今日の一貫

農政課題について  特に農地の面的集積が重点になっているが、、、

農政問題に関して、都内某所で報告。
その中で重要施策を3つあげた。
①経営者基準の国民に受け入れられる基準への転換と明確化。
②生産調整を柔軟にし、市場システムへ誘導する健全なコメ市場の創設、
③最低50ha規模の農業団地を造り、農業経営者を誘致する地権者集団への積極的助成。

報告の重点は農地問題。
如何にレジメを掲載しておこう。


農政改革の課題 ―農地の所有と利用の分離を巡って―

1,農地に関わる制度と、農政改革・農地改革のこれまで
  経緯、                  →資料1
  農地流動化と面的集積の現状        →資料2
  農地流動化の諸手法と関係機関の役割    →資料3

2,農地問題に関する認識と農地問題を第一とする政策のオンパレード                               
  農地の流動化・集団化の加速 ← 残された課題といった認識
そのための、具体的施策の競い合い
① 日経調「農政改革を実現する」高木委員会18年5月
(新たな農地法制度、所有と利用の分離、長期安定的利用権、農地情報の開示、利用者の保全、中間保有第三者機関)
② 宮腰元副大臣纏め18年9月
③ 内閣府規制改革民間開放推進会議18年12月
(利用と所有分離の政策全般の見直し・無差別主体)
④ 農水省・農地有識者会議19年1月           →資料4
 (株式会社の農業参入は昨年度で決着)
⑤ 内閣府経済財政諮問会議 EPA農業ワーキング 19年5月8日
 (下記 一括法)
⑥ 自民党政調総合農政調査会農地制作権等ST 19年5月9日
⑦ 民主党の小土地所有優遇策

ポイントはいかにして利用権を所有権から分離して集積するか?
しかも、460万haの農地の内、半分の水田が課題。
強い行政的対応か、市場メカで可能か、農地の所有コストが低い
農地政策には、優良農地の確保など、行政の強制力が必要との認識が強い。
それを市場原理で行うとすれば、農業の資本回転率の悪さなど、農地を他産業に開放することも射程に入れておかないとスキームができないかも?→だから行政の力によるのか?

諮問会議は「スピードを速めよ、そのため今までとは異なった政策スキームを」という主張と経済原理の導入で対応が可能とする主張(担い手 原則自由 一括法)(見ている世界が違っていた。最後の落としどころは非現実的な部分も)
①5年程度を目途に耕作放棄地ゼロを目指すという目標を設定し、その工程を明らかにする。
②農地について定期借地権制度を創設する。
③農地利用料は農地の需給を反映したものとし、農地の借り手が経営上、不利にならないような仕組みとする。現行の標準小作料制は一定期間後廃止する。
④高齢、相続等により農地を手放すことを希望する人が所有権を移転しやすくするため、農地を株式会社に現物出資して株式を取得する仕組み等を創設する。
 
3,何が課題かを明確にする作業が必要
  これまで様々な課題の提案の仕方があった。
  家族経営が問題
  株式会社が参入しないことが問題
  農地の流動化が進まないことが問題
  農地の面的集積が実現しないことが問題
  農地の所有と利用が分離しないことが問題
  市場原理が浸透しないことが問題
  競争原理が働かないことが問題
  土地利用型農業では構造改革が進まないことが問題
  経営者がいないことが問題

4,何故今農地問題なのか?
  どこを見すえて農地問題の今に対応しようとするのか?
  そのために今どのような規制改革を要望するのか?

  流動化を目的にするのか、集団化を目的とするのか、農業経営の体質強化を目  標とするのか?
  集団化を目指す制度が、農業経営者の規模拡大と競合しないのか?
  需給調整を目的とするのか、農業経営の体質強化を目的とするのか?
  農地問題から国内農業の体質強化を考えるのは賢明な策か?

  農地問題は国内農業体質強化の手段の一つ
  農業経営者の基盤強化のため、その様な経営者は明らかに市場を見ている。
  需給調整はじゃまな政策

5,生産調整は何を守るのか? 
  「コメ作りに自信のない農家」の農業従事を守る→自信のない農家は農協に結  集→「零細な農家への支援」を美辞麗句にこの構造を維持→農協の集荷率の向  上を語る→農協の手数料収入維持
  →そのための米価の維持→生産調整の維持→そのための補助金の要求
  (農業耕作にしがみつく理由→維持米価、生産調整に関わる補助金)
その結果として
 ①貸しはがし、農地流動化の遅延
 ②市場を見る農業経営者への敵対

 下手な農業政策は、経営者の自主判断に任せるべき所に規制を加え、体質強化を 妨げてしまってはいないか?
(農地流動化は利用する人が自らの責任で拡大するのに任せることは可能か?)
(生産調整は経営者の判断に任せることが可能か?)

6,農業経営体育成がメイン
 個人を農村社会の中心に
 (行き過ぎた結果平等、同調圧力)
 (多様化する社会を実現する農業、ゆるやかな連携)
 自立・自律・自助努力の気風の醸成
 (いきづまった官製産業)
 ビジネスの仕組みも多様
 (家族経営も会社もOK、規模拡大も小規模集約もOK)

  要は所得・利潤を上げることが目標
  新たな社会システムの構築→農政改革の依って立つべき場所

  補論 農業でのカネの回り方のスキームができるか

コメント一覧

武 正志
[真の農業改革]の叩き台とは?
 私が余計な事を書くと、誤解により迷惑をかけるだけとも思いましたが、またまた図々しくコメントします。今回のブログに関して誰もコメントしていないのは少々残念に思います。(私が以前行ったEPA/FTA関係の)つまらない書込みと違って、概してあたりさわりのないコメントがこの件についてこれから出てくるとしたら、それはごまかしと思います(こういう物言いが反感を生むのでしょうが…)。本件の大泉先生の書込みは、本格的な、出発点としての改革起点ではないかと私見では思います。賛成・反対はともかく、読んでいられる全国の農業・農政の諸先輩方は、どう考えていられるのでしょうか?勇気ある提言を読めることを期待して待っています。
 
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「農政 農業問題」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2023年
2022年
人気記事