日本は3年は持つかとか、破綻するのでは、と言った言説もある。
わが国が危機であることは間違いない。
国家として必要な政策はもはや明確だ。
外交・防衛、経済成長、年金などの社会保障、消費税問題を含む財政再建問題等々。
これらに関し、識者の「かくあるべし」とする見解はそう違わない。
マスコミ論調も、およそひとつの方向に収斂してきた感がある。
もちろん、異を唱える人々も決して少なくはないのも事実ではあるが、
ただ、情報化社会の中で、あるべき姿にそう違いがでてくるものでもない。
社会が成熟してくればくるほど、違いは大きな理念か逆に各論レベルのものになってくるのではないか?
百家争鳴、船頭多くして船進まず、の世界はもう終わりにしたいもの。
というより一時休戦にしたいもの。
わが国に時間があるとは思えない。悠長に構えてられもしないだろう。
わが国の病理は、偏に政治が決断し実行できないことと言う気がする。
漂流しているのは、言説と決断・実行の間に大きな溝があるせいだ。
強い農業作りとTPPもそのひとつ。
APECのために、発言をしたはいいが、やはり、反対が噴出。
反対運動も一段落の感はあるものの、相も変わらぬ極端なロジックで反対運動を展開、理性からはほど遠い。
政治が理性で動くものとも思えないが、農産物の自由化で思い出されるのは、竹下政権と細川政権。
この二つの政権、全く逆の対応に終わった。
竹下政権、消費税はもとより、牛肉オレンジ交渉も決着させた。
短い期間によく結果を出したものと感心する。
88年の牛肉問題、12品目問題は、今日のコメの比ではなかった。
名うての農林族、山中貞則が動いたのが大きい。
動いたと言うよりも、反対で動くことがなかったといった方が正確か。
皆大人だったのだ。
今、山中貞則の役割ができる政治家はいない。
93年UR時のコメ対応は、細川政権。
やはりできたばかりの素人政権だった。
関税化を阻止して、MA米を導入するなど、国家としての判断を間違えた。
関税化すべきだったのだ。
この間違いを是正するのに6年もかかり、わが国は99年に関税化し、MA米の増加を阻止した。
今は、どうか?
首相が言うことは良いのだが、政局にされている。
日本が漂流してるのは、首相の決断が実現しないせい。
鳩山政権下では、首相の言説自体が夢幻の迷走世界へ入ってしまった。
国民は皆国のメッセージがわからなくなってしまった。
政治主導は、政治家が官僚にけんかを売ることではなかったはず。
また政治家が、官僚のテリトリーを奪い、過信・増長することでもなかったはず。
やはり、今日のような状況で、国家運営に当たるには、これまでとは異なった工夫が必要ではないか。
決断し実行するには、個別案件に限って、超党派の対応が重要。
特に、国家イッシューと言われる者に関しては、議連を作り、お互い合意を得ながら決断していくべきだろう。
民主党政権の戸別所得補償が生産調整の選択制を実現したとしても、その下準備は、既に麻生政権下で行われていたもの。
来年からの畑作の所得補償も、麦作安定資金や、大豆の交付金制度とさほど変わらない。
良いものは良いし、悪いものは悪い。
それを、どういう訳か(訳はわかっているのだが)政局化して混乱させようという勢力がある。
国会議員の腹の内も透けて見えるようになった。
選挙、選挙、選挙しか無くなったようだ。
それを恥じらいもなく、アジる親分もいる。
選挙至上主義。
選挙さえ通れば、何をやっても許される社会になったようだ。
結果、自分の選挙という、私利私欲を優先せざるを得なくなった。
国会議員が大衆化したのだ。
国家のあるべき方向を違えさせてはいけない。
選挙に弱い政治家集団なら、選挙を回避する仕組みで意思決定する必要がある。
せめて超党派で、国家課題に望む新たな仕組み作りが、この2-3年は求められるのではないか。
改めて、強い農業を作る、議員連盟と、超党派での合意作りが必要だ。
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