今日の一貫

コメ価格形成センター改革はどこまでいっているのか

ところで、価格センター改革はその後ようとして見えない。ワーキングでの議論がつづいていると思うが、なかなか改革案が出ないのではないか。また改革案が出てもどこまで突き進むかが課題なのかもしれない。

①まず価格センターの上場数量確保。これは全体必要な事項。
経営安定政策が、すべてこの指標価格をベースに成り立っているのが裏目に出ている。
私は昔から、価格ではなく所得を指標に、ということを言い続けているがその捕捉手法に難があるというので、このロジックははねつけられてきた。
が、「米政策改革大綱」が基本的に、指標価格をベースに設計されている以上これが機能しないと、米政策は最大の危機を迎える。
そのためにも価格センターの上場数量確保の要あり。
そのためには義務上場の復活か、義務上場に近い仕組みを作るより他ないのではないか。

だが、義務上場は、食糧法改正で撤廃したばかり。またすぐ元に戻すということも役所がやれるかどうか。また自由化の方向に逆行するという批判も出てくるだろう。
とするなら、米政策改革の目標年次22年(10年)までは、義務上場に近い仕組みを維持するということか。
義務上場に近い仕組みとは何か、これはいろいろあるが、ワーキングで議論したらいい。

②もう一つは、全農問題。売り手と書いての問題だ。
かつて公正取引委員会は、県経済連卸の自県産米入札を禁止したはず。それを別法人ならといって、株式会社化するなど、パール卸会社が生まれた経緯がある。

別会社にすれば、不正な行為はおきないとするのが当時の解釈だったが、懸念はあった。制度が不正を起こしうる状況にあれば、公正な取引は人々の善意によるより他ない。しかし、やはり制度や仕組みを変えるのが当然ではないのだろうか。

それは全農の買い手か売り手のいずれかからの撤退しかない。

買い手から全農が引くことも可能である。全米販に全て任せる手法である。
しかしこれはこれでまた問題もある。

他方売り手からの撤退も可能である。単協に全て任せるやり方である。
これはこれでまた問題がある。

単協販売の環境が整っているかどうかである。特に債務保証。
コメの債務保証は、「米安定供給確保支援機構」がスタートしたばかり。しかし、制度設計の時から、私にはよくわからず、食信協30年史などを読んで勉強した経緯がある。ただ一つはっきりしていたのは、単協の自由な販売を保障するものではないということで、それだけで私はなぜ全農も加えないのかと質問をしまくった経緯がある。


問題は数々あれど、どちらかに決断しないと、国民が納得すまい。
はっきりしているのは、経済連卸を別会社にしたり、全農県本部卸を別会社として、その徹底を図るやり方はもう限界である事。誰が見ても形式別会社、実質関連会社である。関連会社ならまだしも子会社である。これらが完全な別会社と信じる人はまずいない。
しかも全農県本部の中には、全農本体から人事等で締め付けされ、独自性が発揮できないとぼやいているところもある。むしろそうしたところの方が多いのではないか。

地方分権の時代、現場に活力を呼び戻すには、出荷に単協を登場させた方がまだましではないだろうか。国民視点からしてもその方がまだましであるし、将来に対し生産的である。

問題は、農水省が全農の組織問題に毅然とした対応ができるかどうか。国民はその点を注目しているに違いない。生産優位の省から、消費に軸足を置く省への脱皮が試されている。
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