その4・再び雁峠にて

雁峠から燕山方面を見上げる
再び雁峠に戻ってきたわけですが、ここからの5.6km/3時間20分のコースは、まさに未知の領域。2400メートルに挑戦する若駒のように(何の話?)、未知の距離に不安と緊張が入り混じります。とはいえ、進まなければ始まりません。まずは、一歩一歩。
最初の山は、燕山(つばくらやま・2,004m)。
「つばくら」と、ちゃんと地図にも振り仮名が記載されているという、何ともポリシーがある山名のようです。
当然ですが、峠から山に向かって降りるわけも無く、しっかり登りとなります。雁峠が1,780mですから、大体 220m の登り / 0.9km 程の行程です。

どこから見ても見事な姿
さらば笠取山!
先ほどまでザック無しで歩いていたこともあって、最初の登り坂からザックの重みが益々重たく感じます。雁峠からの登りだけで、息が上がって二回、三回と休む始末。とはいえ、本当にキツいといえる登りは、最初だけでしたが、緩やかな登りですら真綿で締め付けられるかのように感じ、自分の足を蝕んでいくのでした。

一回登りきったら、あとはゆるゆるした感じです

苦戦しつつも燕山に到着
なんと山頂脇には・・・
また例の居眠りおじさんが、山頂脇のスペースに荷物を広げてお昼寝していました。徹夜だったとはいえ良く寝るなぁ、という気持ちと、とにかく大胆だなぁと、なんだか笑いがこみ上げてきました。しかし、こんなマイナーコースでも全く同じ順路を辿る人が居るという偶然に、ただただ、不思議な感じがします。
山頂に展望もないですし、おじさんの休憩の邪魔をしては悪いと思い、次の古礼山に向かいます。
続いての山は、古礼山(これいさん・2,112m)。

当然ですが、最初は落下

亀? ラクダ?

ワシャワシャしたもの
と、ちょっと暗い森の中だったものですから、何だかおどろおどろしい感じ。
地図で見る限り尾根道のような、なだらかな感じですので、そんな急坂も危険な場所も少なそうです。ただ、ゆるゆるとした上下動ですら、今の自分にとってはキケンなものであったようでして、暫く歩いていると、遂に自分の体に劇的な変化を与えてきたのでした。
最初は、左足の腿が悲鳴をあげました。⊂⌒~⊃。Д。)⊃ アウチッ
続いて、右足のふくらはぎ、左足の腿、と歩けば歩く度に、「ビキッ!」と足が吊っていくのです。⊂⌒~⊃。Д。)⊃ アウチッ
痛くなる度に、足のストレッチをしながら、休憩を取らざるを得ませんから、歩くスピードは今まで以上にガクンと落ちてしまいます。ストレッチをしつつ足を伸ばしながら、そういえば、こんな体験をしたのは、
登山を始めてまだ初期の帰り道の高速で、クラッチを切る度に足が吊るというクラッチ地獄の時
とか
秋の日光白根山でアイスバーンとなった山頂付近の鎖場で、足をツルッと滑らす度に足が吊ったというスケート地獄の時
とか
秋の木曽駒ヶ岳で、無謀にもしげぞうさんの登山記録に挑戦して、途中で足という足の筋肉をフル回転で吊って動けなくなったというしげぞうさん地獄の時
今思えば、どれも懐かしい思い出です。などと、過去が走馬灯のように流れ始め
・・・って、こらこら。
足を吊った位で、何で走馬灯とかエピローグなんて用意してるんだか。現実逃避はそれまでにして、きちんと前を見ないとですね。
ただ、疲れてしまったのは確かのようでして、今までとは違うザックの重さに加えて、悲しくも体重増加による贅肉運搬の業務も一手に引き受けてしまった結果、100キロ近い重みをこの二本の足で受け止めなければならなくなっていたんですね。ザックと共に自分も減量、次回の目標です。

地図を見れば分かるように、燕山から古礼山までは緩やかな尾根道
体力さえ残っていれば、何てこと無い登りです

天気がよければ、もっと良く見えていたかもしれません

そうそう、この行程の標識がちょっと荒らされているようで
所々で無くなっていました
そこからの行程は、今までのような力任せのガシガシとした歩き方を改めて、ゆっくりした歩幅を小さくする方法に変えてみました。すると、何とか歩き出す事が出来て・・・と書きたくなる位、この時は、歩いては休みを繰り返す回数が尋常ではなくなっていまして、途方に暮れていたのは確かでした。これが、本番のもっと山深い場所でなくて本当に良かったです。皆さんも自分の状態にあった計画を考えておきましょうね。

歩く人も少ないと思って心配でしたが
全くそんなことも無くしっかりした登山道で、この辺りは一番歩きやすかったです

古礼山山頂コース(300m)と巻き道
そんな休み休みながら、古札山分岐まで到着。
ここでは、山頂コースと巻き道コースが用意されています。当然、山頂・・・と迷わず行きたい所でしたが、300メートル先の山頂がどれだけの道程となるのか分からないため、迂闊にホイホイ行くことが出来ません。しかし、ここで山頂に行かないというのも、心残りが出来てしまう気がして気持ち悪いです。
それではと、荷物を置いて行けば行けるだろうと、ザックを分岐に置いて山頂に向けて歩き出したのでした。

心配していたような急坂も危険な場所も無く
今までと同じような優しい道が続きます

途中には、こんな開けた場所とベンチがありまして
休憩にもってこいの場所ですね

ザックが無いとやっぱり楽だなぁという事を認識しつつ
古礼山山頂(2,112m)到着です
山頂には、知名度に似合わない程立派な山頂標識がありまして、ちょっと驚き。
あ、でもこの標識の形、どこかで見たことがあるんだよなぁ、しばらく考えていると・・・あ、木賊山で見たことがありました。大きけりゃいいとは思いませんが、県境だからなのか、埼玉県の「ここは埼玉の山」という必死の主張をちょっとだけ垣間見た気がしてしまいました。

山頂からの展望はこんな感じ
南西の方角に開けていました

またも削られていた標識
熊とかじゃないですよね・・・
当然ではありますが、山頂から、この先の水晶山にも繋がっているようで、「戻ってまた巻き道歩いたら、余分に距離歩くことになるんだよなぁ」と、今さら分かりきった後悔をするのでした。

ベンチまで戻って、疲れた身体を投げ出して大の字に
ふぇ~、今日は頑張ってるなぁ
と、遠方ながらゴロゴロと嫌な音が秩父側から聞こえてきました。時間的には、そろそろ行動するのもキケンな時間ですから、出来れば早くしたいものの、あともう少しかかりそうです。ゴロゴロが来ないことを祈りつつ、そそくさと分岐に戻ります。
分岐に戻ってくると、またまた居眠りおじさん(←変な命名してしまいました)に三度遭遇。亀のようなノロマな歩みは、たっぷり休憩のウサギさんに追いつかれてしまったようです。今日の目的地は同じようなので、今日の状態を考えると、一人ではないことは気分的にも安心ですかね。なんせ、今日は、笠取山を除くと出会っているのはこの方のみですから、この山域、静か過ぎます。
おじさんは山頂へ、自分は、休憩してから巻き道を歩くからと、ここでまたお別れしまして、巻き道コースに進みます。

ラララ~、苔むしな世界~

ラララ~、苔むしな世界~
平地歩きの楽さと、この苔っぷりがあいまって、久しぶりにテンションが上がってきました。何故かこの場所だけ、日陰でジメジメしているからか、山頂方面に皆さん歩いていくからか、あるもの全てに猛然と苔が生えておりまして、それは、それは、見事なものでした。山頂との二択は難しいと思いますが、是非ともこちらにも立ち寄っていただきたい光景でした。今回のベスト苔賞ノミネート。
こんな道がずっと続けば良いのにという願いは空しく、500メートルで終了を迎えたのでした。あらら、残念。

これでようやく半分まで来ました
反対側から古礼山山頂は200メートルです
次の三つ目・水晶山を登り切れば、後は下りになるはずですので、大変な場所も、あと一息といったところです。地図で見ても、場所的にそんなに遠くも無いのですが、今の自分にとっては、遥か彼方に見えていて・・・あぁ、かすむ・・・。
そうそう、最後は、ラストにふさわしく、登って登って登りまくり!

再び道は森に囲まれながらの登りとなります
急登ではありませんので、そんなに大変な道のりではありません

山頂に向けては登りの連続
よいしょ、よいしょと

峠間コースの三山目、水晶山山頂(2,158m)到着です
トボトボ歩くのが精一杯な状態でしたので、日暮れまでに着けるかと心配になるという、今までに無いくらいに弱気になっていたこともあって、水晶山に着いた時には、両手をあげて喜びを爆発。はははっ・・・なんて無意識に変な笑いが出る位に、気張った状態から開放されたので、もう嬉しいやらなんやら。山頂では、ザックをベンチに投げ出して、その辺かけずり回ってしまいました。

山頂の様子はこんな感じ
登山道に沿ってベンチが3つと山頂標識、展望は全くありません
これで、後は雁坂峠までの下山一気(のはず)。先程のダレっぷりを微塵も感じさせない、まさに復活の狼煙があがったかのような、気合いの入った歩きを披露します(ゲンキンだなぁ)。

登りがなくなればこっちのもんです
鼻歌交じりでふふふんっと2.1km先の雁坂峠を目指します

居眠りおじさんに聞いて知ったのが、この県境に置かれているブロック
赤い杭や石やマークは山梨と埼玉の県境に置かれているそうです

気が付けばかり坂峠はもう目前
雁坂小屋との分岐にやってきました
※ この分岐標識は、体験した人はお分かりの通り、誰もがおかしいと思う標識のようです。
雁坂峠 1.4km、雁坂小屋 0.3km
とありますが、雁坂峠へは、平地だからそう思えるのかもしれませんが、1kmもありません。しかし、もっと問題なのは、雁坂小屋への道ですが、急降下で300mではすまない距離が待っています。300mを信じて歩くと1km以上の感覚が待っております。急がば回れとはよく言ったもので、ここは、一度雁坂峠に行ってから、雁坂小屋に戻るのが正解だと思います。
自分は、先に雁坂峠(1.4キロ)を目指すのも大変なので、荷物を置いてからにするかとも考えましたが、明日は、雨かもしれませんし、小屋に行ったら行く気になるか心配だったので、先に峠に歩いていくことにしました。

雁坂峠ももう目の前
ほらほら木々の間から見えてますし・・・
地図を見ても、本当にそんな距離あるかなぁと不思議に思いつつ歩くこと数分。今回のメインターゲット、雁坂峠に到着したのでした。さすがにこの時間では、見渡す限り人は無し。ベンチに座って景色を眺めつつ、今日の山行を振り返ります。

ここが日本三大峠の一つ「雁坂峠」
2,082mって峠なのに2000m級なんだなぁ

マイナー感たっぷりの標識
とはいえ、ちょっと前までは、ここを歩いて渡っていたんですからね

巡って来た行程を振り返る(水晶山方面)
今日は楽々山行のはずだったんだけどなぁ

これが雁坂峠からの眺め
目を凝らすと雁坂トンネル出口の橋が見えるんですよ
==
雁峠~燕山~古礼山~水晶山~雁坂峠(最高峰・水晶山 2,158m・埼玉/山梨県境)
コースタイム 3時間20分(コースタイム通り)
雁峠(12:20) ~ 登山道 0.9km・40分 ~ 燕山(13:00) ~ 登山道 1.7km・1時間10分 ~ 古礼山(14:10) ~ 登山道 0.9km・50分 ~ 水晶山(15:00) ~ 登山道 2.1km・40分 ~ 雁坂峠(15:40)
標高差もアップダウンもそんなに大きくなく、危険箇所も無く、歩く人も少ないため、静かなゆったりした山行が出来るコースです。燕山~古礼山・雁坂峠の景色もいいので、良い天気であれば、山梨の同じクラスの山々が綺麗に見えることでしょう。ただ、ここまで来るアプローチがどうしても長くなってしまうので、雁坂峠からの二日目に使うのが一番ゆったり出来るかと思います。自分のようにバカみたいに、笠取山に惹かれなければ、国道140号線~雁峠~雁坂峠は、時間的(6-7時間)にも、コース難度としても、いいコースになると思いますよ。
==

雁峠から燕山方面を見上げる
再び雁峠に戻ってきたわけですが、ここからの5.6km/3時間20分のコースは、まさに未知の領域。2400メートルに挑戦する若駒のように(何の話?)、未知の距離に不安と緊張が入り混じります。とはいえ、進まなければ始まりません。まずは、一歩一歩。
最初の山は、燕山(つばくらやま・2,004m)。
「つばくら」と、ちゃんと地図にも振り仮名が記載されているという、何ともポリシーがある山名のようです。
当然ですが、峠から山に向かって降りるわけも無く、しっかり登りとなります。雁峠が1,780mですから、大体 220m の登り / 0.9km 程の行程です。

どこから見ても見事な姿
さらば笠取山!
先ほどまでザック無しで歩いていたこともあって、最初の登り坂からザックの重みが益々重たく感じます。雁峠からの登りだけで、息が上がって二回、三回と休む始末。とはいえ、本当にキツいといえる登りは、最初だけでしたが、緩やかな登りですら真綿で締め付けられるかのように感じ、自分の足を蝕んでいくのでした。

一回登りきったら、あとはゆるゆるした感じです

苦戦しつつも燕山に到着
なんと山頂脇には・・・
また例の居眠りおじさんが、山頂脇のスペースに荷物を広げてお昼寝していました。徹夜だったとはいえ良く寝るなぁ、という気持ちと、とにかく大胆だなぁと、なんだか笑いがこみ上げてきました。しかし、こんなマイナーコースでも全く同じ順路を辿る人が居るという偶然に、ただただ、不思議な感じがします。
山頂に展望もないですし、おじさんの休憩の邪魔をしては悪いと思い、次の古礼山に向かいます。
続いての山は、古礼山(これいさん・2,112m)。

当然ですが、最初は落下

亀? ラクダ?

ワシャワシャしたもの
と、ちょっと暗い森の中だったものですから、何だかおどろおどろしい感じ。
地図で見る限り尾根道のような、なだらかな感じですので、そんな急坂も危険な場所も少なそうです。ただ、ゆるゆるとした上下動ですら、今の自分にとってはキケンなものであったようでして、暫く歩いていると、遂に自分の体に劇的な変化を与えてきたのでした。
最初は、左足の腿が悲鳴をあげました。⊂⌒~⊃。Д。)⊃ アウチッ
続いて、右足のふくらはぎ、左足の腿、と歩けば歩く度に、「ビキッ!」と足が吊っていくのです。⊂⌒~⊃。Д。)⊃ アウチッ
痛くなる度に、足のストレッチをしながら、休憩を取らざるを得ませんから、歩くスピードは今まで以上にガクンと落ちてしまいます。ストレッチをしつつ足を伸ばしながら、そういえば、こんな体験をしたのは、
登山を始めてまだ初期の帰り道の高速で、クラッチを切る度に足が吊るというクラッチ地獄の時
とか
秋の日光白根山でアイスバーンとなった山頂付近の鎖場で、足をツルッと滑らす度に足が吊ったというスケート地獄の時
とか
秋の木曽駒ヶ岳で、無謀にもしげぞうさんの登山記録に挑戦して、途中で足という足の筋肉をフル回転で吊って動けなくなったというしげぞうさん地獄の時
今思えば、どれも懐かしい思い出です。などと、過去が走馬灯のように流れ始め
・・・って、こらこら。
足を吊った位で、何で走馬灯とかエピローグなんて用意してるんだか。現実逃避はそれまでにして、きちんと前を見ないとですね。
ただ、疲れてしまったのは確かのようでして、今までとは違うザックの重さに加えて、悲しくも体重増加による贅肉運搬の業務も一手に引き受けてしまった結果、100キロ近い重みをこの二本の足で受け止めなければならなくなっていたんですね。ザックと共に自分も減量、次回の目標です。

地図を見れば分かるように、燕山から古礼山までは緩やかな尾根道
体力さえ残っていれば、何てこと無い登りです

天気がよければ、もっと良く見えていたかもしれません

そうそう、この行程の標識がちょっと荒らされているようで
所々で無くなっていました
そこからの行程は、今までのような力任せのガシガシとした歩き方を改めて、ゆっくりした歩幅を小さくする方法に変えてみました。すると、何とか歩き出す事が出来て・・・と書きたくなる位、この時は、歩いては休みを繰り返す回数が尋常ではなくなっていまして、途方に暮れていたのは確かでした。これが、本番のもっと山深い場所でなくて本当に良かったです。皆さんも自分の状態にあった計画を考えておきましょうね。

歩く人も少ないと思って心配でしたが
全くそんなことも無くしっかりした登山道で、この辺りは一番歩きやすかったです

古礼山山頂コース(300m)と巻き道
そんな休み休みながら、古札山分岐まで到着。
ここでは、山頂コースと巻き道コースが用意されています。当然、山頂・・・と迷わず行きたい所でしたが、300メートル先の山頂がどれだけの道程となるのか分からないため、迂闊にホイホイ行くことが出来ません。しかし、ここで山頂に行かないというのも、心残りが出来てしまう気がして気持ち悪いです。
それではと、荷物を置いて行けば行けるだろうと、ザックを分岐に置いて山頂に向けて歩き出したのでした。

心配していたような急坂も危険な場所も無く
今までと同じような優しい道が続きます

途中には、こんな開けた場所とベンチがありまして
休憩にもってこいの場所ですね

ザックが無いとやっぱり楽だなぁという事を認識しつつ
古礼山山頂(2,112m)到着です
山頂には、知名度に似合わない程立派な山頂標識がありまして、ちょっと驚き。
あ、でもこの標識の形、どこかで見たことがあるんだよなぁ、しばらく考えていると・・・あ、木賊山で見たことがありました。大きけりゃいいとは思いませんが、県境だからなのか、埼玉県の「ここは埼玉の山」という必死の主張をちょっとだけ垣間見た気がしてしまいました。

山頂からの展望はこんな感じ
南西の方角に開けていました

またも削られていた標識
熊とかじゃないですよね・・・
当然ではありますが、山頂から、この先の水晶山にも繋がっているようで、「戻ってまた巻き道歩いたら、余分に距離歩くことになるんだよなぁ」と、今さら分かりきった後悔をするのでした。

ベンチまで戻って、疲れた身体を投げ出して大の字に
ふぇ~、今日は頑張ってるなぁ
と、遠方ながらゴロゴロと嫌な音が秩父側から聞こえてきました。時間的には、そろそろ行動するのもキケンな時間ですから、出来れば早くしたいものの、あともう少しかかりそうです。ゴロゴロが来ないことを祈りつつ、そそくさと分岐に戻ります。
分岐に戻ってくると、またまた居眠りおじさん(←変な命名してしまいました)に三度遭遇。亀のようなノロマな歩みは、たっぷり休憩のウサギさんに追いつかれてしまったようです。今日の目的地は同じようなので、今日の状態を考えると、一人ではないことは気分的にも安心ですかね。なんせ、今日は、笠取山を除くと出会っているのはこの方のみですから、この山域、静か過ぎます。
おじさんは山頂へ、自分は、休憩してから巻き道を歩くからと、ここでまたお別れしまして、巻き道コースに進みます。

ラララ~、苔むしな世界~

ラララ~、苔むしな世界~
平地歩きの楽さと、この苔っぷりがあいまって、久しぶりにテンションが上がってきました。何故かこの場所だけ、日陰でジメジメしているからか、山頂方面に皆さん歩いていくからか、あるもの全てに猛然と苔が生えておりまして、それは、それは、見事なものでした。山頂との二択は難しいと思いますが、是非ともこちらにも立ち寄っていただきたい光景でした。今回のベスト苔賞ノミネート。
こんな道がずっと続けば良いのにという願いは空しく、500メートルで終了を迎えたのでした。あらら、残念。

これでようやく半分まで来ました
反対側から古礼山山頂は200メートルです
次の三つ目・水晶山を登り切れば、後は下りになるはずですので、大変な場所も、あと一息といったところです。地図で見ても、場所的にそんなに遠くも無いのですが、今の自分にとっては、遥か彼方に見えていて・・・あぁ、かすむ・・・。
そうそう、最後は、ラストにふさわしく、登って登って登りまくり!

再び道は森に囲まれながらの登りとなります
急登ではありませんので、そんなに大変な道のりではありません

山頂に向けては登りの連続
よいしょ、よいしょと

峠間コースの三山目、水晶山山頂(2,158m)到着です
トボトボ歩くのが精一杯な状態でしたので、日暮れまでに着けるかと心配になるという、今までに無いくらいに弱気になっていたこともあって、水晶山に着いた時には、両手をあげて喜びを爆発。はははっ・・・なんて無意識に変な笑いが出る位に、気張った状態から開放されたので、もう嬉しいやらなんやら。山頂では、ザックをベンチに投げ出して、その辺かけずり回ってしまいました。

山頂の様子はこんな感じ
登山道に沿ってベンチが3つと山頂標識、展望は全くありません
これで、後は雁坂峠までの下山一気(のはず)。先程のダレっぷりを微塵も感じさせない、まさに復活の狼煙があがったかのような、気合いの入った歩きを披露します(ゲンキンだなぁ)。

登りがなくなればこっちのもんです
鼻歌交じりでふふふんっと2.1km先の雁坂峠を目指します

居眠りおじさんに聞いて知ったのが、この県境に置かれているブロック
赤い杭や石やマークは山梨と埼玉の県境に置かれているそうです

気が付けばかり坂峠はもう目前
雁坂小屋との分岐にやってきました
※ この分岐標識は、体験した人はお分かりの通り、誰もがおかしいと思う標識のようです。
雁坂峠 1.4km、雁坂小屋 0.3km
とありますが、雁坂峠へは、平地だからそう思えるのかもしれませんが、1kmもありません。しかし、もっと問題なのは、雁坂小屋への道ですが、急降下で300mではすまない距離が待っています。300mを信じて歩くと1km以上の感覚が待っております。急がば回れとはよく言ったもので、ここは、一度雁坂峠に行ってから、雁坂小屋に戻るのが正解だと思います。
自分は、先に雁坂峠(1.4キロ)を目指すのも大変なので、荷物を置いてからにするかとも考えましたが、明日は、雨かもしれませんし、小屋に行ったら行く気になるか心配だったので、先に峠に歩いていくことにしました。

雁坂峠ももう目の前
ほらほら木々の間から見えてますし・・・
地図を見ても、本当にそんな距離あるかなぁと不思議に思いつつ歩くこと数分。今回のメインターゲット、雁坂峠に到着したのでした。さすがにこの時間では、見渡す限り人は無し。ベンチに座って景色を眺めつつ、今日の山行を振り返ります。

ここが日本三大峠の一つ「雁坂峠」
2,082mって峠なのに2000m級なんだなぁ

マイナー感たっぷりの標識
とはいえ、ちょっと前までは、ここを歩いて渡っていたんですからね

巡って来た行程を振り返る(水晶山方面)
今日は楽々山行のはずだったんだけどなぁ

これが雁坂峠からの眺め
目を凝らすと雁坂トンネル出口の橋が見えるんですよ
==
雁峠~燕山~古礼山~水晶山~雁坂峠(最高峰・水晶山 2,158m・埼玉/山梨県境)
コースタイム 3時間20分(コースタイム通り)
雁峠(12:20) ~ 登山道 0.9km・40分 ~ 燕山(13:00) ~ 登山道 1.7km・1時間10分 ~ 古礼山(14:10) ~ 登山道 0.9km・50分 ~ 水晶山(15:00) ~ 登山道 2.1km・40分 ~ 雁坂峠(15:40)
標高差もアップダウンもそんなに大きくなく、危険箇所も無く、歩く人も少ないため、静かなゆったりした山行が出来るコースです。燕山~古礼山・雁坂峠の景色もいいので、良い天気であれば、山梨の同じクラスの山々が綺麗に見えることでしょう。ただ、ここまで来るアプローチがどうしても長くなってしまうので、雁坂峠からの二日目に使うのが一番ゆったり出来るかと思います。自分のようにバカみたいに、笠取山に惹かれなければ、国道140号線~雁峠~雁坂峠は、時間的(6-7時間)にも、コース難度としても、いいコースになると思いますよ。
==
足攣はキツいですよね。それもこの距離の途中では。
いつもながらの若駒のカッ跳び距離に驚きつつ(一体、どれだけ歩けるの!?)楽しく拝見させて戴きました。
って、まだ終わってないですよねぇ?
いったい、ザック重量は何kg?テントを担いでいかれたんですか?それにしても、100kgは解せませんね。
祝! 峠に到着。いい道ですね~。私もあるいてみなくっちゃ。
足攣るのはつらいですよね。って、わたしは山で攣ったことないんですよ。攣るのは、もっぱら寝てるとき。はて、どっちが不健康なんでしょ?
ところで、ねこさんって苔好きだったんですっけ?
いやいや、期待にお応え出来ずに無事に到着してしまいました(笑)。
足が吊らなければ、もう少し順調にレポも書けたはずですが(そうなの?)、いやはや四話にしてようやくとなりました。レポは、この後に一つ書きましたから、あと一回で終わるはずです。
二日目は、一気になりますがご期待下さい。
あらら、訂正していなかったのバレちゃいましたね(汗)。100キロはもうしばらく大丈夫ですが、とはいえ、
テント装備+体重=ヤバイ重さ
最近、本当にこのデッドラインが見えてきてしまっていて、ドキドキしています(太り過ぎて動悸も…)。
足もそれが原因の一つですから、ソイジョイ食べて運動量あげていきますわ。
休みをきちんと有効活用されて、まきくまさんって凄いですよね。見習いたいです。
危険な場所も無くて、なかなか良い道でした。ただ、この時は、やはりまだ暑過ぎましたから、季節を考えたらもっと気持ち良くあるけますよ。
自分も苔好きでして、八ヶ岳苔むし会にも加入しています(heppocoさん会長…って、あるんか?)。
歩いていて足がつったことが無いなんて、無理しない歩き方が確立しているんですね(ステキ)。
寝ていて足がつるのは、水分をとる事で少しは確率を下げられると聞いています。山の中では、貴重な水ですし、トイレ問題もありますが、帰ってからなどでも是非お試しあれ。
実は、ねこさんのレポで急遽予定を変更して、この連休はナメラ沢からねこさんコースを逆ルートで歩こうと無謀にも計画しましたよ。
結果、西破風山から雁坂峠で落馬?でした。
往年の名馬と聞くと、何だか年老いた馬みたいに聞こえますね(笑)。ぜいぜいさんのイメージに上がった名馬は、何でしたかね。自分は、サニブー位とちょいと若めな選択を(若くはないか…)。
レポを見てだなんて、嬉しいですよ。ぜいぜいさんでしたら、やはり沢メインでしたか?あの辺りは楽しそうですものね。しかし、落馬って、何が起きたんですか…(汗)。
私はやっぱ青春の思い出ハイセイコーですがな~
ダービーはちょっと苦戦したのよね。
落馬っつうのは、雁坂峠から雁峠方面まで縦走できなかったことですよ~
サニブーでお分かりになる方だったとは…かなりビックリしましたよ(汗)。ハイセイコーブームの時には、さすがにやっていませんでしたが、タケホープが可哀相だなぁと記録をみるとよく思います。そうそう、サニブーなんて書いてましたが、本当は、ブルボン超特急の頃が競馬熱最盛期。今度ゆっくりお話ししたいですね。
…って、山関係ないですね(笑)。しかも何だか食い付き過ぎ。
ナメラ沢、コメントの後に帰ってから地図で見ましたが、本当に沢なんですね…。ここから西破風山に、はぁはぁなるほどと感心しきりでした。このコースで日帰りぐるりっぷしたらビビりますよ。