その7・笹平より
笹平まで下りきりましたから、ここから一気にまた登り返します。
コースタイムで1時間20分登りっぱなしという、本日の天王山です。
サイノ河原に着いた頃には、さすがにザックを放り出す位にバテバテ
でもなんとかここまで来れましたから、あと一息です
予想ではそんなに大変な感じはしていなかったのですが、やぱり一気の登りによる疲れは、今までの歩きの疲れとはちょっと違います。とはいえ、コースタイムは長いとはいえ、『甲武信小屋まで行けばなんとかなる』という精神的な支えは強く、無理はせずに休み休み登っていけました。甲武信小屋から来た2パーティ以外とは、すれ違うこともありませんし、後ろから、おじさんが歩いて来てはおりますが、メジャーなコースではないため、静かな山歩きを満喫出来ています。
岩が増えて来たので、歩き辛さも増してきます
右の木の赤印は県境
岩の上に×印に赤という所もありました
・・・いつの間にやら、県境ハンター
これは赤くても県境ではなくてキノコ(←当たり前)
9月も頭くらいと思っていましたが、もう秋なんですね
次第に道が緩やかになっていきました
ということは・・・
遂に分岐地点まで到達しました
雁坂峠から5.3km、いやぁ長かった
思っていたよりは、短めの時間で登りをクリアして、念願の分岐までやってきました。木賊山(とくさやま)は、帰りにも通過するからと帰り道に行くことにして、巻いて巻いて手巻き寿司のように、巻くことにします、力の限り。
木賊山を左に見ながら歩くこのコースも
昨日の古礼山と同様にラララ苔むしな世界
コースタイム通り15分歩くと程なく懐かしい光景に出会えました
ついに甲武信小屋までやって来たのです
天候なども考えて、なんとか午前中までにここまで来たかったので、予定としては、なかなか順調です。この季節に来るのは、初めてでしたが、夏山と紅葉の丁度中間の空いている時期のようで誰もいないようです。ベンチを借りて20分程休んでいても、誰も下りて来ませんし、登っても来ません。鳥のさえずりを聞きながら、ボへ~とします。
さて、いよいよ甲武信ヶ岳山頂に向かいます。山頂へは往復となるので、荷物は、ここにデポさせてもらおうと思い、ついでに何か調達しようと、小屋に声を掛けてみます。北爪さんにもご挨拶しないとですからね。
声を掛けると、奥からテレビを見ていた徳ちゃん登場。宿泊の方がテレビを見たと言っていましたが、本当にあるんですね・・・。冷水にプカプカ浮かぶビールを横目で見ながら涎ダラダラしつつ、カップラーメンとスポーツドリンクを買います。さり気なく、北爪さんは? と聞いてみると、昨日から下山して不在とのことで残念。というよりも
「知り合いか?」 (゜Д゜)
・・・そう誰何されるのも当然です。
「は、はひぃ」
という、情けない返事をしつつ、頭の中では、えぇと、heppocoさんじゃなかった、あれがこうで友達の友達は皆友達といいますか・・・いや、あれ? そういえば、徳ちゃんともご一緒したことあったんだっけ、とまぁ、しどろもどろに、怪しさブルーマウンテン。
最終的には、分かって頂けたようで、折角来たのに残念でしたと慰められました。
ザックを屋根付きベンチにデポさせてもらい、カップラーメンや水やらをアッタクザック(←おおっ、名前がデキル感じ)に入れて、甲武信ヶ岳山頂を目指します。結構休憩を入れたので、居眠りおじさんも来られるかな? と期待しましたが、残念ながら出会えませんでした。
百名山にも挙げられる人気の山も季節外れだからか誰もおらず、一人残暑の山を登ります。
こんな道だったっけかな?
前回は、小屋から山頂だけ軽アイゼンをして登ったなぁなどと懐かしく思いつつ、軽いってステキ! と楽々で登りきると、甲武信ヶ岳山頂に到着です。
今日は、晴れたり曇ったりの天気でしたが
山頂に向かうときは、急に日差しが強くなってきました(ありがたや)
クランキーアイスを地面に突き刺したような、堂々とそびえる山頂標識
(↑ 表現が堂々としてませんって、ほらほら当たり付とか言わない)
甲武信ヶ岳山頂(2,475m)に登頂です!!
今回4山目(笠取山・雁坂嶺・破風山・甲武信ヶ岳)となるライバル(?)山梨百名山標識
端っこにちょこっとありました
実は、ここの山頂からちゃんと景色が見えたのは初めて・・・
と、ちょっとかすんでいますが、初の景色をお昼寝ご飯と一緒に満喫です
カップラーメンと山頂のツーショット
巨大なクランキー・・・もとい山頂標識の後ろに階段がついていたなんて・・・初めて知りました
ただ、登って標識と並ぼうとするのですが、上の石が緩くて・・・
日差しが暑いなぁと、しばらく、ボケ~としていると
やおら前方の雲がモクモクと急成長していきます。うん、ヤバイ
そそくさと片付けて、下山を開始します。甲武信小屋に向かう途中で、またまた居眠りおじさんと今回の山行七回目となる遭遇を果たしまして、お互いの無事と今度こそのお別れとなりました。次の週は、ここから国師ヶ岳~金峰山に向かう予定だそうですから、これからも縦走頑張って欲しいです。
さて、デポしたザックを掴み、ズッシリと重さを感じつつ下山・・・と思いきや最後の山、木賊山がお待ちかねです。歩いて行くと、こんな急でしたっけ?な砂利の登りがあったりして、最後まで山歩きさせてもらいました。
甲武信小屋~木賊山への最後のザレザレ登り
登山道の途中・・・といいますか真ん中に見慣れた標識が見えてきました
ここが木賊山(とくさやま・2,468.6m)、展望はありませんがしっかりした三角点です
立派な三角点標識もありますが
・・・あれ? ここって三等三角点のはず(二本消えてますね)
ここでは休憩せずに、ここから戸渡尾根分岐を経て一気に下山します。
下山コースで3時間、このコースタイムですと普通に行っても夕方になってしまいますから、下り坂とはいえ、まだまだ結構あります。下り坂は、まっさかさまに落ちていくような急な下り坂ですから、時間短縮をする事も難しそうです。
急坂の樹林帯を一気に下ります
木曽駒荘にて開眼した毒キノコハンターの目が光ります
9月に入ったばかりだというのに、結構多いものですね
そりゃもう予想以上の落ちっぷり
転がらないように要注意です
しばらく下っていくと、葉っぱがパラパラと音を立て始めました。
雨のようです。こういった樹林帯の中にいれば、あまり濡れないから大丈夫かと、しばらくはそのままの格好で進んでいましたが、こういう時に限って、タイミング悪く森が途切れる尾根の上を歩いていくことになりまして、木陰を見付けて着替えることに。
久しぶりの赤レンジャー
熱が籠るから嫌なんだよなぁ・・・と、しぶしぶながらレインウェアとザックカバーをかぶせて準備万端。となった途端、いきなり、本当にいきなり、雨がカーテンのように降ってきたのでした。前方が煙ってしまう程の雨量に呆然と立ち尽くします。
これが、ゲリラ雨か・・・。
雨の予兆があれば山登りをしない位の雨嫌いのため、なかなか山では雨に降られないのですが、久しぶりに思い切りのいい奴に遭遇してしまいました。ただ、人間は、予想以上なものに遭遇すると、もういいや的な感じになりますよね。いくらレインウェアを着ていても、木々が遮ってくれようとも、そんな努力をあざ笑うかのように降り注ぐ雨に、すっかり濡れ鼠です。
暫く下っていった先は、結構道も狭くなり葉っぱも触れるほどに
雨露に濡れたその葉っぱ達は、自然の洗車機のように全身を洗ってくれたのでした・・・
(うーん、ソフトタイプ)
徳ちゃん新道との分岐に到着(右:徳ちゃん新道、左:戸渡尾根)
ここに標識無かったんでしたっけ? と探したものの、白い看板ぽいものがあるだけでした
徳ちゃん新道分岐までなんとか辿り着きまして、下山道も後半分。エアリアには、「天候不良時には新道を利用のこと」とありますし、分岐から見えるコースも見るからに鋭角に落ちていますから、注意に従い徳ちゃん新道を利用することにしました。
比較的緩やかに見えたのは最初だけでして
やはり急坂が待っておりました
そして、その後、もっと凄い光景が待っていたのでした。
先程からの豪雨により、登山道が水の通り道になってしまったのです。
・・・とはいえ、そんな経験は幾度もありましたが、徳ちゃん新道のような泥道の急坂が舞台となると、ウォータースライダーのような状態になってしまうようで、ずっと、ず~っと、道幅全体をゴウゴウと泥水が流れていくのです。こうなると、もう小さな沢を歩いている感じですから、靴は、すっかり泥だらけ。中まで浸水してはたまらないと、流れの外側に足をもっていこうとしたのですが、
ズルッ! ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ アヒッ
・・・滑るんですよ。まかり間違うと、そのままスライダーで落ちていけそうな位に轟々と流れていましたが、さすがに飛び乗る勇気は無く、そのまま恐々と尾根道が少し登りになるまでの30分以上、延々水遊びすることになりました。神経磨り減りまくりです。
あ、一回だけ思いっきり吹っ飛びました・・・。
始まりは、LEKIの石突のラバーが片方無くなってしまったことだったのですが、そこからむやみにストックが泥の中に突き刺さるようになりました。そこで、ストックが引っかかってしまい、その反動で足を滑らせてしまい、あっと思い必死でお尻をつかないように踏ん張ったのですが、支える手は濁流の中に・・・。しかも、運の悪いことにストックをもったまま泥の中に突っ込んでしまい激痛。踏ん張った片足も片手をついたことで、バランスを崩して滑って股裂き激痛。石突ラバーを失くして700円の出費に鈍痛。・・・と半泣きでした。
確かに、下りっぷりも凄かったですが、天候によりこんなに道も変わるのかと、最後まで気の休まる事はありませんでした。
ようやく登山道入口に到着
結局、コースタイム通りの時間を使い、ようやく固い大地に戻って来たのでした。こちらは、先程の喧騒もどこへやら、雨も小降りになっていましたので、何だか拍子抜け。身体を冷やした濡れ鼠は、肌寒さを感じつつ、道の駅に戻っていったのでした。
徳ちゃん新道の手前にある立派な登山道入口標識(お金かけてますね)
奥にある徳ちゃん新道の案内板と比較したら・・・安心感ではこちらに軍配
登山道は、西沢渓谷の遊歩道に繋がっていますから合わせて周遊も可能です
その丸いポール、誰か杖として使ってほしい・・・
以前、こんな記事書いたなぁ・・・と懐かしさがこみ上げます
国道140号線に戻ってきた頃には、雨の気配は全く無く
・・・寒いっす
渓谷そばにあるこの建物、何だか分かりますか?
そう、公衆トイレ「笛吹の音入処」
あまりにも懲りすぎて、紙で「トイレ」と書かないと認識出来ないスグレモノ
・・・誰かお金の遣い方を教えてあげて下さいよ
登山道入口から歩くこと35分
ようやく2日間の雁坂峠ぐるりっぷは幕を下ろしました
※ 結局、この時に風邪を引きまして、今日まで妙な咳に悩まされることになりました。暑いからといっても、油断は禁物ですね。
==
雁坂小屋~甲武信ヶ岳(最高峰・甲武信ヶ岳 2,475m・埼玉/山梨/長野県境)
コースタイム 10時間15分・所要時間(諸々含む):10時間25分
雁坂小屋(7:20)~ 0.5km・20分 ~雁坂峠(7:40)~ 40分 ~雁坂嶺(8:20)~ 1時間5分 ~東破風山(9:25)~ 30分・峠から2.6km ~西破風山(9:55)~ 20分 ~破不山避難小屋(10:35)~ 1時間30分・破風山から3.3km ~甲武信小屋(12:15)~ 0.4km・15分 ~甲武信ヶ岳(12:55)~ 15分 ~甲武信小屋(13:45)~ 0.5km・15分 ~木賊山(14:05)~ 1時間35分 ~分岐(15:40)~ 1時間30分 ~徳ちゃん新道登山口(17:10)~ 35分 ~道の駅みとみ(17:45)
==
全コース総括
2008年9月6日(土)~9月7日(日)・1泊2日(テント泊)
1日目:道の駅みとみ~(3時間)雁峠~(2時間)笠取山往復~燕山・古礼山・水晶山~(3時間20分)雁坂峠~雁坂小屋
合計:8時間40分
2日目:雁坂小屋~雁坂峠~雁坂嶺・東破風山~(2時間15分)西破風山~(2時間5分)甲武信ヶ岳~木賊山~(3時間20分)登山口~道の駅みとみ
合計:10時間25分
今回のテント泊は、通常使われているルートが、甲武信ヶ岳(泊)~雁坂峠のようでしたので、逆コースを歩いてみようと計画したのが始まりでした。初日に雁坂峠まで歩くだけでは、勿体無いと思い、未知なる埼玉の山を繋げて歩いてみた事が功を奏して・・・笠取山の誘惑は予定外で、ちょっと無理が入ってしまいましたが・・・概ね危険な場所のない、奥秩父を堪能する充実の山行となりました。2日目の時間は、ちょっと長めに見えますが、甲武信からの3時間の下りを除けば大体4時間30分ほどの山歩きですから、そんなにキツク感じませんでした。
今回は、ザックの重さや天候によりコースタイムも歩き方も考えないとならないこと、当たり前ながら水の大切さ、お酒の大切さ(笑)、誰もが経験するヒトリノヨルな世界、同じ道を行く山仲間のこと・・・色々勉強になりました。
山登りの醍醐味鷲掴み。また行きたくなりますね。
笹平まで下りきりましたから、ここから一気にまた登り返します。
コースタイムで1時間20分登りっぱなしという、本日の天王山です。
サイノ河原に着いた頃には、さすがにザックを放り出す位にバテバテ
でもなんとかここまで来れましたから、あと一息です
予想ではそんなに大変な感じはしていなかったのですが、やぱり一気の登りによる疲れは、今までの歩きの疲れとはちょっと違います。とはいえ、コースタイムは長いとはいえ、『甲武信小屋まで行けばなんとかなる』という精神的な支えは強く、無理はせずに休み休み登っていけました。甲武信小屋から来た2パーティ以外とは、すれ違うこともありませんし、後ろから、おじさんが歩いて来てはおりますが、メジャーなコースではないため、静かな山歩きを満喫出来ています。
岩が増えて来たので、歩き辛さも増してきます
右の木の赤印は県境
岩の上に×印に赤という所もありました
・・・いつの間にやら、県境ハンター
これは赤くても県境ではなくてキノコ(←当たり前)
9月も頭くらいと思っていましたが、もう秋なんですね
次第に道が緩やかになっていきました
ということは・・・
遂に分岐地点まで到達しました
雁坂峠から5.3km、いやぁ長かった
思っていたよりは、短めの時間で登りをクリアして、念願の分岐までやってきました。木賊山(とくさやま)は、帰りにも通過するからと帰り道に行くことにして、巻いて巻いて手巻き寿司のように、巻くことにします、力の限り。
木賊山を左に見ながら歩くこのコースも
昨日の古礼山と同様にラララ苔むしな世界
コースタイム通り15分歩くと程なく懐かしい光景に出会えました
ついに甲武信小屋までやって来たのです
天候なども考えて、なんとか午前中までにここまで来たかったので、予定としては、なかなか順調です。この季節に来るのは、初めてでしたが、夏山と紅葉の丁度中間の空いている時期のようで誰もいないようです。ベンチを借りて20分程休んでいても、誰も下りて来ませんし、登っても来ません。鳥のさえずりを聞きながら、ボへ~とします。
さて、いよいよ甲武信ヶ岳山頂に向かいます。山頂へは往復となるので、荷物は、ここにデポさせてもらおうと思い、ついでに何か調達しようと、小屋に声を掛けてみます。北爪さんにもご挨拶しないとですからね。
声を掛けると、奥からテレビを見ていた徳ちゃん登場。宿泊の方がテレビを見たと言っていましたが、本当にあるんですね・・・。冷水にプカプカ浮かぶビールを横目で見ながら涎ダラダラしつつ、カップラーメンとスポーツドリンクを買います。さり気なく、北爪さんは? と聞いてみると、昨日から下山して不在とのことで残念。というよりも
「知り合いか?」 (゜Д゜)
・・・そう誰何されるのも当然です。
「は、はひぃ」
という、情けない返事をしつつ、頭の中では、えぇと、heppocoさんじゃなかった、あれがこうで友達の友達は皆友達といいますか・・・いや、あれ? そういえば、徳ちゃんともご一緒したことあったんだっけ、とまぁ、しどろもどろに、怪しさブルーマウンテン。
最終的には、分かって頂けたようで、折角来たのに残念でしたと慰められました。
ザックを屋根付きベンチにデポさせてもらい、カップラーメンや水やらをアッタクザック(←おおっ、名前がデキル感じ)に入れて、甲武信ヶ岳山頂を目指します。結構休憩を入れたので、居眠りおじさんも来られるかな? と期待しましたが、残念ながら出会えませんでした。
百名山にも挙げられる人気の山も季節外れだからか誰もおらず、一人残暑の山を登ります。
こんな道だったっけかな?
前回は、小屋から山頂だけ軽アイゼンをして登ったなぁなどと懐かしく思いつつ、軽いってステキ! と楽々で登りきると、甲武信ヶ岳山頂に到着です。
今日は、晴れたり曇ったりの天気でしたが
山頂に向かうときは、急に日差しが強くなってきました(ありがたや)
クランキーアイスを地面に突き刺したような、堂々とそびえる山頂標識
(↑ 表現が堂々としてませんって、ほらほら当たり付とか言わない)
甲武信ヶ岳山頂(2,475m)に登頂です!!
今回4山目(笠取山・雁坂嶺・破風山・甲武信ヶ岳)となるライバル(?)山梨百名山標識
端っこにちょこっとありました
実は、ここの山頂からちゃんと景色が見えたのは初めて・・・
と、ちょっとかすんでいますが、初の景色をお昼寝ご飯と一緒に満喫です
カップラーメンと山頂のツーショット
巨大なクランキー・・・もとい山頂標識の後ろに階段がついていたなんて・・・初めて知りました
ただ、登って標識と並ぼうとするのですが、上の石が緩くて・・・
日差しが暑いなぁと、しばらく、ボケ~としていると
やおら前方の雲がモクモクと急成長していきます。うん、ヤバイ
そそくさと片付けて、下山を開始します。甲武信小屋に向かう途中で、またまた居眠りおじさんと今回の山行七回目となる遭遇を果たしまして、お互いの無事と今度こそのお別れとなりました。次の週は、ここから国師ヶ岳~金峰山に向かう予定だそうですから、これからも縦走頑張って欲しいです。
さて、デポしたザックを掴み、ズッシリと重さを感じつつ下山・・・と思いきや最後の山、木賊山がお待ちかねです。歩いて行くと、こんな急でしたっけ?な砂利の登りがあったりして、最後まで山歩きさせてもらいました。
甲武信小屋~木賊山への最後のザレザレ登り
登山道の途中・・・といいますか真ん中に見慣れた標識が見えてきました
ここが木賊山(とくさやま・2,468.6m)、展望はありませんがしっかりした三角点です
立派な三角点標識もありますが
・・・あれ? ここって三等三角点のはず(二本消えてますね)
ここでは休憩せずに、ここから戸渡尾根分岐を経て一気に下山します。
下山コースで3時間、このコースタイムですと普通に行っても夕方になってしまいますから、下り坂とはいえ、まだまだ結構あります。下り坂は、まっさかさまに落ちていくような急な下り坂ですから、時間短縮をする事も難しそうです。
急坂の樹林帯を一気に下ります
木曽駒荘にて開眼した毒キノコハンターの目が光ります
9月に入ったばかりだというのに、結構多いものですね
そりゃもう予想以上の落ちっぷり
転がらないように要注意です
しばらく下っていくと、葉っぱがパラパラと音を立て始めました。
雨のようです。こういった樹林帯の中にいれば、あまり濡れないから大丈夫かと、しばらくはそのままの格好で進んでいましたが、こういう時に限って、タイミング悪く森が途切れる尾根の上を歩いていくことになりまして、木陰を見付けて着替えることに。
久しぶりの赤レンジャー
熱が籠るから嫌なんだよなぁ・・・と、しぶしぶながらレインウェアとザックカバーをかぶせて準備万端。となった途端、いきなり、本当にいきなり、雨がカーテンのように降ってきたのでした。前方が煙ってしまう程の雨量に呆然と立ち尽くします。
これが、ゲリラ雨か・・・。
雨の予兆があれば山登りをしない位の雨嫌いのため、なかなか山では雨に降られないのですが、久しぶりに思い切りのいい奴に遭遇してしまいました。ただ、人間は、予想以上なものに遭遇すると、もういいや的な感じになりますよね。いくらレインウェアを着ていても、木々が遮ってくれようとも、そんな努力をあざ笑うかのように降り注ぐ雨に、すっかり濡れ鼠です。
暫く下っていった先は、結構道も狭くなり葉っぱも触れるほどに
雨露に濡れたその葉っぱ達は、自然の洗車機のように全身を洗ってくれたのでした・・・
(うーん、ソフトタイプ)
徳ちゃん新道との分岐に到着(右:徳ちゃん新道、左:戸渡尾根)
ここに標識無かったんでしたっけ? と探したものの、白い看板ぽいものがあるだけでした
徳ちゃん新道分岐までなんとか辿り着きまして、下山道も後半分。エアリアには、「天候不良時には新道を利用のこと」とありますし、分岐から見えるコースも見るからに鋭角に落ちていますから、注意に従い徳ちゃん新道を利用することにしました。
比較的緩やかに見えたのは最初だけでして
やはり急坂が待っておりました
そして、その後、もっと凄い光景が待っていたのでした。
先程からの豪雨により、登山道が水の通り道になってしまったのです。
・・・とはいえ、そんな経験は幾度もありましたが、徳ちゃん新道のような泥道の急坂が舞台となると、ウォータースライダーのような状態になってしまうようで、ずっと、ず~っと、道幅全体をゴウゴウと泥水が流れていくのです。こうなると、もう小さな沢を歩いている感じですから、靴は、すっかり泥だらけ。中まで浸水してはたまらないと、流れの外側に足をもっていこうとしたのですが、
ズルッ! ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ アヒッ
・・・滑るんですよ。まかり間違うと、そのままスライダーで落ちていけそうな位に轟々と流れていましたが、さすがに飛び乗る勇気は無く、そのまま恐々と尾根道が少し登りになるまでの30分以上、延々水遊びすることになりました。神経磨り減りまくりです。
あ、一回だけ思いっきり吹っ飛びました・・・。
始まりは、LEKIの石突のラバーが片方無くなってしまったことだったのですが、そこからむやみにストックが泥の中に突き刺さるようになりました。そこで、ストックが引っかかってしまい、その反動で足を滑らせてしまい、あっと思い必死でお尻をつかないように踏ん張ったのですが、支える手は濁流の中に・・・。しかも、運の悪いことにストックをもったまま泥の中に突っ込んでしまい激痛。踏ん張った片足も片手をついたことで、バランスを崩して滑って股裂き激痛。石突ラバーを失くして700円の出費に鈍痛。・・・と半泣きでした。
確かに、下りっぷりも凄かったですが、天候によりこんなに道も変わるのかと、最後まで気の休まる事はありませんでした。
ようやく登山道入口に到着
結局、コースタイム通りの時間を使い、ようやく固い大地に戻って来たのでした。こちらは、先程の喧騒もどこへやら、雨も小降りになっていましたので、何だか拍子抜け。身体を冷やした濡れ鼠は、肌寒さを感じつつ、道の駅に戻っていったのでした。
徳ちゃん新道の手前にある立派な登山道入口標識(お金かけてますね)
奥にある徳ちゃん新道の案内板と比較したら・・・安心感ではこちらに軍配
登山道は、西沢渓谷の遊歩道に繋がっていますから合わせて周遊も可能です
その丸いポール、誰か杖として使ってほしい・・・
以前、こんな記事書いたなぁ・・・と懐かしさがこみ上げます
国道140号線に戻ってきた頃には、雨の気配は全く無く
・・・寒いっす
渓谷そばにあるこの建物、何だか分かりますか?
そう、公衆トイレ「笛吹の音入処」
あまりにも懲りすぎて、紙で「トイレ」と書かないと認識出来ないスグレモノ
・・・誰かお金の遣い方を教えてあげて下さいよ
登山道入口から歩くこと35分
ようやく2日間の雁坂峠ぐるりっぷは幕を下ろしました
※ 結局、この時に風邪を引きまして、今日まで妙な咳に悩まされることになりました。暑いからといっても、油断は禁物ですね。
==
雁坂小屋~甲武信ヶ岳(最高峰・甲武信ヶ岳 2,475m・埼玉/山梨/長野県境)
コースタイム 10時間15分・所要時間(諸々含む):10時間25分
雁坂小屋(7:20)~ 0.5km・20分 ~雁坂峠(7:40)~ 40分 ~雁坂嶺(8:20)~ 1時間5分 ~東破風山(9:25)~ 30分・峠から2.6km ~西破風山(9:55)~ 20分 ~破不山避難小屋(10:35)~ 1時間30分・破風山から3.3km ~甲武信小屋(12:15)~ 0.4km・15分 ~甲武信ヶ岳(12:55)~ 15分 ~甲武信小屋(13:45)~ 0.5km・15分 ~木賊山(14:05)~ 1時間35分 ~分岐(15:40)~ 1時間30分 ~徳ちゃん新道登山口(17:10)~ 35分 ~道の駅みとみ(17:45)
==
全コース総括
2008年9月6日(土)~9月7日(日)・1泊2日(テント泊)
1日目:道の駅みとみ~(3時間)雁峠~(2時間)笠取山往復~燕山・古礼山・水晶山~(3時間20分)雁坂峠~雁坂小屋
合計:8時間40分
2日目:雁坂小屋~雁坂峠~雁坂嶺・東破風山~(2時間15分)西破風山~(2時間5分)甲武信ヶ岳~木賊山~(3時間20分)登山口~道の駅みとみ
合計:10時間25分
今回のテント泊は、通常使われているルートが、甲武信ヶ岳(泊)~雁坂峠のようでしたので、逆コースを歩いてみようと計画したのが始まりでした。初日に雁坂峠まで歩くだけでは、勿体無いと思い、未知なる埼玉の山を繋げて歩いてみた事が功を奏して・・・笠取山の誘惑は予定外で、ちょっと無理が入ってしまいましたが・・・概ね危険な場所のない、奥秩父を堪能する充実の山行となりました。2日目の時間は、ちょっと長めに見えますが、甲武信からの3時間の下りを除けば大体4時間30分ほどの山歩きですから、そんなにキツク感じませんでした。
今回は、ザックの重さや天候によりコースタイムも歩き方も考えないとならないこと、当たり前ながら水の大切さ、お酒の大切さ(笑)、誰もが経験するヒトリノヨルな世界、同じ道を行く山仲間のこと・・・色々勉強になりました。
山登りの醍醐味鷲掴み。また行きたくなりますね。
県境なキノコ、自然の洗車機…等々ねこさんの感性の鋭さに脱帽です、おっす!
単独じゃなくてもいいんですよ。
単独じゃなくてもいいんですよ。
最後までご覧頂き、そして毎回コメントを頂きまして有難うございます。たった2日の山行がこんなに2週間もブログとしてダラダラ続くとは思いませんでした。それだけ、このルートが奥深いということで・・・いかがでしょ。
先程、昔の記事を見ていましたが、若いなぁなんて思ってしまいました。皆さんの感性には及ぶべくもありませんが、昔よりも衰えているなぁとしみじみ感じてしまいました。まだまだ精進です。おっす!
>自然の洗車機のように全身を洗ってくれたのでした・・・
>(うーん、ソフトタイプ)
爆笑さしてもらいやした。
頂上のクランキーの裏階段。あれも、すごいっすね。気がつかなかったっすよ。先輩さすがっす。
で、このルート、ずっと行きたいといいながら、まだなんすよー、先輩。
ちょっと寒くなった頃に行ってみよっかなー。
(こういうコトバヅカイ激しく苦手)
雁坂のテント場、そこは「いじるさんと出あった」思い出の場所なんですよ~♪
友達の友達はみな・・・ってことで、なんだかワクワクしませんか~?(半ば押し付け?(笑))
この辺り、私も好きですyo
ただ、いつの時期に行ったもんだか迷うところです。
雪が多いと春も大変そうだし、夏は暑そうだし・・・
久しぶりにトラバしてみました(^_^;)
やっぱりテントは誰かと一緒がいいでしょ??ね?
嬉しいような、淋しいような。
北爪さんにお会い出来ずに残念でしたね。もう、かいねこさんは「男性」と認識されているんですよね、多分(爆)
10時間半の長丁場で、最後は徳ちゃん新道でゲリラ雨のオマケまで、いやぁ凄い経験ですね。楽しく拝見しました。
沢のように流れる登山道は私も今日経験しましたが、降雨中で、水量が多いとマジで恐そうです。700円の損害で良かった、良かった。
いやあ、まきくまさんに比べたら、感性はまだまだ足元にも及びませんが、ようやくレポは完成した時には、歓声をあげたくなりましたよ(だから、ひつこい!)。
以前は、晴れた休日は、自力で洗車していたのですが、今や晴れるとどこかに行かなくては勿体無いと思うようになったため、良く洗車機のお世話になっています。あのソフト布タイプのペチャペチャした感じがとにかく似ていまして、自分で打たれながら、車の気分を味わいました。
頂上のクランキー裏階段。あれ最近ですかね? 登っている人見たこと無いですし・・・。
ベストはシャクナゲの季節か、晩秋あたりだと思いますので、メジャー級の山々に飽きましたら、是非お勧めいたしますよ。
隊長さんお休みになりましたか・・・(ヒソヒソ)。
TB拝見しました。やっぱり、heppocoさんのレポを見ると、感性が一味違って(笑いの感性は、ロビンさん&まきくまさん&TiCAさんが凄まじいですけど)、こちらのレポが恥ずかしくなりますよ。同じ場所じゃなくて良かった・・・。特に、写真から滲み出る明るさは、heppoco隊ならでは、勉強になります。おっす!
雁坂小屋のテント場で、いじるさんですか?! 雁坂は、出会いの場なのかもしれませんね。誰か一緒に来てくれないですかね・・・単独じゃなくてもいいんです(ひつこい)。
時期はもうちょっと遅くしかったのですが、夏は暑かったですよ(笑)。ただ、尾根沿いは埼玉方面からの風が、なかなか涼しいですから、もう今頃は、肌寒くなっているかもしれませんね。県境は人が少ないですから、季節はずすと人が少ないのが怖いですね・・・。
いよいよ最終回となりました。第○回のレポじゃなくてすみません(爆)。
テント泊ともなると、山どっぷりの凝縮された時間を過ごせるからか、レポも書くことたんまりとなって嬉しい悲鳴です。こういったことが続くと、書いていない山行が目白押しになってしまって・・・いやはや。
今日のお山は、そんな所でしたか。ご無事で何よりです。
皆さんもお家でこの良い天気をどうしたものかとヤキモキしていたようですから、山が近いと良いですよね。自分は、不貞寝してたら夕方で、今日が良い天気かだったかすら分からずじまいでした(涙)。明日は全国雨のようですが、また晴れたらどうしようと思いつつ、こんな時間までウダウダ(涙)。
そうですか、関東の山に疎い私としてはお勉強になります。
避難小屋が多く、それも老朽化していて使えないものもあるんですねぇ~
テントかついでの山行お疲れさまでした。
同じ単独同士、助け合って?いきまっしょい!(笑)
お忙しい中でもコメント下さって、有難うございます。
秩父では、そんなに避難小屋は多くありませんね。この近辺でも、破不山避難小屋だけですし、近辺にも、十文字峠方面に柳小屋、四里観音避難小屋、白泰避難小屋、樺避難小屋・・・あれ、多い。破不山避難小屋はともかく、他は整備されてとっても綺麗と聞いていますよ(行程上、山で使う人が少ないみたいですけど、行ってみたいですね)。
B作さんは、単独といっても単独じゃないですが・・・。ただ、その方が一緒に出掛けるよりも数倍大変なことは重々承知しておりますので、これからも是非是非頑張りまっしょい!