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減反見直し奨励金廃止 日経新聞

5月31日日経新聞1面トップ。

5月29日の朝日といい、31日の日経と良い、ほぼ妥当な線で動き始めている。しかしこの記事、現時点での記事にしてはかなり良い記事だ。日経の取材力はたいしたもの。

以下引用
減反見直し奨励金廃止、政府素案、小麦・大豆農家に補助、自給率向上へ支援拡充。
2009/05/31 日本経済新聞 朝刊 1ページ 1081文字

 政府が検討中の農政改革で、焦点であるコメの生産調整(減反)見直しの素案が三十日、明らかになった。検討の軸となる減反の緩和案では、自給率の低い小麦や大豆などを「戦略作物」として位置づけ、新たに補助する代わりに現在の転作奨励金を廃止。農家に不満が強かった現行の減反制度を改め、食料自給率の向上につながる農作物を作る農家への支援を拡充する。(コメの生産調整は3面「きょうのことば」参照)

 政府がコメ政策の見直しに取り組む背景には、コメ農家の約三割が減反に協力していない現状がある。生産調整で維持するコメの価格ですべての農家が販売できてしまうことが不公平だと指摘されてきた。先進国で最低水準の食料自給率が向上すれば、「食の安全・安心」を求める消費者にとっても利点がある。

 四月に麻生太郎首相が議論のたたき台となる「選択肢」を準備するよう石破茂農相に指示。政府は六月に特命チームの議論を再開する方針で、八月にも農政改革の中間報告をまとめる。

 素案では、減反の強化案、維持案、廃止案、緩和案を選択肢として提示し、それぞれ減反の見直し方法などを打ち出した。農相は強化や維持、廃止の政策はとりにくいとしており、緩和を軸に検討を進める見通しだ。

 緩和案のポイントは、減反に協力し主食用米の代わりに麦などを作る農家に交付している転作奨励金(産地確立交付金など)の廃止だ。政府は現在は年に二千億円程度を使って転作を促している。麦や大豆、米粉・飼料米などは「食料自給力向上戦略作物対策(仮称)」とし、奨励金廃止で浮いた財源で輸入品とのコスト差の是正や、生産・販売面で改善策をとる農家を支援する内容だ。

 減反に協力しなくても食料自給率や自給力の向上につながる小麦などを作る農家を積極的に支援する。結果的に、現在は輸入に頼る麦や大豆を作りやすくなり、主食用米にこだわらない農家が増えると期待している。

 政府が四月に決定した「農政改革の検討方向」では「戦略的穀物政策の総合を図るべきだ」と明記。今回、転作のあり方を大きく転換するのは、生産調整の達成ばかりが重要となり、農家の生産意欲が失われてきたとの批判があるからだ。

 現在の減反制度は事実上、主食用米を作ることができる面積を各農家に配分しているが、都道府県や市町村ごとに生産数量目標を変えたり、配分せずに作付指針にとどめたりする案などが浮上。米価が下がるとみられ、所得補償などの制度設計が大きな課題となる。

 さらに自民党農林族は米価が下落する生産調整の抜本的な見直しに反対している。秋までに衆院選があるなかで議論が進展しない可能性もある。
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