埼玉県北本市。
大宮台地の先端部、埼玉県の真ん中より少し東にある高崎線沿線の街になります。同じ埼玉県民からしても、何か特徴があるかと言われても・・・うーむと悩んでしまう感じです。少し前に北本トマトカレーがどこぞでグランプリ(*)になったそうで、そのことでトマトが採れることを知った程度でしたが、北本市のマスコットキャラクターが「とまちゃん」となっているところからもかなりの特産品のようです。他には、全国でも稀な桜で日本五代桜でも知られる石戸蒲ザクラ (いしとかばざくら) や北本自然観察公園があります。
(*全国ご当地カレーグランプリで2014年・2019年と2度優勝しているようです、すごい)
と、北本市の紹介はさておき、今回紹介するのは、北本市にあるデーノタメ遺跡です。ちょっと変わった名前ですが、見出しの写真にあるようにため池の名前(豊富な湧水(デスイ)のため池)から来ているそうです。場所は、北本駅からバスか歩きで北本団地に行きますと、その隣に広がる謎の森がデーノタメ遺跡になります。
宇都宮線・野田線・伊勢崎線沿線の住民からすると高崎線・東上線沿線は同じ県内といえども別生活圏
車で来た方が早いですから、北本駅に来たのは何十年ぶり、綺麗になっていますね
デーノタメ遺跡の最寄りは北本団地
最寄りのバス停は「団地東」で、北本駅からバス8分、徒歩25分ほどです
バス停の近くに広がる森と看板が1つ、こちらがデーノタメ遺跡です
関東最大級の大規模集落と言われるだけあって、集落の範囲はかなり大きいです
ただ、残念ながら森への立ち入りは禁止されています
漆塗りの土器など、地下水と湿地のおかげで多くの貴重な遺跡が見つかっています
デーノタメ遺跡 ~縄文のタイムカプセル~
1 デーノタメ遺跡とは
デーノタメ遺跡は、縄文時代中期から後期 (約5,000年前~約3,800年前) にかけて、およそ1,200年にわたって営まれた集落遺跡です。
遺跡は縄文時代中期と後期の集落が大規模で、これらの集落に隣接して低地遺跡がセットで残っていることが特徴です。
低地から出土した漆製品や植物の種実(じゅじつ)などは、その量と質が優れており、全国的に注目を集めています。
2 関東を代表する大規模集落
縄文時代中期の集落は、中央に広場を設け、広場を取り囲むようにし竪穴住居が設置されるため、「環状集落」と呼ばれています。
デーノタメ遺跡では、この環状集落のほぼ全体が残されていることが確認されており、その大きさは長径約210m、短径約160mで、「関東最大級」の規模を誇ります。
また、後期の集落は浅い谷に沿って弧状に展開し、弧の直径が約270m、幅約60mの規模で、後期の集落も大規模であることがわかっています。
3 低地遺跡
低地遺跡では縄文時代の水辺空間が広がり、漆塗土器やクルミ・トチノキなどが多量に見つかりました。
このほかに木材や微細な種実なども出土し、縄文人が何を食べ、どのように植物資源を利用していたのかを推測することができます。
また、中期から後期の泥炭層が途切れることなく堆積しているため、当時の気候や植生の変化などを明らかにすることができます。
4 デーノタメ遺跡の特徴
デーノタメ遺跡の特徴をまとめると、以下のとおりとなります。
① 縄文時代中期と後期の集落が大規模であること。
② 縄文時代中期から後期の集落と水辺空間がセットで残っていること。
③ 縄文人がクリやクルミなどの植物資源を管理していたこと
④ ウルシの林を管理し、高度な漆の工芸技術をもっていたこと。
⑤ ①~④の特徴を有する遺跡は全国でも稀であること。
令和2年3月10日 北本氏教育委員会 (設置看板の情報より)
今のところ、看板が一つあるだけで、遺跡のある場所への立ち入りは禁止されているため、こちらに来ても今まで書いてきた内容を実感できることはありません。ただ、長年の調査結果から、関東最大規模の縄文時代の集落跡であることや、低地や泥炭層に多くの遺構が残されていることから、貴重な遺跡になる可能性があるというのは、やはりワクワクしてきます。縄文時代と言えば、狩猟採取生活と昔は学校で教えられてきましたが、青森県にある三内丸山遺跡でも、農耕を行わず落葉広葉樹を育てながら長期にわたり定住生活を送っていたことが分かってきており、この遺跡から新しい縄文時代の生活が見えてくる可能性もあります。漆型土器も三内丸山遺跡でも見つかっていますしね。
北本市としても国指定史跡を目指して整備を続けており、昨年11月には市役所で特別展を開催するなど、その動きも加速してきているため、今後の動向が期待されます。
・・・それにしても、子供時代にこんな遊び場が近くにあったら、間違いなく侵入していただろうなと思いつつ。また、見学会などがあればと期待しています。
より詳しく知りたいは、北本市のサイトをご覧ください。PDFのファイル名がローマ字でちょっとクスッとしてしまいました。
北本氏が提供しているデーノタメ遺跡の報告書
歩いていくのであれば、北本で有名なたい焼き屋?「コーヒーとタイヤキのカラク」はいかがでしょう
一丁焼き型を使った天然もののたい焼きが味わえます
その前にある「ぱん屋 そらのとびかた」もパンが美味しかったです
大宮台地の先端部、埼玉県の真ん中より少し東にある高崎線沿線の街になります。同じ埼玉県民からしても、何か特徴があるかと言われても・・・うーむと悩んでしまう感じです。少し前に北本トマトカレーがどこぞでグランプリ(*)になったそうで、そのことでトマトが採れることを知った程度でしたが、北本市のマスコットキャラクターが「とまちゃん」となっているところからもかなりの特産品のようです。他には、全国でも稀な桜で日本五代桜でも知られる石戸蒲ザクラ (いしとかばざくら) や北本自然観察公園があります。
(*全国ご当地カレーグランプリで2014年・2019年と2度優勝しているようです、すごい)
と、北本市の紹介はさておき、今回紹介するのは、北本市にあるデーノタメ遺跡です。ちょっと変わった名前ですが、見出しの写真にあるようにため池の名前(豊富な湧水(デスイ)のため池)から来ているそうです。場所は、北本駅からバスか歩きで北本団地に行きますと、その隣に広がる謎の森がデーノタメ遺跡になります。
宇都宮線・野田線・伊勢崎線沿線の住民からすると高崎線・東上線沿線は同じ県内といえども別生活圏
車で来た方が早いですから、北本駅に来たのは何十年ぶり、綺麗になっていますね
デーノタメ遺跡の最寄りは北本団地
最寄りのバス停は「団地東」で、北本駅からバス8分、徒歩25分ほどです
バス停の近くに広がる森と看板が1つ、こちらがデーノタメ遺跡です
関東最大級の大規模集落と言われるだけあって、集落の範囲はかなり大きいです
ただ、残念ながら森への立ち入りは禁止されています
漆塗りの土器など、地下水と湿地のおかげで多くの貴重な遺跡が見つかっています
デーノタメ遺跡 ~縄文のタイムカプセル~
1 デーノタメ遺跡とは
デーノタメ遺跡は、縄文時代中期から後期 (約5,000年前~約3,800年前) にかけて、およそ1,200年にわたって営まれた集落遺跡です。
遺跡は縄文時代中期と後期の集落が大規模で、これらの集落に隣接して低地遺跡がセットで残っていることが特徴です。
低地から出土した漆製品や植物の種実(じゅじつ)などは、その量と質が優れており、全国的に注目を集めています。
2 関東を代表する大規模集落
縄文時代中期の集落は、中央に広場を設け、広場を取り囲むようにし竪穴住居が設置されるため、「環状集落」と呼ばれています。
デーノタメ遺跡では、この環状集落のほぼ全体が残されていることが確認されており、その大きさは長径約210m、短径約160mで、「関東最大級」の規模を誇ります。
また、後期の集落は浅い谷に沿って弧状に展開し、弧の直径が約270m、幅約60mの規模で、後期の集落も大規模であることがわかっています。
3 低地遺跡
低地遺跡では縄文時代の水辺空間が広がり、漆塗土器やクルミ・トチノキなどが多量に見つかりました。
このほかに木材や微細な種実なども出土し、縄文人が何を食べ、どのように植物資源を利用していたのかを推測することができます。
また、中期から後期の泥炭層が途切れることなく堆積しているため、当時の気候や植生の変化などを明らかにすることができます。
4 デーノタメ遺跡の特徴
デーノタメ遺跡の特徴をまとめると、以下のとおりとなります。
① 縄文時代中期と後期の集落が大規模であること。
② 縄文時代中期から後期の集落と水辺空間がセットで残っていること。
③ 縄文人がクリやクルミなどの植物資源を管理していたこと
④ ウルシの林を管理し、高度な漆の工芸技術をもっていたこと。
⑤ ①~④の特徴を有する遺跡は全国でも稀であること。
令和2年3月10日 北本氏教育委員会 (設置看板の情報より)
今のところ、看板が一つあるだけで、遺跡のある場所への立ち入りは禁止されているため、こちらに来ても今まで書いてきた内容を実感できることはありません。ただ、長年の調査結果から、関東最大規模の縄文時代の集落跡であることや、低地や泥炭層に多くの遺構が残されていることから、貴重な遺跡になる可能性があるというのは、やはりワクワクしてきます。縄文時代と言えば、狩猟採取生活と昔は学校で教えられてきましたが、青森県にある三内丸山遺跡でも、農耕を行わず落葉広葉樹を育てながら長期にわたり定住生活を送っていたことが分かってきており、この遺跡から新しい縄文時代の生活が見えてくる可能性もあります。漆型土器も三内丸山遺跡でも見つかっていますしね。
北本市としても国指定史跡を目指して整備を続けており、昨年11月には市役所で特別展を開催するなど、その動きも加速してきているため、今後の動向が期待されます。
・・・それにしても、子供時代にこんな遊び場が近くにあったら、間違いなく侵入していただろうなと思いつつ。また、見学会などがあればと期待しています。
より詳しく知りたいは、北本市のサイトをご覧ください。PDFのファイル名がローマ字でちょっとクスッとしてしまいました。
北本氏が提供しているデーノタメ遺跡の報告書
歩いていくのであれば、北本で有名なたい焼き屋?「コーヒーとタイヤキのカラク」はいかがでしょう
一丁焼き型を使った天然もののたい焼きが味わえます
その前にある「ぱん屋 そらのとびかた」もパンが美味しかったです
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます