♪ ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト / エリック・クラプトン：2001年作

10年以上前の話ですが、、、

奇跡の再会のニュースが全米中を沸かせました！

そのニュースから遡ること23年前、ニューヨークの病院で、女の赤ちゃんが拉致誘拐された事件がありました。
当たり前のことですが～
その赤ちゃん、自分が悲劇の子とも知らずに成長しました。

しかし、、、
16歳の頃から、「どうも自分は両親と顔立ちが違う。もしかしたら、本当の子とは違うのでは・・・？」と、こんな疑問が・・・

それから、更に7年経過して、大人になった彼女は、失踪人など行方知れずになっている人の情報提供を募るインターネットの提示板で、自ら“出世の秘密”を探り出すことに成功します。

“赤ちゃんの時の写真と、提示板に貼り付けてあった写真が似ている”
たった、これだけの事で、本当の両親を探し出した彼女、まさにネット社会ならではの奇跡ですね！

それにしても、、、

それまで母と思っていた人が、実は赤の他人というだけでなく、誘拐犯だったなんて悲劇ですね！

こういったケースはレアなものとばかり思ってインターネットで調べてみると数件ヒットするから、それには驚かされました。

今日はそんな事で、非常に複雑な家庭環境で育ったミュージシャンを取り上げてみました。

Reptile Clapton, Eric Reprise / Wea

 【 Album Data 】
リリース：2001年3月13日
チャート：Billboard 5位、英国7位、オリコン8位

第二次世界大戦が終わろうとしている1945年の3月30日に英国サリー州で誕生したのがエリック・クラプトン、母親は16歳の若さ、父親は英国に駐留していたカナダ人兵士でした。

しかし、その駐留兵士の父親は、既にカナダに家庭を持っており、何の躊躇いもなく、母子を置いて祖国に帰って行き、暫くすると、若い母親も、別の男性と結婚することに・・・

『エリックの存在が娘の結婚生活の障害になるのでは？』と祖母が心配し、孫のエリックを自分の手で育てようと決意するのは、自然な成り行きだったかも知れません！

しかし、普通の祖母と孫の関係と大きく違う点が・・・
その頃、彼女は、再婚したばかり(先夫とは死別)で、エリックを孫としてでなく、自分たちの息子として育てる事にしました。

父親(義祖父)
母親(祖母)
15歳上の兄(叔父)のエイドリアン

年の離れた従姉妹(実母)

事実を知らされないままにエリックは育って行きます。

しかし、、、

この複雑な事情も、クラプトンは少年時代には知っていたそうです。
優しく育ててくれている両親(祖父母)や、小さいエリックに思いやりを持って接してくれる兄(伯父)には、それを黙っていた・・・
小さな胸に秘めていた、その時の彼の心を思うと胸が詰まります。

『彼なくして、今の僕はなかった！』
エリック・クラプトンは、2000年に亡くなった叔父のエイドリアンへの思いをこのように口にしました。

彼の叔父さんは、可哀想な小さなエリックに、寂しい思いをさせてはいけないと、色々な心配りをしました。

その叔父さんとの想い出のひとつひとつは、やがて、エリック・クラプトンに大きな影響をもたらすことに・・・

彼の音楽的ルーツは、年の離れたエイドリアンと一緒に聴いた40年代から50年代の音楽が全てのスタートになり、趣味や嗜好などの形成も、この優しい叔父エイドリアンから多大な影響を受けることになりました。

エリック・クラプトンが、大成功を収める姿を見て、叔父さんは、嬉しかったでしょうね！

そんな優しかった叔父さんも、2000年に亡くなりました。

そして、、、
エリック・クラプトンは、その叔父さんと自分自身の少年時代に捧げたアルバム『Reptile』を翌2001年にリリースします。

今日ご紹介する曲はその中の1曲を・・・ 

【 Sngle Data 】
リリース：2001年3月13日
チャート：Billboard 14位

今日ご紹介するのは、シンガー・ソングライターのジェイムス・テイラーが、「きみの友達」が大ヒットした直後にリリースした「寂しい夜　Don't Let Me Be Lonely Tonight」、全米14位のヒットになりました。

それにしても、大ブレークした直後に、このような地に足が着いた“聴かせる曲”を持って来るあたりは、彼のアーティストとしての自信と意地を感じさせられます。

クラプトンとテイラーのヴァージョンは、全く雰囲気が異なりますが、共にいい！

 Don't Let Me Be Lonely Tonight - James Taylor

寂しい夜 / ジェイムス・テイラー
さよならを言って　こんにちはをを言って
君に会えて楽しかった
でももう変える時が来た
イエスなんて言わないで　でもノーとも言わないで
僕は今夜を寂しく過ごしたくない

行ってしまえ
行って君の好きなようにすればいいさ
僕はひざまずいたりなんかしないよ
僕は決心はつかず　君の心が揺れている
君はずっと僕の世界を混乱させているんだ

僕に冷たくして　僕に優しくして
僕に嘘をついて　でも僕を強く抱きしめて
さよならは朝の光のために取っておいて
でも今夜は僕をひとりにしないで
さよならは言わないで、朝の光が差すまでは
今夜は僕をひとりにしないで
僕は今夜を寂しく過ごしたくない
僕は今夜を寂しく過ごしたくない
僕は今夜を寂しく過ごしたくない

僕に冷たくして　僕に優しくして
僕に嘘をついて　でも僕を強く抱きしめて
さよならは朝の光のために取っておいて
でも今夜は僕をひとりにしないで

Don't Let Me Be Lonely Tonight - Eric Clapton

やはり、名曲というものは、、、
形姿が変わっても不変の美しさが保たれるものなんですね！