今日の一貫

地域に根ざしたビジネスについて 足りない創意、新しい業態

西川町で行ってきた新規産業送出推進事業の初年度が終わった。
ビジネスプランの募集プロジェクトをおこなった。

1)ビジネスプラン募集プロジェクトの評価
その中で、これからの地域経済のためには、「創意」が必要であることを訴えた。
それに同意する町民が少なからずおり、アイディアを持つ町民もいることに意を強くした。

それに応じ、12名の応募があったのは、成果である。良いプランが出てきたと思う。これからも、地域に根ざしたビジネスの紹介をぞくそくしていく必要があると感じた。

本事業で何よりよかったのは、プランで表彰された人はもとより、表彰する側にまわった町の各種団体の長たちの間にも、半信半疑ながらも、起業が大事であるとの認識にたってもらえたことである。


2)町在住の会社社長が期待される

同時に足りない点も明らかになった。考えてみるとそれは我が国の多くの地方都市・地方農村に共通することのようにも思われる。
地域資源はふんだんにあるけれど、「人的創意」「知財」がもっとも足りない資源でないかということ。ビジネスプランを実践する経営者の不在である。
これまでの地域興しは、地元の資源を見直そう、などといってきたけど、それより大事なのは、人的資源のエンパワーメント。リービッヒの最小率の法則ではないが、もっとも足りないものに、その地域の有り様はは規定されるのではないか。

町内の資源を利用し、適切なマネージメントにより付加価値を増大させる経営者は、町内にいないことはないが、新しいこととなるといないのではないか。旧来からの町の組織(具体的に言うと差し障りがあるので書かないが)も、既得権を守ることに汲々としており、「創意」とは逆のスタンスであることも懸念される。町が、適切な能力の発揮を促す配置をしているかとなると疑問もあった。
新しいことをする際に、もっともやっかいなのは、こうした「功成り名を遂げた人」である。実際西川町でも、いかにプランがだめかを必死に理論武装して必死に語っていた。彼らは彼らのロジックがあるのだ。
しかし、新しいことは、そこからは生まれない。


そんな中で、地場を意識する町在住の会社は、その役割を担えるのではないかと感じた。彼らはまだ成長過程にあり、何かビジネスチャンスはないかを常に考えている。
旧来からの人的関係の中で閉塞に陥いり、また地域に住む人々の仕事がほぼ確定している中で、ニュービジネスの担い手を捜すのは困難という、多くの農村地域が抱える人的資源の一般的希少性状況を突破するために、唯一、託せる人たちが町在住の地域定着型産業の社長たちではないか。新規立ち上げの初期バリヤーをクリヤしやすいこともあるし、カンもいい。
我々や役所の職員のように、全部勉強してからじゃないと不安だし行動できないと言う人種とは違う。


3)地域ビジネスの新しいありよう

また、「地域ビジネス」の方向も従来とは違ってきているように思われる。
それは、農業は農業者、清掃業は清掃業者、製材業は製材業者といった業種別の展開ではないのではないかということ。
たとえば、製材業者が、農業も、加工業も、観光も手がけるという、コングロマリット型産業という新たな業態が展望されているように思われる。複数の事業を一つの会社に包含するのは、もはや当たり前のことなのだが、しかし、農村や地方都市の会社は、どういう訳か、単一業種が多い。
なかなか総合化、多角経営にいかないのだ。そこには、資金力や、企画力があるのだろう。
しかし、西川町などのような中山間地の資源はそれ自体としてビジネスチャンスになり得る。中山間地であればあるほど多様性に富んでいる。資源間の有機的連携によって商品価値はますますが高まると思うのだが。とすれば、これらを一元的に、統一感を持って商品化する会社が必要となるのは必然のような気がするのだが。
地域として必要とされるあらゆる業種を、その地域であるが故に存続させる新たな業態が必死となっているように思うのだが。
会社のコンセプトは「地域としての業態」を確立することといっていいかもしれない。
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