どうも、囲碁の先生してます関です!
今週日曜日です。換気と消毒を徹底し、定員・予約制で行います。
後日、youtubeでもアップを予定しています。
まだ席は空いていますので、もしお越しになりたいかたは、
メール sekishoichi15@gmail.com や
までご連絡ください。
今回は後編!
ついに、囲碁入門書の進化した姿が明らかになります・・・!
ここから挙げる本は、以下の特徴を備えているものがほとんどで、
これらを「現代入門書」の特徴である、とまとめたいと思っています。
・初めの方で、まず囲碁のルールをしっかり示す
・「地」の説明のとき、盤上に×や△などの印がついている
・実戦例を用いた解説がある
・問題形式で、技を覚えられる
・デザインに見やすい工夫がある
・・・ほかにもあるかも知れませんが、いま「入門書」といったら、こんな感じじゃないですか?
勿論、いろいろな人が入門書を出しています。
しかし、ほとんどがこれらの要素を外さず取り入れているようです。
実際に初心者と接した経験を取り入れること。囲碁を遊び始めるために必要なものは何かを考えること。
その追求が実を結んだものだと思います。
1994年 『すぐ打てる囲碁入門』石倉昇八段 (高橋書店)
この一冊から、「現代入門書」といえるのではないか。
本書はとくに「実戦例」の点に特色があり、なんと「1手1ページ」 で解説している。
一手ずつ進むさまを、ページをめくるごとに追体験できますし、
最初に囲碁を打つときに必要なことの解説も充実しています。
また、楽しそうな表紙に現れているように、
見やすいデザインの面で過去の入門書を超えていると思いました。
1995年 『入門から初段まで』石倉昇八段 (日本囲碁普及振興会)
初段までカバーしている・・・かどうかわかりませんが、
入門の面について申し分ない内容です。
『すぐ打てる囲碁入門』と似た時期で、別の出版社。
この二冊は互角のようなイメージです。
中のコラム「囲碁は女性に向いている」は、第2回の2月27日に検討することになります。
1995年 『絵で見てわかる 初めての囲碁入門』小山鎮男六段 (池田書店)
小山鎮男プロも、いわゆる「レッスンプロ」の代表者のひとり。
上の「現代入門書」の要素を備えていますが・・・
今の感覚でみると、文章量の多いという印象です。
しかし、クイズ王としても名をはせる教養、飽きさせない・ やわらかい文章力でカバー。
お人柄のあたたかさが見えてきます。
1998年 『一人で強くなる囲碁入門』石倉昇八段 (日本文芸社)
ついに入門書の定番、といえるものが生まれました。
紙がきれい、サラサラ。実戦例もやさしめ。
そして、時は1998年。
そう、翌年はヒカルの碁連載開始です。
キッズたち・親御さんたちが書店に行き、まず手に入れるのがこの本だった
というパターンがあったのではないか。
「石倉先生」が、囲碁入門の一大アイコンとなったのです。
本書は最近、改訂版が出されており、長いこと支持を受けたことを示しています。
(かくいう私も、この本の続編『実戦で強くなる囲碁入門』で囲碁を覚えました。)
今から見ると厚いですが、
それは入門書がカバーすべきと考えられた内容が、今よりも多かったことが理由ではないかと思います。
また、こちらも第2回に中身を検討したい箇所があります。
2000年 『よくわかる・すぐ打てる みんなの囲碁入門』 監修 梅沢由香里四段 (池田書店)
第二のビッグウェーブが到来!
そう、「ヒカルの碁」監修の梅沢由香里プロ(現・吉原由香里六段)
アニメ版の「GO!GO!囲碁」コーナーも担当した
「 ゆかり先生」
が新たに囲碁入門のアイコンとして浮上します。
この表紙は、本屋さんにいくたびに見かけましたね~。
ゆかり先生の本の特徴は、「囲碁を遊べるようになるところまで」 に集中すること。
そのために、極限まで見やすいデザインを追求。
19路を載せず9路・13路に集中し、内容を絞るというナイス判断。
この方針は後に大きな影響を与えたのではないか。
2001年 『スーパー囲碁ゲーム ヒカルの碁 めざせ棋聖!』 Vジャンプ編集部
出会ってしまいました。ブックオフに感謝。
ゲームの攻略本ですが、実は囲碁じたいの解説もあつかっています。
薄い冊子に内容ぎっしり。
大人になったいまは、これは挫折すると思いますが
たぶん自分が子供だったら、 隅々まで読んで囲碁覚えちゃうと思う。
テレビゲームの流行は間違いなく囲碁の位置づけに影響していると思いますが、
その合流地点の一つといえるのではないか。
プロでも囲碁業界人でもなく、Vジャンプ編集部の中の人が書いていると思われます。
その頑張りと苦闘が見られます。
2002年 『ゆかり先生のやさしい囲碁入門』 監修 梅沢由香里四段 (主婦と生活社)
「主婦と生活社」という、本日初の会社から出ています。
これは親子で読めるし、 ゆかり先生の目標がよく達成される作りだと思います。
囲碁的に、おすすめの一品。
一つ気になるのは、すでに先生がいるのに男性の「博士」を登場させていることです・・・。
2008年 『大人のための らくらく囲碁入門』 (日本棋院)
日本棋院の公式本で、見た目通り安心のクオリティ。
カラフルでテンション高そうな本が多くなってきた中、「大人」 の落ち着きを出している。
この時期の本は、囲碁を「簡単」といいがちですが、
「難しいこともあるけれど、 だんだん覚えましょう」というスタンスが、現代的だなと思いました。
入門指導の 現場を知っている人の表現と感じられ、私は共感します。
2014年 『女性のための囲碁の教科書 初心者でも簡単に始められる入門書』 監修 吉原由香里五段 (土屋書店)
内容、完璧です。サブタイトルに偽りなしです。
IGOAMIGOさんの本であり、現場のノウハウがしっかり表現されているように思います。
ゆかり先生のスタイルどおり、盤は最大でも13路。
囲碁を始める、というところをがっちり狙い撃ちできていると思いました。
本書に関して、第2回で取り上げたいのは「タイトル」です。
ここで、「だれが」「だれに」「なんのために」書いたのか、
(このあたりは私の解釈となりますが)
2021年 『いちばんやさしい囲碁教室』 監修 芝野虎丸九段(ナツメ社)
最新オブ最新、昨年6月の発刊です。
執筆協力は囲碁ライターの佐野真氏。
時折、かわいい虎丸先生イラストがポイントを語りかけてくれます。
デザイン面で印象的なのが、「ネット碁」や「アプリ」を思わせる碁盤デザインである点で、
いまの時代をもっとも濃く映し出しています。
後半は難しそうな箇所も出てきますが、
難しさをちゃんと示す(たとえば「10級認定!」など)ことで「背伸び」の楽しみもありそうです。
・・・以上、19冊?かな?
こんなに入門書を読むとは想像してませんでしたが、凄い楽しかったです。
同時に、各時代の雰囲気を入門書から感じ取れるところも多く
これからの活動にかならず活かされるのではないかと思います。
絶対おもしろい発表にしますので
ぜひ、ご覧くださいね~~~
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