毎朝、新聞に一通り目を通してから出勤しています。新聞は「紙」という媒体で情報を伝えます。
古代エジプトの「パピルス紙」は、紀元前3000年頃から使用され始められたようです。パピルスは、ナイル川沿いに生育するパピルス草の茎を加工して作られました。茎を薄く切り、縦横に重ねて圧縮し、乾燥させることで紙状の素材が完成します。この技術により、エジプト人は記録や文書の保存が可能となり、行政、宗教、文学など多岐にわたる分野で使用されました。
パピルス紙は、エジプトの気候条件により長期間保存が可能であり、多くの古代文書が現存しています。特に有名なものには、死者の書やエドウィン・スミス・パピルスなどがあります。パピルス紙の製造技術は、後にギリシャやローマにも伝わり、地中海世界全体で広く使用されました。しかし、羊皮紙や紙の普及により、次第に使用されなくなりました。
このように、パピルス紙は古代エジプト文明の発展に大きく寄与し、その文化遺産として今もなお重要視されています。「紙」を意味する英語の「paper」やフランス語の「papier」などは、パピルスに由来しています。
なお、現代でも使われている「紙」は、紀元前100年代の中国で発明され、その後改良されて普及しました。発見されている最も古い紙は、甘粛省天水市の放馬灘にある前漢の墓石から発見されたものであり、地図が描かれており、BC176〜141年のものと推定されています。
情報のデジタル化が飛躍的に進むなか、膨大な情報が世の中に流れています。スマホから目を離せなくなっていますが、「紙」の本をゆっくりと読む時間も大切にしたいと思います。
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