農協が今後どの様な役割を果たしていくべきなのか、真剣に考えなければならない。
中川秀直先生、『官僚国家の崩壊』で、「農協は経済的な価値と社会的な価値を結び付けることによって、地域社会への責任を果たさなければいけない」、「変化しなければならない」、と、書いている。
(以下引用)
農地法体系自体が、自作農主儀から利用農主義にレジーム・チェンジ、枠組みチェンジしなければならないとすれば、JAもまたそのような論点を踏まえながら大いに変化していくべきではないかと思う。
零細農家が最も信頼できる機関は、JAである。JAに零細農家を集約するという手法も利用農主義の時代にはあるのではないのかと思う。
また、JAを通じて集団で大企業と契約をし、農産物を販売するという方法も考えられる。さまざまなオプションがあっていいだろう。
たとえば、JA自身が自ら農業法人を立ち上げ、JA出資法人が地域の農業生産の核となる。各農家の後継者は、このJA出資法人に就職をし、厚生年金にもちゃんと加入をしながら農業に従事する。そんな方式を拡大し、JA出資法人が地域の農業生産の核となって、後継者をどんどん大都市からも呼び込む。
経済界とも十分協議し、しっかりした農地利用であるならば、JAAが農家を集約し、大企業と契約したり、大企業に委託をして、第三次産業や加工産業を含む部分まで積極的に手を伸ばして利潤を上げるという事業拡大も考えられる。
いずれにしろJAは、日本の小規模農業生産者を守るためにも、小規模農業生産者が世界市場にアクセスできるような仕組みづくりを、その役割の一つに加えるべきだ。
また、経済的な価値と社会的な価値を結び付けることによって、地域社会への責任を果たさなければいけないのではないかと思う。
(中略)
グローバル化自体は必ずしも悪ではなく、その恩恵をさらに広く行き渡らせるために、協同組合の役割がある、という理念がここ(2004年のICA(国際協同組合同盟)のメッセージ)にはある。
JAが日本の農産物市場拡大の先兵となって、中国市場やアジアの富裕層の市場に進出する。さらには、JAが日本の商業界・経済界とのコラボレーションを推進していく。それにより、農家の「新たな兼業先」をどんどんつくっていくべきである。
農業従事者だけを対象にしていたのではJAも生き残れない。いまや農家の大部分を占める兼業農家は、農業以外からより多くの収入を得ているからだ。
組合員の経済的・文化的・社会的なニーズと願いの実現が、JAの本質的な使命だと考えるならば、組合員の農業以外の収入源確保の先頭に立ってもいいはずである。
こうした観点から私は、JAは経済事業改革を行うべきだと思う。
多くの地域で現在、農家の兼業先となっているのは建設業である。しかし、いまや、公共事業予算がGDPに占める割合はすでに欧米並みの約四%まで下がってしまった。
これからは農業の関連産業の加工産業や輸出産業などを視野に入れ、JAの経済事業が地域の農家の兼業先になるという構造に変えていかなければならない。
(ikkannの目)
中川農協論のポイントは、
①零細農家の糾合体、
②それに息吹を与えるには、まともな経済主体になること、
③経済活動しながら、社会地域的な新たな価値観を創造すること、、といったこと。
突破口としては、普通の経済主体たれといってる。
そのためにまず法律(農協法8条)を改正すべきとも、、
その通りと思う。
農協は、今や地域の一大経済主体だ。
その一大経済主体が、経済主体となってまともな活動をすれば、
雇用も拡大するし、
地域所得の向上も図られるし、
輸出産業にもなるし、
経済界と協力しながら、農業生産を向上させられるし、
農地の斡旋を通じて他産業とも、コラボレーションできるし、、
で、本当は万々歳なのだ。
昭和30年代には、その様なビジネス展開できる農協が結構あったのに、、、。
今でも少数ながらあるにはあるので、まだ希望は捨ててはいないが、、。
中川先生、その通りだ、、頑張って欲しい。
ただ一点、、そのためにも、まず農協がリスクをとること。
さしあたってコメの買い取り集荷あたりからはじめたらいい。
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