2012年7月29日(日) 早朝 福島駅にて
早朝 5時半起床。
本日の予定としては、南相馬市街の交通規制が始まる8時には、駐車場に停めて準備を整えていたいと考えていたため、気合十分で朝早くから出発です。早々に行きたい理由は、それだけではなく、福島から南相馬を結ぶルートがほぼ決まってしまっていることもあり、渋滞になるか分からないものの、混雑する前に走り抜けたいと思っていたこともありました。
コースが限られていることもあり、複雑ではないため、ダラダラと車を走らせていきます。
異変に気付いたのは、川俣町の分岐を過ぎてしばらく走った後のことでした。昨日も睡魔と闘いつつフラフラになりながら南相馬から福島への道を走っていましたが、昨日と同じ道ですから、さすがに違う道を走っていれば、「あれ? こんな場所あったっけ?」と、疑問に思う程度には反応します。そのまましばらく進んだ分岐にて、ようやく自分が別の道を走っていることを確信します。
しかし、地図を見ていると、このまま戻るより、別の分岐から行った方がロスが少なく思えたので、そのまま進むことにしました。
・・・ここです。ここ、アンダーラインです。
おそらくこの思考回路が、数多くの問題を巻き起こす原因なのでしょう。
昨日もでしたが、警戒区域で火事場泥棒をするような心ない人もいるようで、警戒のためにパトカーが巡回をしているのを見かけます。今日も早朝から、非常によくすれ違いますが、県外ナンバーは怪しいと思われてしまうかなと心配になります。このあたりに市街地のような場所は、無いようですが、そのパトカー以外に人の気配は全く感じることもなく、人が居ないだけで道路も家もこのような状態になるのかというような、植物の繁殖力に驚かされます。車も人もすれ違うことも無いためスムーズに進んでいくと、国道の分岐と看板が目に留まり、今更ながら自分が何処にいるのか知ることとなったのでした。
浪江町
ニュースに疎い自分でも、知らないわけはありません。
その看板では、この先は、通行止かつ検問が敷かれており、進もうとした飯舘村や南相馬市など全てのルートが危険区域として立入禁止となっていたのでした。警察が多いのも当然です。全く自分は、何をしているのかと反省しきり。あわてて引き返しましたが、毎度の反省ながら、これにはちょっとへこみました。
その後もこの道なら行けるかなというコースもありましたが、先ほど同様、道は繋がっていても通行できるか分からないため、結局、道を間違えた場所まで戻ることとなりました。急がば回れ、けだし名言です。
そんなタイムロスもあって、戻ってきた頃には、本線はすっかり車の列ができていました。規制前に到着したいと思っていましたが、本線に戻ってきた時点ですでに時間外の8時過ぎ。その後も、南相馬市街の入口から渋滞に巻き込まれ、結局駐車場(といっても地元民についていったので、正規の場所かよく分からない場所に停めました)に着いたのは、行列が始まる直前の9時30分前でした。
行列が通過する大通りには、すでに日陰に陣取る地元民で溢れていました。
元々歩道が狭いので、文字通り人が歩道いっぱいに溢れています。行列を見る観客だけでも、凄い人です。今日は、朝から陽射しが強いですから、長期にわたる行列を見るには、日陰と座る場所の確保は必須ポイント。そのためか、日陰の確保が出来る東側に観覧する人が固まっていて、西側の陽射し直当たりの場所には、殆ど居ない状態となっています。
開始前の様子
この先の人だかりでは、「相馬野馬追太鼓」で盛り上がっていました
プロの見学スタイルは、このように座れる日陰を確保することのようです
○○会のような集まりは、このような場所で見学をしていました
ここで、相馬野馬追行列の解説もしてくれます
街にも野馬追の旗がはためき、お祭ムードも高まります
事前に道の駅で入手していた行列の地図によると、行列の詳細解説をしてくれるポイントがいくつかあると書いてありましたが、そこは、テントが張られ地元の有力者の方々がいらっしゃるようでした(お祭りにある各地区の拠点のような感じですかね)。ただ、その周辺は、ほかの場所と比べ物にならないくらいに大人気のようで、すでに人で溢れていたため、何処にいったものか悩みつつ、次第に上流に歩いて行くこととなりました。不思議なことに、ポイントを決められていない方は、なぜか上流を目指していくんですよね。
結局、しばらく歩いてみたものの、素人には、どこがいい場所なのかの判断がつかないため、邪魔にならなそうな場所で見ることにしました。
そして、消防団の車を先頭として、野馬追行列御本陣に向けての行列が始まります
アスファルトの道路を騎馬武者が歩いている姿は
なんとも不思議でもあり、やはり格好良いです
次第に馬の数も増えてきます
行列は騎馬だけではありません
御神輿もお行列に参加します
イベントの武者行列などは見てきましたが
これだけの数の騎馬群を見るには初めてです
こんな小さな子供でも騎馬隊の一員です
若干曇り予報でしたが、朝からとてもいい天気に恵まれました
見ているだけでも暑い日でしたので、甲冑を着た皆さんは大変でしょうね
相馬小高神社の宮司さんでしょうか
馬が・・・ごつい・・・
御神輿もいい形ですね
昨年は相馬にて80騎の行列を見て驚かされましたが、今回の騎馬はなんとその五倍となる400騎以上。しかも、それでも全盛期の八割というのですから・・・今まで正直、このような祭りが在ることすら、知らなかったことが不思議に思えます。旗印や甲冑もそれぞれ違い、ベテラン、若手、子供までもが勇壮に馬に乗っているのは、格好良かったり、微笑ましかったり、と楽しめます。
伝令や口上も真剣そのもので勇ましいですし、馬が暴れたり疾走したりと人馬であるが故のハプニングも多々あったりと、行列を見ていて飽きません。そして、地元の方同士が楽しそうに声を掛け合っているのは、見ていて和む光景でした。
そんな中、怒号と共に騎馬が走りだしました。
「戻れ~、戻れ~」
その剣幕に何事かと誰もが馬が向かった先に視線を向けると、親子連れが先程の騎馬に追われています。
「行列を横切るとは何事だ!」
行列の前で道を横切ったようで、それを見た騎馬が追いかけていったようです。
親子連れも逃げようと試みたようですが、彼らが戻るまで、厳しく叱責が続いていました。
そう、見る側にとっては、変わったイベントとはいえ、これは神事。参加者にとっては、真剣に大切にその行事を捉えています。上から眺めること、行列を横切ることは、タブーとされている行為であり、見る側としてもそれを守るべきことなのでしょう。
その事態の後、野馬追について解説をしている場所からは、「昔はそのようなことをした時には、ただではすまなかったことであって・・・」とアナウンスもあり、伝統を大切にしていることを感じる一幕でした。
行列が問題なく進んでいるかの確認や他の騎馬への伝令など
こちらがドキッとするような気迫が感じられました
行列は、一時間以上続いたでしょうか。甲冑騎馬ではなく、馬運車とパトカーがやってきたところで、行列も終わりとなりました。見ていた人達は、そこから本会場である祭場地に歩いて向かうようで、ぞろぞろと人の群れが自分の前を通過していきます。
確か、この後は、甲冑競馬が昨日見た会場で行われるのだったかと、自分もこの集団に付いていくか、空くまでここでしばらく待つか悩んでいたところ、見知った顔が目の前を通りすぎていったのでした。
あの目と山帽子は・・・って、もしかして、たけさんか?
「おぉい・・・たけさぁん?」
あれ、人違いなのか反応がありません。もう一度勇気を出して声をかけてみると、
「お~お~、ねこさん、何してるの~」
とやっぱりたけさんでした。偶然とはいえ、こんな大勢の観光客が集まる中でバッタリするとは驚きです。こんな所でお互いオトコ一人というのも驚きです(ヲイッ)。
折角なので、メイン会場もご一緒させてもらうことになりました。
甲冑競馬には、まだ時間がありますが、昨日見た段々な階段状の会場から見るのかと思っていましたが、
「競馬は、こっちから見た方が迫力あるよ」
とたけさんからのアドバイス。
段々畑の観覧席も、最前列は写真撮影や観覧ベテランの方が確保済
たけさんのスポットもやはり人気の場所のようです
競馬を見る場所としては、確かにいい場所
それにしても、人がもう一杯になってきていますね
会場内も準備が進められています
見学は団体確保場所以外は、ほぼ自由に何処でも座って良いらしいです
いよいよ、甲冑競馬がスタートです
まずは、お試しの2頭立て
出走馬数の関係から、十二頭立ては無く5~7頭が殆どでしたが
甲冑と指し旗を纏っての競馬は迫力あります
競馬を終えると、順位の隊列で本陣山の羊腸の坂を駆け上がります
ドドッという走る足音と共に、バサバサと旗が音を立ててはためいています
ウイニングラン
落馬もありました
それにしても凄い人
後続の方は、やはり砂が大変
競馬のようにゴーグルも無いですから、そこを堪えて走らなければなりません
甲冑姿、後姿も格好いい
今回最大の頭数
後続は、砂塵に苦しめられました
さて、続いては、相馬野馬追最大の呼びもの、神旗争奪戦です。
面白いですね~
故郷とはいえこれだけの人込みでびっくりです。
白山でバッタリを思い出しました!(^^ゞ)
でも山でバッタリよりすごい!