハ大佐以外には、言ってなかったんだけど
ヒポグリフのメンバーは、知っているわね♪
皆さんは、ジャブロー上空の軌道衛星上では、
引渡し先が無くなっちゃったMSが発生する事をご存知かしら・・
引き渡す相手の艦が、やられちゃったりすると、
行き先が無くなるって事・・
ジャブローから打ち上げられたHLVの中には、
それで困っているHLVもあるのね・・
そういう子達は、緊急通信で情報が飛び回るのだけど・・
そんな情報の中に、ビックリするようなお宝があった訳♪
すぐに、返信を返したわ! マメへの・・ いや大佐への
お土産にもなるし!
でも・・ さすがに人気在庫だけあって、一瞬の勝負ね・・
4機あったうち、1機だけ、やっと確保できたのよ♪」
「中佐どの・・ その機体って、何かを教えてほしいのですが・・」
「もう♪ せっかちよね・・ 早い男は嫌われるわよぉ♪」
「いや、商売女には喜ばれますけどね♪ って 艦長ぉ!」
「解ったわ♪・・
ジャブローでロールアウトされた、最新型のモビルスーツ
型式番号 RGM-79SP・・ 通称、ジム・スナイパーII
推力が 102,000kgって、すごいでしょ!
それに・・ R-4型ビームライフルよ!
R-4型というのは、型式番号BR-M79-L3、精密射撃専用のビームライフルで
フレーム構造がビームスプレーガンと共通ってところが、
整備面でも有効ね、ジムと一緒で良いのよ!
こいつを、ユカ少尉の愛機に!って事・・ どう? ユカ少尉?」
「ちょっとまってください! 確かに私に最新型のMSはうれしいですが・・
その機体、私よりミィ少尉に・・
今聞いた新型の特性から考えたら、その子は、ミィ以外に考えられないの・・」
「おう!そうだ! 私からも進言したい!・・ ユカ少尉には悪いが・・
狙撃センスはミィ少尉が上だ! これはすごい戦力になる!」
そこにマメハ大佐が割って入る・・
「わかったわ・・ では、ミィ少尉は第2小隊に所属・・
機体のパイロットは小隊長のユカ少尉に権限を委譲する・・
って事で良いわよね?」
「あっ! ありがとうございます!」
「やった! ユカちゃん、また一緒だよ~♪」
「うん! やったね! 新型だぞ~、ミィ! 壊さないでね♪」
「まかせてチョンマゲっ♪ 早く見たいね、新型ちゃん!」
「そうね・・ あとでみんなで見に行きましょう♪」
「はいはい・・ そこ!うるさいの! おしゃべりは止めてね♪」
「次に、そのユカ小隊(第2小隊)の所属艦だけど・・
最新型が配置になったので、ヒポグリフで決定ね・・
そうなると、ヒロ小隊はグリフィン・・ 異論は無いわね?」
「わるい・・ ちょっといいかしら?」
「なぁに・・ タゴサ中佐・・」
「第1小隊はジムコマンドが配置よね?」
「そうよ・・ さっき言ったわ・・」
「ジムコマンドの『コマンド:commando』ってのは、突撃隊員、奇襲隊員、
または、ゲリラ隊員って意味かしら?
まぁ、そのような特性を持った、モビルスーツだと認識しているの・・」
「だから何よ! はっきり言って!」
「ヒポグリフの一番の特徴は何?」
「それは・・ 軍機だけど、言ってもいいの?」
「いいわよ!」
「カタパルトを4機装備した特殊艦だけど、MS整備ブースすら持たない
MS運用艦もどき・・ かしら・・」
「あらぁ!・・ 確かにそうだわ! でもMS運用艦もどきって・・
まさか、大気圏にも入れないのに、片舷だけ重力下装備に改修した、
中途半端な艦の艦長さまに言われるとは思わなかったけど・・」
「ちょっと! あんた! 喧嘩売ってんの!」
「<第34話>結成!MS中隊!」に続く・・・
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Copyright ichigowasabi
【第1部】
「<第1話> から <第24話>までのリンク」
【第2部】
「<第25話>子にゃんこ」
「<第26話>緊急信号!」
「<第27話>チーム戦!」
「<第28話>ジャジャ馬」
「<第29話>一撃離脱・・」
「<第30話>帰艦・・」
「<第31話>ソロモンへの足音」
「<第32話>小隊長・・」
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サイド6リボーコロニーをジオン軍のモビルスーツが強襲したとの緊急通信・・
「だから・・ サイド6は危ないんだよ!
戦争が終わるまで中立を維持すれば良いのに・・ バッカじゃない!」
「いや・・ リボーだろ? 狙いはガンダムの新型(NT-1)だよ・・
先週も襲われたじゃないか・・」(第3話参照)
「モビルスーツ1機で、そんな損害が出たってか?
この前もコロニー内でMS戦があったばかりじゃん!」
「どうして、中に入られたんだ? 駐留軍は何してんだ?」
「安全保障条約って、政治かよぉ・・ 政治と戦争は違うのにさ・・」
「ひょっとして、私たちも掃討作成に入るの?」
「艦ちょ・・ いや戦隊長! どうなんですか!」
「ハイハイ! 口々に言わないの! 静かにしてね
ちょっと情報を確認してくるから、このまま待機してて・・ いいわね!
タゴ! マスミン! ついてきて! 副長もね・・」
マメハ戦隊長など5人が部屋を後にする・・
室内がざわめく中、また雑談が始まっていた・・ そんな中・・
「あっ! 教ぉ官ぁ~ん!」と後ろでミィ少尉のすっとんきょうな声が響いた・・
「お久しぶりです! 教官殿!」とユカ少尉も、ある男に敬礼をしている
「おいおい・・敬礼は不要だろぉ・・
今は貴様らの方が上官だ、固くならんでも良いぞ♪」
「戦闘中は失礼をしました! 通信でお名前をお聞きした時には、
全く教官殿とは気が付かず・・ 今、気が付き、申し訳ありませんっ!」
「まぁ・・ 戦闘中などはそういうものだ・・
しかし、出来るようになったな! 偉いぞ!♪」
「はっ! ありがとうございます!」
「って・・もう・・ だから、貴様達が上官だ!って言っているだろ♪」
笑っている男がこちらを向き、敬礼をした・・
「ワサビィ大尉! ヤーク軍曹です♪」
「おお! あの時のジムのパイロットか!
出来る奴だとは感じたが、教官だったのか?」
「やっぱりね、今回の作戦は総力戦ですから、教官やってるより戦場に・・と
配置換え申請を出し・・
まぁ・・ 最新型はもらえませんでしたが、ジムで十分ですよ♪
というより、こんな風に、偶然にも教え子達と一緒に戦えることが、
本当にうれしく感じています・・」
「いや・・ 教官クラスのメンバー加入とは、これは心強い! こちらこそだ!」
「と♪・・ 話は済みましたか?」と、クマ軍曹が顔をだす・・
「おお! クマじゃねえか!」
「ヤーク♪ てめぇ!ルナ2で、ガキ相手にチィチィパッパしてたんじゃあ・・」
「だから、今、言っただろ! 俺も一緒に戦わせろてさ♪」
「そうか!そうか!こりゃ楽しくなるぜ! わっはっはっ・・」
「あのぉ・・ そこで馬鹿笑いしているクマちゃん・・
そのチィチィパッパの相手の『ガキんちょ』が私なんだけど・・」
「あっ! いや・・失礼しました少尉! っていうか・・ こいつは・・
だって・・ ああああ上下関係がややこしいです かんべんしてください」
「あはっ ねぇユカちゃん クマちゃんたら困っちゃって可愛い♪
て、ゆーかぁ・・ ユカちゃん隊長さんでしょ? 教官殿が部下になったら・・
やりにくいね♪ まぁ、クマちゃんはもう下僕だけど♪」
「ミィ・・ 駄目・・ 言っちゃだめ・・ そんなの無理だよぉ」
「ん? 何が無理だ? 俺が嫌いなのか?」
「そんな事はありません教官殿!・・ って しみついちゃってるよぉ・・♪」
「まぁ、この荒くれクマ軍曹を、手なずけているようだから、大丈夫♪
ところで大尉!・・ ウーミン伍長とは面識がおありだったのですか?」
「そうそう! それをずっと聞いているのに、ごまかしてばかり!
なんなのよ隊長! あの子は!」
「おーい! 伍長! こっちへこい!」
と、ヤーク軍曹が呼ぶ・・
後方でチコ伍長と話していたウーミン伍長が返事をし、こちらに流れてきた
「おい! 伍長! こちらの少尉さんが、貴様と大尉殿との仲を不審に
思われているようだ・・ 説明しろ♪」
「えっ? 少尉さん? って?」
「べ・・ 別に、隊長の事を不審に思っているわけじゃ無いわよ!
ただ・・ ただね、 みんなが変に思ってないかなぁ・・って・・」
「ああ!! その声! あの時の少尉さんですね♪ 妬いてるんだ♪ かわいい!」
「や・・ 妬いてなんか無いわよ! あなた!上官侮辱罪でぶち込むわよ!!」
「おいおい・・ リン・・ 上官侮辱罪って・・」
「うるさい! 隊長は黙ってて!!」
「ほら! リンちゃん少尉さんも『上官侮辱罪』ですよね♪
でも、私、リン少尉のおねえちゃん、なんか好き!
おねえちゃんって呼んで良いですか?♪」
「えっ・・ 何よ・・ この子・・」
「おねえちゃん!ですよね? リン少尉のおねえちゃん♪」
「なっ! 俺がこいつをここに呼んだのは、こう言う事さ!
こいつの口癖! みんな『おにいちゃん』や『おねえちゃん』さ♪
だから、大尉殿をおにいちゃんと呼んでも、俺には違和感は無い!」
「リン・・ ということだ、私とウーミン伍長は同郷だ・・
こいつが小さな時からの知り合いでな
所属してたサークルには、沢山の人がいる・・ 小さかったウーミンは
みんながおにいちゃんでな・・ 識別するために、前に名前を付けたって訳だ
だから私は『わちゃびのおにいちゃん』だ・・」
「なんか、良く解らないけど・・ 幼馴染の近所の子・・って感じなのかしら・・」
「ああ・・ そういう奴だ♪」
「そうそう! わちゃびのおにいちゃん!!
聞いて聞いて! 今日はビックリしているの!
チコちゃんとは曹候補生で一緒だったんだけど、マウイがやられたって聞いて・・
でも! ここに居て!ビックリなの!!」
「そうか! チコちゃんと知り合いか! この前の作戦では大活躍だったんだぞ!
なぁ! キャサリン♪」
「もう・・ 隊長ぉ・・ その名前は・・ 」
「そうっすよ! チコ伍長! キャサリンちゃんになったら人が変わっちゃってぇ
あっ! ウーミンちゃん♪ オレ、今度新しく隊長になりました、ヒロ中尉で~す
今度、ウーミンちゃんの知り合いとかさぁ・・ 集めて合コンしようぜ!」
「中尉!! またぁ! ドサクサにまぎれて何を言っているのよ!」
「ほらほら! それだよ!、だからウーミン伍長が、妬いてるの?って言うんだよ~
リンちゃん学習しなくっち・・・ 痛ってぇ・・!! また、お尻をつねるぅ!」
「で、ヤーク軍曹・・ 先ほど、この素晴らしい嗅覚の中尉が見つけたのだが・・
最後尾に座っているウェーブは・・ 何か知っているか?」
「ん? どちらの子ですか?」
「右の・・」
「ちゃうちゃう! たいちょうぉ~ 左っすよ!」
「えっ・・ 私は、右と思ったぞ・・」
「じゃ♪・・ 隊長は右で、オレは左って
痛ってぇ・! て・・ もうまたぁ、お尻が壊れちゃうよぉ・・」
部屋中がドッと沸いたそんな時、
ドアが開いて戦隊長たちが部屋に戻ってきた・・ マスミン大尉が手をたたく・・
「ハイハイハイ! そこ! おしゃべりは止めて席について!
戦隊長、お願いします・・」
「中座してごめんなさい・・ 先ほどの緊急通信だけど・・
我が21独立戦隊も、期限付きで掃海任務に付く事になりました・・
とは言っても、掃討作戦に出撃する戦隊が別にいるので、
あくまでも偵察任務が主になります・・ 担当はルウム近辺・・
だから、変わらないと思ってて・・ 良いわね♪
先ほどの計画通りに各自精進してね! じゃ、マスミン、人事を頼むわね」
「では、パイロットの移動、配属について、発表する・・」
と、まずは、オーリン准尉とクマ軍曹、チコ伍長の正式な移動が発表された。
しかし、今日から正式メンバーと言われてもピンとこないほど、
この3人は皆とうち解けている・・ 問題は無い!
「次に、新規配属要員だ・・」
ヤーク軍曹、ウーミン伍長に加え、アンジー少尉とドロシー軍曹が紹介された。
そう・・ 右側がドロシー軍曹で、左側がアンジー少尉・・
どちらもMSパイロットと言う事だが・・
4人追加になると・・ モビルスーツの数が少ないが・・ あれ?
ひょっとしたら中隊長って・・ MSに乗れないのか?
そんな疑問を抱いていることなどは関係なく、話はドンドン進んでいく・・
「じゃ、次は議論に入るぞ! いいな!
では、戦隊長、よろしくお願いします・・」
「まずは、異端児の機体の扱いから議論するわね・・
意見があれば、バンバン出して・・ 最善の形にしたいの
じゃ・・セイバーブースター・・ この子は「YUKIKAZE」って言うのね。
タゴサ中佐・・ どのように扱うべきか、意見をお願い♪」
「そうね・・
この子は、カタパルト発進でよりメリットを出せるのよ・・
だから・・ ヒポグリフの方がカタパルト数が多いので
ヒポグリフの配属で運用したいのだけど・・
だから、パイロット候補のワサビィ中隊長は、戦隊長や参謀と
同じ旗艦に乗艦すべきなので・・
もう1人のパイロット候補のオーリン准尉が適任ね、
だから、オーリン小隊は、ヒポグリフかしら・・」
「ちょっと待ってください、タゴサ艦長!・・
意見を出してもいいのですよね?
ちょっとあいつに乗ってみたので言いますが
私はあいつはグリフィンが良いと思うのです・・」
「どうしてなの・・ 大尉?」
「つまり・・ YUKIKAZEはミサイルより早いんです
という事は、ミサイルと同じ速度でも飛べるとも言える」
「だから?」
「ミサイルが飛んできたら・・ タゴサ艦長はどうされます?」
「それは、ミサイルのタイプが解らないから、一概には言えないけど
まずは、ミノフスキー粒子を散布して、回避行動・・
そして、アンチミサイルか、CIWS制御ガトリングで対処よね」
「そうですよね・・ MSでの迎撃は敵ジオンも考えない・・
まぁ、前面にMS隊を展開していれば話は別ですが・・」
「時と場合にはよるわね・・」
「ミサイルってのは、戦火の口火で発射する事が多い・・
つまり、ミサイル発射と同時にYUKIKAZEを発進させ、同じ速度で
敵艦隊に向かうと・・ どうなる?」
「なるほど・・♪ YUKIKAZEをミサイルと誤認する!」
「さすが艦長! つまり。ジムで近づくと、ザクが出てくる・・
でも、ミサイルで近づくと・・ ザクは出てこない可能性が高い
一撃を食らわせて、敵の隊列を混乱させ、全力で逃げる事が可能です
YUKIKAZEはミサイルが装備されているグリフィンに
配置すべきと思うのですが・・」
マメハ戦隊長が間に入る・・
「そうね・・
ただ、その作戦だと・・ また大尉一人で突出するつもり?」
「いや・・ そういう選択肢もあるって事で、
そのための手札は多いに越した事はないと思うのだが?」
「はい! 肯定ね・・ タゴサ中佐、それでいいわよね
では「YUKIKAZE」は第3小隊所属とし、属艦はグリフィンとします・・
相違ないわね?」
皆が挙手をあげる・・ YUKIKAZEの所属が決定した。
「じゃ・・ 次ね・・
小隊長を3人選出したから解るとおもうけど、小隊は3小隊体制よ
第1小隊ヒロ中尉、第2小隊ユカ少尉、第3小隊オーリン准尉
それはいいわよね・・
それで、各隊にはそれぞれの特徴を持たせたいの・・
第1小隊は白兵、対モビルスーツ(MS)戦闘を特化すること。
第2小隊は対艦、狙撃も合わせてお願いしたいの・・
そして、第3小隊はディフェンス&サポート!
臨機応変に対応してね・・」
マメハ戦隊長の話が続く・・
「具体的には、第1小隊にジムコマンドを4機
第2小隊にジムを3機、そして、タゴサ中佐のお土産が1機
第3小隊にボール3機とセイバーブースター1機
各隊4人づつと言いたいけど・・ 11人しかいないのね
だから、第3小隊は3人になっちゃうけど・・
オーリン准尉は中隊付准尉も兼務なので、他の仕事も増えちゃうから
申し訳ないのだけど・・ お願いね♪」
「ちょっと・・ 戦隊長・・ 質問があるのだが・・」
「なぁに? 大尉?」
「タゴサ艦長のお土産って、セイバーブースターではないのか?
さっき、オーリン小隊になったよな・・
確かに、セイバーブースターは対艦攻撃に向いているから
第2小隊でも良いのだが、まさか、もう一機あるのか?
いや・・ ようは・・第2小隊のお土産って、一体なんなんだ?」
「あっ・・ ちょっと口が滑っちゃったかしら・・
仕方が無いわね・・ タゴサ中佐、説明してくださる?」
「そうね・・ マメハ大佐は本当に口が軽いんだから♪
まだ、マメハ大佐以外には、言ってなかったんだけど
ヒポグリフのメンバーは、知っているわね♪
皆さんは、ジャブロー上空の軌道衛星上では、
引渡し先が無くなっちゃったMSが発生する事をご存知かしら・・
引き渡す相手の艦が、やられちゃったりすると、
行き先が無くなるって事・・
ジャブローから打ち上げられたHLVの中には、
それで困っているHLVもあるのね・・
そういう子達は、緊急通信で情報が飛び回るのだけど・・
そんな情報の中に、ビックリするようなお宝があった訳♪
すぐに、返信を返したわ! マメへの・・ いや大佐への
お土産にもなるし!
でも・・ さすがに人気在庫だけあって、一瞬の勝負ね・・
4機あったうち、1機だけ、やっと確保できたのよ♪」
「中佐どの・・ その機体って、何かを教えてほしいのですが・・」
「もう♪ せっかちよね・・ 早い男は嫌われるわよぉ♪」
「いや、商売女には喜ばれますけどね♪ って 艦長ぉ!」
「解ったわ♪・・
ジャブローでロールアウトされた、最新型のモビルスーツ
型式番号 RGM-79SP・・ 通称、ジム・スナイパーII
推力が 102,000kgって、すごいでしょ!
それに・・ R-4型ビームライフルよ!
R-4型というのは、型式番号BR-M79-L3、精密射撃専用のビームライフルで
フレーム構造がビームスプレーガンと共通ってところが、
整備面でも有効ね、ジムと一緒で良いのよ!
こいつを、ユカ少尉の愛機に!って事・・ どう? ユカ少尉?」
「ちょっとまってください! 確かに私に最新型のMSはうれしいですが・・
その機体、私よりミィ少尉に・・
今聞いた新型の特性から考えたら、その子は、ミィ以外に考えられないの・・」
「おう!そうだ! 私からも進言したい!・・ ユカ少尉には悪いが・・
狙撃センスはミィ少尉が上だ! これはすごい戦力になる!」
そこにマメハ大佐が割って入る・・
「わかったわ・・ では、ミィ少尉は第2小隊に所属・・
機体のパイロットは小隊長のユカ少尉に権限を委譲する・・
って事で良いわよね?」
「あっ! ありがとうございます!」
「やった! ユカちゃん、また一緒だよ~♪」
「うん! やったね! 新型だぞ~、ミィ! 壊さないでね♪」
「まかせてチョンマゲっ♪ 早く見たいね、新型ちゃん!」
「そうね・・ あとでみんなで見に行きましょう♪」
「はいはい・・ そこ!うるさいの! おしゃべりは止めてね♪」
「次に、そのユカ小隊(第2小隊)の所属艦だけど・・
最新型が配置になったので、ヒポグリフで決定ね・・
そうなると、ヒロ小隊はグリフィン・・ 異論は無いわね?」
「わるい・・ ちょっといいかしら?」
「なぁに・・ タゴサ中佐・・」
「第1小隊はジムコマンドが配置よね?」
「そうよ・・ さっき言ったわ・・」
「ジムコマンドの『コマンド:commando』ってのは、突撃隊員、奇襲隊員、
または、ゲリラ隊員って意味かしら?
まぁ、そのような特性を持った、モビルスーツだと認識しているの・・」
「だから何よ! はっきり言って!」
「ヒポグリフの一番の特徴は何?」
「それは・・ 軍機だけど、言ってもいいの?」
「いいわよ!」
「カタパルトを4機装備した特殊艦だけど、MS整備ブースすら持たない
MS運用艦もどき・・ かしら・・」
「あらぁ!・・ 確かにそうだわ! でもMS運用艦もどきって・・
まさか、大気圏にも入れないのに、片舷だけ重力下装備に改修した、
中途半端な艦の艦長さまに言われるとは思わなかったけど・・」
「ちょっと! あんた! 喧嘩売ってんの!」
「<第34話>結成!MS中隊!」に続く・・・
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