今日の一貫

朝日がなんと社説で「農業改革―民間議員の提案を生かせ」とは、、、

朝日新聞社説、正直驚きました。
社説で、経済財政諮問委員会専門委員会の民間議員の提案を生かせと、全面賛意で後押しする論調を張っています。

朝日新聞といえば、弱者保護、生活大事、理念先行、憲法擁護、人権擁護といったイメージ。それがこの社説です。
「農業=弱者」、「農民=弱者」というステレオタイプ化した認識から既に脱却しているという現れでしょうか。それはそれで非常に結構なこと。

農業者が自尊心を持ち、矜持を持って我が国社会や文化を作り上げる姿を昔から夢見ている私としては、いつまでも「農業=弱者」で切り捨てられる農業観にいたたまれないものを感じています。
「農業は虐げられたもの、いつも工業や財界の犠牲になっているもの、といった弱者」論は農協だけの専売特許になってしまったのでしょうか。あるいは農協も既に脱却してるのでしょうか?
自虐的農業観からの脱却は農業・農村の活性化のためにも是非必要なことと思うのですが、道は遠い感じがします、、、
ともあれ、朝日社説、画期的なだけに、引用しておきましょう。
朝日新聞によれば、族議員が抵抗勢力なそうですが、彼らは、何故競争力のある農業の構築や、自信と自尊心を農業者が持つことに抵抗するのでしょうかね。
朝日新聞を取り続け、朝日から本を出してもらい、昔は論座などにも執筆していたのですが、、、やっと朝日を取っていて良かったと今日は思いましたね。


朝日新聞5月10日社説
農業改革―民間議員の提案を生かせ

 経済財政諮問会議の民間議員が農業の改革案を提出した。農業の再生策は農水省も進めているが、より徹底した素早い改革を求める内容だ。

 とくにコメなど土地利用型の農業では、細切れの農地を意欲と能力がある担い手に集めれば、生産コストが下がって競争力が高まる。農水省もこの方向をめざしているが、実際の政策がちぐはぐで効果が限られている。

 現在は、たとえ耕作しなくても固定資産税や相続税で優遇されるので、農地を手放したがらない。企業などが大規模経営をめざしても農地の所有が認められず、長期間借りるのも難しい。

 改革案はこうした農地制度にメスを入れ、税制改正で農地の利用を促進し、耕作放棄地を減らそうとしている。企業にも所有を認めるほか、定期借地権の制度をつくり、最低20年は農地を借りられるようにすることも提案している。

 自分がつくった農産物がどこでいくらで売れたのか。市場の情報をもとに感覚をとぎすまし、創意工夫を重ねる経営を進めることも大きな柱だ。

 農水省は、市町村が選んだ認定農業者を所得補償などで支援して、農業の中核に育てる政策をとっている。しかし、認定農業者にもコメの生産調整を押しつける現状は自由な経営にブレーキをかけるものだ、と改革案は指摘する。

 生産調整をやめて生産量は自ら決めさせ、市場競争でふるいにかけて強い生産者を残すという考え方だろう。市場メカニズムの活用を口では唱えながら、実際には痛みの伴う改革に踏み込まない農政への批判といえる。農水省は提案を積極的に検討するべきだ。

 わが国は農業保護が足かせになって貿易交渉を進められず、自由貿易の拡大という世界の流れから取り残されそうになっている。市場開放に耐えられる農業にしないと農業以外の国際競争力まで落ちる、という危機感が背景にある。

 「外圧」ばかりではない。このままでは、農家の高齢化と耕作放棄地の増大により、日本の農業は内側から崩壊してしまう。農家を一律に保護する「護送船団方式」の農政が、今日の惨状を招いたのだ。痛みを先送りせず、若者が魅力的な産業として取り組めるよう、構造改革を加速すべきである。

 諮問会議は、提案の細部をさらに詰める一方で、消費者を農業改革の味方にする工夫をしてほしい。

 高関税と競争制限で農産物の価格を高く保ち、消費者の負担で農業を保護してきた。それをやめ、代わりに財政資金で農業者の生活安定を図るのが、国際的にも認められる新しい農政だ。値下がりで消費者が受ける利益を具体的に示すなら、財政負担に理解を得やすい。

 農業の抜本改革には農業団体や族議員の抵抗が強く、掛け声倒れに終わってきた。安倍首相は改革の実現に向けてリーダーシップを発揮すべきだ。
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