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国有農地ずさん管理 台帳記載漏れ 占有され30年超 使用料3億円未回収

事業仕分けに刺激されたわけでもあるまいが、読売新聞が、残存小作地の管理のずさんさをあきれて記事にした。
無駄と言えば無駄なのだが、、
河川敷の利用などと同様、利用料金を取ってないという話。

国は、これまでも国有農地の使用料を取るというのをどうも苦手にしている。そんなずさんさの一環だ。


国有農地ずさん管理 台帳記載漏れ 占有され30年超 使用料3億円未回収
2009/11/13 東京読売新聞 朝刊 39ページ 1407文字

 ◆使用料3億 5都道県で未回収

 農林水産省の保有する国有農地が管理台帳から漏れたまま少なくとも30年以上にわたり個人に占有され、資材置き場にされていることが12日、分かった。戦後の農地改革により生じた国有農地は、現在も全国に600ヘクタールあるが、農地などとして貸し付けられているのはわずか3割。しかも、その使用料ですら、少なくとも3億2000万円が長期間滞納されたまま放置されていることも会計検査院の検査で判明。国有財産のずさんな管理が浮き彫りになった。

 管理台帳から漏れていたのは、東京都江戸川区にある128平方メートルの土地で、長年、近所に住む元農家の男性(66)が自分の土地として使ってきた。昨春からは駐車場として貸し出し、現在は資材置き場になっている。

 問題が発覚したのは今年8月、近隣住民から区に「ゴミ置き場になっている」との苦情が寄せられたのがきっかけで、同省で土地の登記を確認して、1947年に国が買い上げた土地と判明した。しかし、管理を委託している東京都の台帳には記載されておらず、同省は「60年に分筆して台帳へ転記した際にミスがあったのでは。管理が甘かった」としている。

 占有していた男性によると、農地として父親の代から使用し、父親が他界した約9年前に、登記簿で調べて初めて国有地と判明。しかし、都税事務所の税務台帳上では父親の名義になっていたため、そのまま使用していたという。同省は請求権のある過去10年分の土地使用料にあたる約380万円を支払うよう男性に求める方針だが、男性は「少なくとも30年以上固定資産税を納めているので、不法占拠と言われるのは心外。使用料を払うつもりはない」と話している。

 農水省は「同様のケースは時折判明する」と氷山の一角であることを認める。占有が長期にわたるものがほとんどで、短期に返還を実現するのは簡単ではないという。

        ◇

 台帳に記載され、管理されているはずの国有農地すら、有効活用されていない実態も分かっている。

 会計検査院が11日公表した報告書によると、全国の22都道府県で国有農地を民間に貸しながら、その使用料滞納を放置していた。特に東京、北海道、茨城、栃木、千葉の5都道県は滞納額が大きく、延滞料も含めると昨年度末で約3億2000万円に膨らんでいた。

 滞納は長期にのぼり、5都道県では27人が1年以上滞納。このうち15人は10年以上にわたり、東京都では29年も滞納していた人もいた。都ではこのほか、貸付地の用途を勝手に変更して店舗や駐車場にしたり、無断でまた貸ししたりするなど不適切なケースが計10件見つかった。都はいずれのケースも把握していたが、契約解除などの適切な措置を取っていなかった。

 大泉一貫・宮城大副学長(農業経済)の話「国は税金の無駄遣いを洗い出そうとしているのに、一方で、公財産のずさんな管理によって巨額の収入を取りこぼしている。同様の事例は全国に多数あるとみられ、自治体と連携した徹底的な調査が必要だ」

       

 〈国有農地〉 

 戦後の農地改革のため国が地主から買い取った土地のうち、買い手が付かなかったなどの理由で国が保有を続けている土地。管理は都道府県に委託している。2008年度末で全国で629ヘクタールあり、一部は農地や宅地などとして貸し付けられているが、約7割の452ヘクタールは未利用のままとなっている。
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