昔々、彩の国の外れにかいねこというネコがすんでいたそうな。
かいねこは、そのむかし、ネズミにだまされて干支になれなかった猫の孫にあたるそうで、毎日顔を洗い、ネズミを追いかける日々をおくっておりました。そんなある日、きょうも顔を洗いに池にやってくると、突然山の女神さまがあらわれました。
「私は、毎日神様のお告げのとおりに、顔を洗っております。いつか神の使いに入れてもらえるのでしょうか?」
「神の使いになりたいのなら、多摩の祠にあるという甘露を見つけてご覧なさい。さすれば願いがかなうことでしょう」
それを聞いたかいねこは、翌日喜び勇んで出かけたのでありました。
もうすぐその祠に着くというところで、アジサイを囲んでのお祭りを行おりました。そのアジサイたるや、この世のものとは思えない綺麗さで、ひきつけられるように見入ってしまいました。
気がつけば、どのくらい時間が経ったのでしょうか。かいねこは、当初の目的を思い出し、急いで祠に向かいました。華やかな祭りのすぐそばに、目立たないようにその祠はありました。
「こんにちは。女神様から聞いて、甘露を頂きに参りました」
呼べど叫べど、だれも出てきてはくれません。その後も繰り返し呼んでいると、その祠が口を開きました。
「お前は、また来る時間に遅れてしまったようだな。もうすでに甘露を渡す時間は半刻以上過ぎているぞ。そんな怠け者のお前には、神の使いになる資格などないわ」
かいねこは、またも時間に遅れてしまったのです。とぼとぼと泣きながら家に帰るかいねこを、山の女神様は、不憫に思い再び現れてこう言いました。
「この近くの是政の祠に行けば、もらえるかもしれません」
喜び勇んで飛ぶような勢いで、是政に向かいました。ただ、その祠への道は、入り組んでいて分かりづらかったので、何度も何度も道に迷って、へとへとになりながらようやくたどり着きました。有難いことに、その祠には、確かに話で聞いた甘露がお供えされておりました。今度こそと、そこの巫女さんに聞いてみました。
「その甘露を私にも頂きたいのですが」
「あいにくと、その甘露は、今日は切れてしまってね。神様にお供えするだけしかないんだよ」
またもや、時間を守れなかったのです。
結局、甘露には、出会えたものの手に入れることが出来ませんでした。再び泣きながら、とぼとぼと家に帰っていたのですが、いつ道を間違えたのか、気がつけば、別の場所に来ていました。そう、その甘露に書かれていた神様の使いが目の前に姿を現したのです。
実際に、初めて目の当たりにする神の使いは、それはそれは立派な姿をしておりました。かいねこは、自分が神の使いになろうという大それた事を考えたことを恥じて、顔をあげることが出来ませんでした。そんな謙虚な気持ちに神の使いも感じ入ったようでした。
・・・どれ位時間が過ぎたことでしょうか。気がつけば、我が家に戻っておりました。そして、目の前には、例の神の使いがそのまま変化したような、甘露が置かれておりました。
「これを食べれば、神様の使いになれるんだ」
先ほどの考えなど、すっかり忘れてその甘露に手をだしました。一口食べると、この世のものとは思えない味に、すっかり魅了されてしまいました。一口、また一口と食べる自分にどこからともなく声が聞こえてきました。
・・・それ以上は、食べてはいけない
しかし、抗し難い味に1つ、また1つと、10個すべてを食べ尽くしてしまいました。かいねこの心の中では、甘露の至福感と神の使いになれるという喜びで一杯になっていたのでした。
そして、翌日。
女神様のお告げの通り、神の使いになっていました。
ネコではなく、ブタとして・・・。
==
・・・という伝説があったかどうか知りませんが、山の女神様のお導きによりこんな美味しい食べ物にめぐり合うことが出来ました。
菓子の青木屋 「神狛最中(しんぱくもなか)」
写真にあるような大國魂神社の狛犬に想いを寄せてつくったという最中です。但し、おそらく国の重要文化財「木造狛犬(宝物殿にあります・写真撮影禁止なので今回は外の狛犬写真で代用)」がそのベースとなっているようです。この外の狛犬自体も不思議なものでして、なんとお乳をあげているんですよね。うーむ、お母さんだったとは・・・。
話が逸れましたが、この最中、小豆の餡もさることながら、中の求肥(餅)と合わさって本当に美味しいです。他にも、
「日々是くろどら」(どら焼)・甘さ控えめボリューム溢れる餡に外の皮がフワフワでほんのり黒糖の味がするというすばらしい逸品。
「ブッセ樹華夢(ジュゲム)」(焼き菓子)・もっと柔らかいかと思いましたが、ちょっと外が固めでした。マロンクリームは、マロンがちゃんと入っていて美味しかったですよ。他の商品と比べると自分の好みでは・・・。
「武蔵野日誌」(ロール菓子)・チョコとストロベリーがありますが、なんといってもお勧めは、ストロベリー。あの粒々感がやみつきです。
「かちがらす」(焼き菓子)・新製品。黒ゴマたっぷりのブッセ生地にゴマ餡。大人の味ですね・・・。
それから、お店で食べるお団子の甘辛の美味しいこと・・・。また、お土産に喜ばれる「長竹羊羹」もお勧めです。
・・・って、流され流され、最終的に、けやき並木通り店(府中フォーリス1F)に行ってきましたが、どんだけ食べてきたんだか?!
たまには和菓子もいいもんですね。皆様も府中や多摩にお越しの際には、是非!!
菓子の青木屋
かいねこは、そのむかし、ネズミにだまされて干支になれなかった猫の孫にあたるそうで、毎日顔を洗い、ネズミを追いかける日々をおくっておりました。そんなある日、きょうも顔を洗いに池にやってくると、突然山の女神さまがあらわれました。
「私は、毎日神様のお告げのとおりに、顔を洗っております。いつか神の使いに入れてもらえるのでしょうか?」
「神の使いになりたいのなら、多摩の祠にあるという甘露を見つけてご覧なさい。さすれば願いがかなうことでしょう」
それを聞いたかいねこは、翌日喜び勇んで出かけたのでありました。
もうすぐその祠に着くというところで、アジサイを囲んでのお祭りを行おりました。そのアジサイたるや、この世のものとは思えない綺麗さで、ひきつけられるように見入ってしまいました。
気がつけば、どのくらい時間が経ったのでしょうか。かいねこは、当初の目的を思い出し、急いで祠に向かいました。華やかな祭りのすぐそばに、目立たないようにその祠はありました。
「こんにちは。女神様から聞いて、甘露を頂きに参りました」
呼べど叫べど、だれも出てきてはくれません。その後も繰り返し呼んでいると、その祠が口を開きました。
「お前は、また来る時間に遅れてしまったようだな。もうすでに甘露を渡す時間は半刻以上過ぎているぞ。そんな怠け者のお前には、神の使いになる資格などないわ」
かいねこは、またも時間に遅れてしまったのです。とぼとぼと泣きながら家に帰るかいねこを、山の女神様は、不憫に思い再び現れてこう言いました。
「この近くの是政の祠に行けば、もらえるかもしれません」
喜び勇んで飛ぶような勢いで、是政に向かいました。ただ、その祠への道は、入り組んでいて分かりづらかったので、何度も何度も道に迷って、へとへとになりながらようやくたどり着きました。有難いことに、その祠には、確かに話で聞いた甘露がお供えされておりました。今度こそと、そこの巫女さんに聞いてみました。
「その甘露を私にも頂きたいのですが」
「あいにくと、その甘露は、今日は切れてしまってね。神様にお供えするだけしかないんだよ」
またもや、時間を守れなかったのです。
結局、甘露には、出会えたものの手に入れることが出来ませんでした。再び泣きながら、とぼとぼと家に帰っていたのですが、いつ道を間違えたのか、気がつけば、別の場所に来ていました。そう、その甘露に書かれていた神様の使いが目の前に姿を現したのです。
実際に、初めて目の当たりにする神の使いは、それはそれは立派な姿をしておりました。かいねこは、自分が神の使いになろうという大それた事を考えたことを恥じて、顔をあげることが出来ませんでした。そんな謙虚な気持ちに神の使いも感じ入ったようでした。
・・・どれ位時間が過ぎたことでしょうか。気がつけば、我が家に戻っておりました。そして、目の前には、例の神の使いがそのまま変化したような、甘露が置かれておりました。
「これを食べれば、神様の使いになれるんだ」
先ほどの考えなど、すっかり忘れてその甘露に手をだしました。一口食べると、この世のものとは思えない味に、すっかり魅了されてしまいました。一口、また一口と食べる自分にどこからともなく声が聞こえてきました。
・・・それ以上は、食べてはいけない
しかし、抗し難い味に1つ、また1つと、10個すべてを食べ尽くしてしまいました。かいねこの心の中では、甘露の至福感と神の使いになれるという喜びで一杯になっていたのでした。
そして、翌日。
女神様のお告げの通り、神の使いになっていました。
ネコではなく、ブタとして・・・。
==
・・・という伝説があったかどうか知りませんが、山の女神様のお導きによりこんな美味しい食べ物にめぐり合うことが出来ました。
菓子の青木屋 「神狛最中(しんぱくもなか)」
写真にあるような大國魂神社の狛犬に想いを寄せてつくったという最中です。但し、おそらく国の重要文化財「木造狛犬(宝物殿にあります・写真撮影禁止なので今回は外の狛犬写真で代用)」がそのベースとなっているようです。この外の狛犬自体も不思議なものでして、なんとお乳をあげているんですよね。うーむ、お母さんだったとは・・・。
話が逸れましたが、この最中、小豆の餡もさることながら、中の求肥(餅)と合わさって本当に美味しいです。他にも、
「日々是くろどら」(どら焼)・甘さ控えめボリューム溢れる餡に外の皮がフワフワでほんのり黒糖の味がするというすばらしい逸品。
「ブッセ樹華夢(ジュゲム)」(焼き菓子)・もっと柔らかいかと思いましたが、ちょっと外が固めでした。マロンクリームは、マロンがちゃんと入っていて美味しかったですよ。他の商品と比べると自分の好みでは・・・。
「武蔵野日誌」(ロール菓子)・チョコとストロベリーがありますが、なんといってもお勧めは、ストロベリー。あの粒々感がやみつきです。
「かちがらす」(焼き菓子)・新製品。黒ゴマたっぷりのブッセ生地にゴマ餡。大人の味ですね・・・。
それから、お店で食べるお団子の甘辛の美味しいこと・・・。また、お土産に喜ばれる「長竹羊羹」もお勧めです。
・・・って、流され流され、最終的に、けやき並木通り店(府中フォーリス1F)に行ってきましたが、どんだけ食べてきたんだか?!
たまには和菓子もいいもんですね。皆様も府中や多摩にお越しの際には、是非!!
菓子の青木屋
ほんとにそんなに食べたのですか?一度に?
もう感動するやらビックリするやら可笑しいやらで涙が出てきます!
その涙ぐましい行動力にお腹がよじれそう・・いやいやその行動力に感涙しております。
甘露を忘れるくらいアジサイの美しさに目を奪われて、かいねこさんもその世界にどっぷり浸かって来ましたね~(笑)
でも女神のおつげはかいねこさんにとって何だったのか・・・ネコからブタになってしまったなんて、責任感じてしまいますぅ・・・・^_^;
ちなみに私は最中大好きですが、武蔵野日誌のチョコが気に入ってました!ストロベリーは無かったんですよ。
して、女神様にお供えは?
フォーリスの青木屋はわたくしの御用達ですぅー
改装する前は通路挟んだ対面(今はパン屋)でもっと大きな店舗でした。最中いいですよねー。武蔵野日誌も苺・チョコ共に好きです。くろどらは遅い時間だと売ってないこと多しです。
とにかく、”あんこ大好き!”なので会社の引き出しにはヨウカン常備です。
書き出したら止まらないので、この辺でやめておきますが、府中情報うれしです。
栗まつりもいいっすよ。
もう笑いがとまらなくってこまってしまいます。ねずみにだまされて干支になれなかったとは・・・(爆
府中で最中を購入し、そんでもって食べ過ぎちゃったこと(←これもほんと?)を神話仕立てししちゃうなんて、すご~い。狛犬最中は府中に行けば買えるんですね!さいたまにおみやげ買ってきてほしかったなぁ(笑 そういえば、この狛犬さんと狛ブタ?さんは、物語と実際に関係あるのですか?
山の女神様=sanaeさん
↑そのとおり!!
いきなり女神様からのコメントを頂きました(笑)。
sanaeさん記事の翌日に行くとは、我ながら頑張ったなぁと感心してしまいました。今回、狛犬が入口でしたが、あまりというかほとんど目を向ける事が無かった和菓子の魅力を堪能\することができたのも、sanaeさんのおかげです。本当にお供えしないと、罰が…いやいや感謝の気持ちで…。
初めまして。えぇっと、あのたけさんですよね(汗)。女神様の次は神様からコメントを頂けてしまうとは、内容によるところでしょうか、うれしい限りです。これで、自分も例の掲示板への参加が許され…もうちょっと修行してからにします(汗)。
御用達ですか!あんこ好きでしたら分かる気がします。今回食べてみまして、和菓子の再発見をした気分でした。いい所を見つけたなぁと思っています。他にもオススメがありましたら、是非ご教授下さいませ。今後ともよろしくお願いします。
これで、まゆ太さんも優先梅酒権ゲットですよ(笑)。
笑って頂きましてありがとうございます。昔話はともかく、郷土の森工場では、15:00終了を知らずに15分遅れ、是政店では売り切れ、とそんな憂き目に合いながらやっと見つけたもので、喜び倍増、食欲倍増(笑)。ますます夏が遠くなって行きます…。
埼玉に持って来ても日持ちがしないので、まずは、まゆ太さんをラーメン屋で見つけてからにしますよ(笑)。
あのブタさん狛犬は、今回の物語とは、全く関係ありません。確か、御岳山~大岳山の途中にありますよ。
しかし、いくらなんでも食べすぎじゃないですか?一度にこれだけ食べたとしたら・・・ぜひご一緒に甘いものツアーを計画したい所です あたしも甘いものに目がないので。
ツブツブ感のあるストロベリーというフレーズに軽くヤラレてしまいましたし(笑
そっか、飼い猫さんはブタさんだったんですね
やっぱり食べ過ぎですよね。まぁ、それだけ美味しかった証拠なんですよ(笑)。夏到来ですが、すっかり身体は冬支度。ブタさんって、ちょっと可愛い響きに、それもありかと思いそうになってしまいましたよ(汗)。
お誘いはうれしいので、ツアーはお受けさせて頂きますが、残念ながら、秋以降にお願いします。自分もTiCAさんもイベントがありますからね。
なにせ、あんこな話で、しかも近場でしたので^^
甘い匂いが漂ってたんでしょうね~
たけ小屋の掲示板は山が(酒が)好きな人ならどなたでも!!お待ちしておりますヨ!
全然不躾でも御座いませんし、お好きなだけ蹂躙していって構いません。たけさんに書いていただけるなんて、なんとも山ブログっぽいじゃありませんか(笑)。内容は、全然山とは関係ありませんけど。「甘い匂いに弱い」っと・・・覚えておきます(メモメモ)。
たけ小屋の掲示板は、濃度が濃すぎてまだまだ素人には、危険すぎて近づけません(汗)。このまま行ってしまったら、襲われるか、巻き込まれるか・・・。別途、玉砕覚悟で突入したいと思います!!